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中学受験塾選びに重要な検討・判断の基準

中学受験塾選びに重要な検討・判断の基準

中学受験にはどの塾がいいの?

中学受験に向けての塾を探す際、多くの保護者様が「中学受験に適した塾ってどこだろう?」と悩まれるそうです。今まで学習塾に通っていない場合も多く、塾探しを一からすることはとても大変ですよね。

結論としては「目的や入試形態、お子様の性格や学習スタイルなどの諸条件」によって異なりますが、中学受験では「個別指導」の方が向いている場合が多いです。本記事ではその理由を、順を追ってご説明します。保護者様の抱えるお悩みに対する「解決の糸口」になれば幸いです。

学習塾・予備校・家庭教師の特色

選ぶための第一歩として、中学受験対策に利用できる学習塾・予備校・家庭教師の特色を整理しておきましょう。細かく考えると際限がなくなりますが、大きく考えると2パターンに分けられます。

一つ目は冒頭でお話しした「塾」です。多くの方が中学受験時に利用するものでもあります。基本的に塾長などがその塾の雰囲気から学習内容までを管理しています。学習の指針である「カリキュラム」をもとに、塾生のペースを大きく逸脱させずに進めることができるのが、塾の特徴です。またその「カリキュラム」自体も、塾として力を上げて作成していることも多く、一定のクオリティが保証されています。

また塾にも大別して2つの塾があります。一つが「集団塾」、もう一つが「個別指導塾」です。「集団塾」はその名の通り、複数人数に対して、カリキュラムをもとに指導をしていく形です。「個別指導塾」とは、一人一人に応じた指導をしていく形です。

複数人数を相手に、講師一人が教える形で授業が進みますので、「集団塾」の費用は家庭教師よりも抑えられる場合が多いです。また、同様の理由で個別指導塾は、生徒ごとに先生がそれぞれ対応するため、集団塾よりは費用が必要な場合が多いです。一方家庭教師のように交通費などの考慮はないため、家庭教師よりは費用も安くなる場合が多いです。


二つ目は「家庭教師」です。こちらは一人一人の学力や状況に合わせ、一人の家庭教師が面倒をみていくため、臨機応変な指導が可能であることが、最大の特徴です。腕の良い家庭教師であればある程度のペース配分も任せられますが、ここはかなり「個人の力量」によるところが大きく、そこが塾との大きな違いといえます。費用面では、家までの交通費なども考慮されますので、やはり「塾」よりはお高めです。

整理すると、費用面では、家庭教師>個別指導塾>集団塾、であることが一般的です。

そしてここまで真面目に検討された方が疑問に思われがちなのは、「個別指導塾と家庭教師の違いは何か?」という点です。その最大の違いは「カリキュラムやペースを管理する塾長などの存在と、塾という学習場所の提供」です。個別指導塾は、塾の「カリキュラム・ペース配分にこだわる」点と、家庭教師の「その子一人一人の学力や状況にあわせられる」点を組み合わせている形態といえます。

中学受験の現状

次に「中学受験の学習」の現状を整理しましょう。中学受験のスタート時期について、大手の集団塾では、小学4年生の春、つまり、小学3年生の2月からがスタートと言われます。小学4~5年生の2年間で受験の基礎知識を、一通り学習します。そして6年生からは総合的な問題に取り組んでいきます。あわせて3年間をかけ、全分野まんべんなく「スパイラル式」で繰り返し学習していきます。これが「中学受験は、学習量もかける時間も膨大だ」と言われるゆえんです。

中学受験時の学習塾利用方法 個別指導編

それでは実際に「そのような膨大な量・時間が必要な中学受験では、どのように学習塾を利用するのか?」について具体的にイメージしていきましょう。実は大きく「個別指導」と「集団指導」で、利用の仕方が分かれます。

まずは中学受験で個別指導を利用される方についてです。その場合は、大きく2パターンあります。

一つ目は、オーダーメイドでカリキュラムを作成し、お子様の学力、性格、スケジュール、生活リズムに合わせたカリキュラムでの学習を望まれる場合です。時間的制約や学力の不安などが多くある場合は、お子様にあわせたカリキュラムで、お子様にあった指導をしたい、と希望される方が多くいらっしゃいます。

二つ目は、集団の進学塾のカリキュラムについていくために個別指導塾を併用する場合です。わからないところの質問対応、苦手単元の重点的な学習、不足する部分を補うことを望まれる場合はこのパターンです。

つまり個別指導塾を利用するやり方としては、「個別指導だけで完結するパターン」と「集団指導の塾と併用するパターン」があるということです。それだけ「お子様一人ひとり異なるニーズやご要望」に対応しながら、学習が進められる利用方法とも言えます。

中学受験時の学習塾利用方法 集団指導編

それでは次に、中学受験で集団指導を利用される方についてです。その場合も、大別すると2パターンです。

一つ目は、まんべんなく受験知識全てを網羅する受験カリキュラムを、長期間じっくり取り組みたい場合です。先ほどのスタート時期の話からすると、小学4年生の春、つまり、小学3年生の2月からしっかりとスタートを切ることができ、日々のスケジュールでも毎週塾の時間が長時間確保できる「従来型」の学習塾利用方法とも言えます。
二つ目は、周囲に同じような目標のお子様が大勢いて、その雰囲気の中で切磋琢磨したい、という場合です。物怖じせずに積極的に学習に取り組めるお子様にはとてもあっていますね。
このように集団塾を利用される場合は、ある程度向いているお子様が固定されてしまいまが、しっかりと条件に当てはまる場合は効果を十二分に発揮できる利用方法です。


