
【ニュース概要】
来年1月18日、19日に行われる大学入学共通テストの出願が9月25日開始した。大学入試センターでは、受付初日午後5時時点における出願総数は1万400人。前年度の初日を2338人上回る出願を受け付けた。
2022年の高校1年生から導入された新学習指導要領に対応する初めてのテストで、内容に大きな変更がある。また、紙での出願は今回が最後で、20206年度実施分から原則オンライン化される。
■これまでの共通テストとの違い
今の高校3年生は、これまでとは変わる共通テストに臨みます。全体では、6教科30科目から7教科21科目へとスリム化されています。大学入試センターから出されている、「令和7年度大学入学共通テストの主な変更点について」に書かれている主な変更点を改めて見てみましょう。(要約版)出典:abm.php.pdf (dnc.ac.jp)
①新しい教科「情報Ⅰ」が追加されます。
情報Ⅰは、情報社会における基本的なリテラシーを育成することを目的に、新学習指導要領より、すべての高校生が学習する必修科目となりました。情報Ⅰの追加により、共通テストの満点は従来の900点から1000点満点に変更されます。
②数学がⅡBからⅡBCに
数学が従来の「数学Ⅱ・B」に加えて、「数学C」が追加され、試験時間も60分から70分に延長されます。
数学Cでは、ベクトルや複素数平面など数学の応用的な理解が求められる内容が出題されています。
③国語の大問1つ増え時間も延長
国語では、「近代以降の文章」に関する大問が追加され、試験時間が80分から90分に延長されます。
200点満点の内、現代文110点、古典90点とこれまでより現代文への荷重が大きくなっています。
④地理歴史と公民の科目が変更
社会は科目が再編され、「地理総合」「歴史総合」「公共」が新設されています。従来の10科目から6科目に変更され、「地理総合」と「歴史総合」は必修となるなど、選択科目の組み合わせに制約が設けられています。
■共通テストの変化とこれから求められる力
2020年度からの教育改革の発表があった2017年当時、2025年度入試の対象となる今の高校3年生は、まだ小学生でした。これから中高と大きな変化の荒波を一緒に越えていくのだなと、その対策・対応する立場として、覚悟したことがほんの最近のように思い出されます。実際に定期テストの内容、通知表の評価の基準、入試のあり方とさまざまな変化に加えて、コロナ禍での環境の変化も手伝い、新学習指導要領への対策も着々と進んできました。共通テストの変化の背景にもある、求められる力は以下に集約できます。
- 思考力・判断力・表現力…詰め込み教育や単なる知識の暗記ではなく、考えて表現することが、学校教育、テスト、入試あらゆる場面で求められるようになりました。
- 主体的・探究的な学び…生徒自らが課題を見つけ、解決に向けて試行錯誤していく姿勢が身につくよう、指導の在り方など、教える側の姿勢も問われ、変化してきました。
- 情報リテラシー…「情報Ⅰ」の必修化でプログラミングや情報セキュリティなど、情報社会におけるリテラシーの向上に注目が集まりますが、算数・数学の分野でもデータの活用の単元が拡大するなど、得た情報をどのように活用し、課題解決に結び付けるかというところも求められています。
変化に対応してきた現高校3年生。新たな試験に挑む彼らに最後まで寄り添い、見届けていきたいと思います。