
勉強の秋がやってきました。読書の秋、芸術の秋、そして——検定の秋!
この時期は、全国各地でさまざまな検定が開催されます。漢字検定、算数・数学検定・実用英語技能検定(英検)をはじめ、プログラミング検定や書写検定など、子どもたちの「学びたい」「挑戦したい」という気持ちを形にする機会が豊富です。
特に英検・漢検・数検は、”三大検定”と言われ、学校や塾での団体受検を通じて広く浸透しています。
英検は、昨年度の小中高生受検者数は約225万人と公表されています。漢字検定は、小学生に人気で、年間受検者137万人のうち約4割を占めるそうです。
算数・数学検定は約29万人ですが、小学生の低学年から挑戦できる設計となっており、早期の学習習慣づくりに活用されています。
検定がここまで広がった背景には、学校の成績だけでは測れない力を、検定という形で“見える化”できることが魅力とされている点があります。また、検定に向けて努力する過程で、子どもたちが「継続力」「自信」「達成感」を得られるという側面も見逃せません。さらに、高校・大学入試での加点や出願条件として活用されるケースが増えており、受検の動機にもつながっています。
特に英検は、ここ数年で小学生の受検者数が急増しています。2024年度には約37万人が受検し、過去最高を記録しました。過去10年で約1.5倍に増加しました。特に英検5級(中学初級レベル)や4級(中学中級レベル)を受ける小学生が増えており、3級(中学卒業レベル)に挑戦する小学生も珍しくないそうです。
この背景には、2020年度からの学習指導要領改訂による小学校英語の教科化、中高での英語の難化、「読む・聞く・話す・書く」の4技能の育成が求められていることなどが挙げられます。早期から英語学習に備えたいという保護者の意識の高まりも感じます。
また、英検はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応しており、CSEスコアによって英語力の到達度が可視化されるようになりました。これにより、単なる合否ではなく「どの力がどれだけ伸びているか」が見えるようになり、学習指導や進路支援、高校・大学入試にも活用されています。
高校入試では、調査書加点の対象となったり、英検の取得級に応じて、英語得点を保証したりしている自治体も一部あります。
大学入試では、その傾向は顕著で、英検スコアが英語試験の代替や得点換算への活用、推薦・総合型選抜でもアピール材料としても有効ということもあります。
CEFR B1(英検2級相当)以上を出願条件とする大学が増加していることもあり、2級(B1)は約64万人、準1級(B2)は約20万人と増加しており、2024年度、高校生の英検受験者数は約133万人で、過去10年で約1.8倍に増加したということです。
受験生にとっては、検定取得のタイミングが限られます。だからこそ、非受験学年の秋〜受験学年の夏までが、検定取得の最適な期間です。この時期に検定に挑戦することで、受験学年に入ったときには「すでに力がある」「自信がある」という状態でスタートできます。特に英検・漢検・数検は、学年を問わず挑戦できる設計になっているため、早期取得が大きなメリットになります。
検定の盛り上がりやメリット、入試制度との接続についてお話してきましたが、最後に原点に立ち返りたいと思います。
検定は、確かに目に見える成果をくれるものですが、できない問題に悩んだり、少しずつできるようになったりする積み重ねの中で、学ぶことの楽しさや、自信を持てるようになるなど、お子さまの未来につながる学びの経験になると考えています。
先々の備えとして、学びの楽しさに触れる一歩として、検定に挑戦してみませんか?