はじめに
国語の学力は、学問の土台であり、将来にわたる成功の鍵とも言えます。しかし、意外にも「国語が苦手」という中学生は多く、親御さんもその対策に頭を悩ませているのではないでしょうか。今回は、国語学力向上の重要性と、中学生が苦手意識を持つ原因についてお話しします。
【国語に苦手意識をもつ子が多い?国語の重要性とは】
国語力向上の重要性
国語は、単なる「科目」の一つにとどまりません。むしろ、他の科目や日常生活においても役立つ「基礎力」としての側面があります。たとえば数学の文章題や理科の実験レポート、さらには社会の資料読み取りなど、すべてにおいて読解力や表現力が必要です。これらの力を養うのが国語という科目です。
また、高校受験でも国語は大きな比重を占めています。多くの中学校で行われる定期テストでも、国語の成績が全体の評定に大きく影響します。さらに、大学入試改革によって「記述力」が重視されるようになり、論理的に考えを伝える力がこれまで以上に重要になっています。こうした背景から、国語の学力を高めることは、子どもたちが社会に出るための準備にも直結していると言えるのです。
中学生が国語に苦手意識を持つ理由
それにもかかわらず、国語を苦手と感じる中学生は少なくありません。その理由として、以下のような点が挙げられます。
(私も学生の頃、国語が苦手でしたので、苦手な子の気持ちはわかります)
1. 身近な言葉なのに「点数化」されるギャップ
国語は日常的に使う日本語を扱う教科です。このため、「勉強しなくてもできる」と思われがちです。しかし、いざテストになると、自分では理解したつもりの内容が採点基準に合わず、思ったように点数が取れないことがあります。このギャップが、自信を失う原因の一つです。
2. 正解が一つではない曖昧さ
国語の問題、とくに長文読解や記述問題は「正解が一つに定まらない」と感じられることが多いです。数学や理科のように明確な答えがある教科とは異なり、「どう答えるのが正解か」がわからず混乱する子どもも少なくありません。
3. 読書量や語彙力の不足
語彙力は国語力の土台ですが、普段から本や文章に親しむ機会が少ない子どもほど、この部分でつまずきやすいです。語彙力が乏しいと、文章を読み取る力も弱くなり、特に抽象的な表現や比喩を理解することが難しくなります。
4. 問題の出題形式に慣れていない
国語のテスト問題は、文章全体の主題を理解したうえで設問に答える必要があり、形式に慣れていないとスムーズに進められません。また、時間配分の難しさも加わり、結果的に苦手意識を持つ子どもが増えてしまいます。
国語学習を親子で取り組む意義
国語は、家庭でも親子で取り組みやすい教科です。例えば、ニュースや日常会話で新しい語彙を取り入れたり、親が子どもの作文を読んでアドバイスをするだけでも、大きな効果があります。学校の授業や塾だけに頼らず、家庭でのサポートを積極的に行うことで、国語力を向上させることが可能です。
国語学習の土台を整えることは、子どもたちが将来、どの分野でも活躍するための準備となります。次章では、具体的にどのような力が必要なのかを詳しく見ていきましょう。
【国語の勉強で必要な力とは】
国語の学習には、具体的にどのような力が求められるのでしょうか?その答えは、大きく分けて「語彙力」「読解力」「記述力」の3つに集約されます。この章では、それぞれの力が持つ役割と、効果的な学習方法について解説していきます。
語彙力:多様な言葉を知り、正確に使える力
語彙力は、国語力の土台です。言葉の意味を理解し、適切に使えるようになることが、国語の学力向上に不可欠です。特に中学生の段階では、日常会話で使用する基本的な語彙から一歩進み、抽象的な概念や比喩的な表現を含む言葉に慣れる必要があります。
語彙力を高めるポイント
- 辞書の活用:わからない言葉が出てきたら辞書で調べる習慣をつけましょう。紙の辞書だけでなく、電子辞書やスマートフォンの辞書アプリも活用できます。「辞書引き学習法」という学び方は、調べる過程で記憶に残りやすく、語彙力の定着に効果的です。
- 語彙ドリルや問題集の活用:市販の語彙ドリルは、頻出語や重要語を効率的に学ぶのに役立ちます。短期間で集中して取り組むことで、語彙力を底上げすることが可能です。
- 日常の中での応用:家庭での会話や読書、ニュースの視聴などを通じて、新しい言葉に触れる機会を増やしましょう。「この言葉ってどういう意味?」と子どもが質問してきたら、一緒に調べると学びの良いきっかけになります。