個別指導が向いているお子様

さて、ここまででそれぞれ塾を利用するパターンなど大きな枠の話をしました。ここで翻って、お子様について考えたときに、はたして「個別指導」と「集団指導」どちらが向いているのか、に焦点をあてて考えていきましょう。

個別指導塾での学習が向いている方の共通点は「お子様に合わせた指導を希望されている」という点です。
例えば志望校が明確で、お子さまの得意・苦手を考慮した傾向の対策を希望されるお子様には、オーダーメイドでカリキュラムを作成できる個別指導が向いていますよね。また、受験勉強のスタートが遅く、全分野まんべんなく学習するには時間が足りないというご相談も頻繁にお受けします。そのような場合もお子様の学習状況に合わせて、教科や単元のバランスに強弱をつけられる個別指導の方が向いています。自分に必要な解説のみ聞きたい、「わからない」を最短で解決したいというニーズが満たせるのも個別指導だけです。

また、スケジュールや性格面で「お子様に合わせた指導」をお求めの場合もあります。塾以外の予定とも両立したいため、全分野まんべんなく学習するには手持ちの時間が足りない方には、指導回数・曜日などのスケジュールをお子さまに合わせて選べる個別指導が通いやすいです。また、性格的に集団の中では受け身になる、周囲と比較して自信をなくしてしまう方には、お子さまが主役となれ、ほめ伸ばしで自信をつけられる個別指導が向いています。

そして、保護者の方のスケジュール面でも個別が望まれる場合も最近特に多いです。保護者様が日々お忙しく、お子さま自身での学習管理が難しいという場合には、一人ひとりをきめ細かくサポートしてくれる個別指導で、受験に向けた体制を整えていくことがオススメです。


集団指導が向いているお子様

一方で、集団指導塾での学習が向いているのは「学力・時間面・性格面ともに、全体のスケジュールに合わせることができるお子様」です。
例えば先述した通り、しかるべき時期に通塾を開始し、時間、スケジュールの確保が毎週しっかりとでき、受験対策の通塾に集中できる方には、まんべんなく知識を得られる集団指導が向いています。

また、性格の面でも負けず嫌いであったり、周囲と一緒の方が頑張れるような良くも悪くも流されやすいタイプであったりすると、集団指導でより伸びていく可能性が高いです。
ただこれらの前提は、少なくともお子様の学力に大きな苦手や遅れがなく、ある程度高い理解度を有している場合です。そこに不安がある場合は、上記の時間・性格的な面を満たしていても個別指導塾の検討や、両方を併用するなど工夫は必要になってくるでしょう。


中学受験の変化

また、近年は、学習指導要領の改訂や大学入試の変化など、さまざまな社会の変化を受け、中学受験の傾向はすでに変化を始めています。それらの変化に対応していくためにも、中学校として、どういう生徒を求めているか、また、どういう生徒を育成したいかというそれぞれの学校の特徴がより鮮明になってきています。そのため、入試においても、テストの得点で知識を競うだけではなく、これまでの経験や学びから、お子さまの考え方や個性を表現する力が求められる試験内容も増えてきています。その代表例が「適性検査型」と言われる入試形式ですが、年々、採用する学校は右肩上がりで増え続けています。

「適性検査型入試」には個別指導が効果的!

そのような受験に向けては、まさに個別指導が効果的です。
自分で考え、表現することが多く求められるのは、集団指導にはない個別指導だけの特徴です。お子さまが主役になり、自分の言葉で説明できるようになるトレーニングを、日々の指導の中で出来ます。さらに、持っている知識だけでなく、得た情報をもとに、分析し、表現する力が試されるため、考えた過程を振り返ることもできます。そしてこちらが最大のポイントですが、「適性検査型」では教科学習だけではなく、小学生時代にできる様々な経験と受験勉強を両立させて取り組むことも求められるため、勉強以外の経験も多く積まねばなりません。その場合、スケジュール面で柔軟な対応が可能な個別指導の方が、対策をとりやすいというメリットがあります。

中学受験対策における個別指導の特徴

まとめとして、個別指導における中学受験対策の特徴をお伝えします。

基本的にすべての科目において、集団塾のように全てを網羅しようとせずに、志望校や現状の学力に合わせて問題の難易度を選択していきます。また、個別指導ではしっかりと疑問点を解消できますので、一人で取り掛かりにくい単元や、多くの思考が求められる記述問題が多い単元などを優先的に行う場合も多いです。

具体的には、下記のような単元や問題です。
算数…図形、文章題(代金個数、速さ、整数)
国語…長文読解問題の記述や細かい文法の問題
理科…実験に関する記述問題や計算問題
社会…資料やグラフの読み取り問題
※単元は一例です。お子様の状況により臨機応変に対応することが基本です。

こうした問題を通して、一人一人に応じて不足している知識や、プラスアルファの発展的な知識などを伝達できるのも、中学受験対策における個別指導の特徴といえます。

失敗しない中学受験の塾選び

ここまでお伝えした通り、中学受験をされるご家庭の状況も千差万別で、中学校の入試の形も様変わりしようとしています。そのため一概に合格実績や在籍数だけで塾を選ぶと、お子様にとっての「最適」にならないことも多くなってきています。

失敗しない中学受験の塾選び最大のポイントは、「何を検討・判断の基準にするか」です。
受験する学校の入試の特徴や変化、お子さまの性格や学習の習慣、理解度、ご家庭の生活リズム、保護者の方の関わる深さなどご家庭で検討される内容もさまざまかと存じます。その検討・判断の基準をしっかりと保護者様がお持ちいただくことこそ、失敗しない塾選びの最初かつ重要な一歩です。
中学受験においては、塾、つまり学習の環境は非常に重要です。この記事が、お子さまが生き生きと輝き力を発揮できる塾を選ぶ一助となりましたら幸いです。