語彙力が強化されると、文章を正確に理解し、自分の考えを適切に表現する力が養われます。国語力の出発点とも言えるこの基盤をしっかり築くことが重要です。
読解力:文章を深く読み、要点をつかむ力
読解力は、文章全体の主旨を捉えたり、設問の意図を読み取ったりする力です。この力が欠けていると、テストの点数が伸び悩むだけでなく、他教科の学習にも支障をきたします。特に中学生にとって重要なのは、長文読解における「構造を把握する力」と「内容を要約する力」です。
読解力を高めるポイント
- 長文読解の練習:中学校の国語教科書や過去問題集を使って、長文を何度も読み解く練習をしましょう。特に、段落ごとに要点をまとめる習慣を身につけることが大切です。
- 要約力のトレーニング:読んだ文章を短くまとめる練習をしましょう。たとえば、小説や新聞記事の内容を数行で説明することで、文章全体の構造を把握する力が身につきます。
- 「問い」を意識した読み方:文章を読むときに「筆者が伝えたいことは何か?」「この段落で一番重要な部分はどこか?」といった問いを自分に投げかけながら読み進めることで、深い理解が得られます。
読解力は、国語以外の教科でも大いに役立つスキルです。科学や歴史の資料を読み解く力を鍛えるためにも、日々の読解練習を欠かさないようにしましょう。
記述力:自分の考えを文章で的確に表現する力
最後に、記述力についてです。この力は、テストの記述式問題や作文、レポート作成などで求められるスキルであり、論理的思考や表現力を総合的に試される場面で特に重要になります。
記述力を高めるポイント
- 作文を書く習慣:日記や短いエッセイを書くことから始めてみましょう。テーマを設定し、自分の意見を簡潔にまとめる練習をすると、記述力が向上します。
- 添削を受ける:自分の書いた文章を家族や先生に見てもらい、具体的なフィードバックをもらいましょう。「どこがわかりづらいか」「どうすればもっと伝わるか」を指摘してもらうことで、着実にスキルが伸びます。
- 模範解答の分析:模範解答をじっくり読み、「どうしてこのように書かれているのか」を考える習慣をつけると、論理的でわかりやすい文章を書く力が養われます。
記述力を伸ばすには時間がかかるため、焦らず少しずつ練習を重ねることがポイントです。この力を身につけることで、国語だけでなく他の教科や受験、さらには社会人になってからも大いに役立ちます。
「語彙力」「読解力」「記述力」の3つの力は、それぞれが独立した能力であると同時に、相互に影響を与え合う関係にあります。この3つをバランスよく鍛えることで、国語の実力が総合的に向上していきます。次章では、これらの力をさらに具体的にどのように伸ばしていくかを解説していきます。
【学年ごとの勉強法】
国語の学習は、中学生の各学年で取り組むべき内容が少しずつ異なります。それぞれの成長段階に合わせた勉強法を実践することで、効率よく国語力を伸ばすことができます。この章では、中学1年生から3年生までの学年ごとにおすすめの勉強法をご紹介します。
中学1年生:文法の基礎と語彙力を固める
中学1年生は、国語学習の基礎を固める時期です。特に文法の基本的な知識と語彙力をしっかりと身につけることが重要です。
文法を学ぶ意義
文法は文章を理解するうえでの土台です。「主語と述語の関係」「修飾語の使い方」などを正しく理解することで、文章を正確に読み取れるようになります。また、適切な文法知識があることで、自分の考えを的確に表現する力も養われます。中学1年生では教科書の例文やドリルを活用し、基礎的な文法を一つずつ確認していきましょう。
語彙力の強化
この段階で語彙力を伸ばすことは非常に大切です。具体的には、教科書や日常生活で出てきた新しい言葉を積極的に覚える習慣をつけましょう。たとえば「毎日5つの新しい単語を覚える」「分からない言葉を辞書で調べてノートに書き留める」といった具体的な目標を設定すると効果的です。
日記を書く習慣を取り入れる
中学1年生には日記を書くことをおすすめします。日記を書くことで、文章を書く力が自然と身につくだけでなく、自分の考えを整理する力も養えます。「今日楽しかったこと」「学校で印象に残った出来事」など、身近なテーマで気軽に始めるとよいでしょう。
中学2年生:抽象的な表現や詩・小説のテーマ理解を重視
中学2年生になると、文章の内容がより深く、抽象的なものに変わります。特に、詩や小説の読解においてはテーマや筆者の意図を読み取る力が求められます。
抽象的な表現への対応
詩や抽象的な文章には、比喩や象徴的な表現が多く含まれています。これらを正しく理解するためには、「なぜこの表現が使われているのか」を考える習慣が必要です。たとえば、「春」という言葉がただの季節を指すのではなく、「新しい始まり」を象徴している可能性を探るような読み方を意識してみましょう。
登場人物やテーマの理解
小説では、登場人物の心情や行動を読み解く力が重要です。物語文を読む際には、「登場人物がどんな感情を持っているのか」「その感情がどう行動に結びついているのか」を考えながら読み進めるとよいでしょう。また、物語全体を通じて、作者が伝えたかったメッセージやテーマを考える練習も有効です。
本を読む習慣をつける
この時期には、教科書以外の本にも積極的に触れることをおすすめします。特に、日本文学や外国文学などの物語は、子どもたちの想像力を広げ、深い読解力を養うのに役立ちます。
中学3年生:漢字や熟語の組み合わせ学習、過去問で受験対策
中学3年生は、高校受験を見据えた実践的な学習が必要です。基礎力の確認に加え、実際の試験形式に慣れることが重要です。
漢字や熟語の強化
受験では、漢字の読み書きや熟語の意味が問われることが多いため、日々の学習でこれらを重点的に強化しましょう。過去問題集や漢字検定の教材を活用し、反復練習を行うことで知識が定着します。また、覚えた漢字や熟語を実際に文章の中で使ってみることで、より深く理解できるようになります。
過去問を活用した受験対策
過去問を解くことは、試験の傾向を把握し、時間配分の感覚を養うのに最適です。特に国語の記述問題では、採点基準に沿った答え方を練習する必要があります。「なぜこの答えになるのか」「どう書けば満点を狙えるのか」を分析しながら、解答作成のコツをつかみましょう。
作文のトレーニング
受験では作文力も問われます。日常的にテーマを設定して200~400字程度の文章を書く練習を行うと、記述式問題に対する抵抗感がなくなります。模範解答を参考にしながら、表現方法や論理構成を工夫することも大切です。もちろん(条件付き)作文が出されるところも多数あり、配点が高いところもありますので、重要度は高いです。
各学年で適切な勉強法に取り組むことで、効率よく国語力を向上させることができます。お子さまの学年や個性に合わせて、楽しく学べる環境を整えてあげましょう。
【勉強方法の具体例】
国語の学力向上を目指すためには、具体的な勉強方法を実践することが大切です。この章では、長文読解のコツ、語彙力を高める方法、そして記述問題の対策について具体的な例を挙げながら説明します。
■長文読解のコツ
長文読解は、国語の学習で多くの子どもがつまずきやすい分野です。文章全体の構造や重要なポイントを押さえる練習を通じて、効率的に取り組むことができます。
1. 小説文:情景や感情の変化に注目する
小説を読む際には、登場人物の感情の動きや情景描写に目を向けることが大切です。たとえば、物語の冒頭で「静かな森」が描かれていた場合、その後に「荒れ狂う嵐」が登場したら、それが物語の展開や主人公の心情にどのような影響を与えるかを考えましょう。また、会話文の中には、登場人物の隠れた意図や微妙な感情が表れていることが多いため、「なぜこの言葉を使ったのか」と想像する癖をつけると深い読み取りができるようになります。
2. 説明文:段落ごとに要点を確認する
説明文を読む際には、文章全体を一気に理解しようとするのではなく、段落ごとに要点を整理する方法がおすすめです。具体的には、以下の手順で進めると良いでしょう:
- 各段落の「最初」と「最後」の文を重点的に読む。
- 「なぜ」「どのように」といった問いに答える形で要点をメモする。
- 図表やグラフがある場合は、その情報と本文を照らし合わせて理解を深める。
こうした練習を繰り返すことで、文章の構造を把握しやすくなり、読解力が向上します。
■語彙力向上の方法
語彙力は、国語の基盤となる重要な力です。語彙が豊富であるほど、文章の内容を正確に理解し、自分の考えを的確に表現することが可能になります。以下に語彙力を高めるための具体的な方法を挙げます。
1. 漢字検定を活用する
漢字検定の教材や試験を利用することで、効率よく漢字や熟語を覚えることができます。特に中学生には、身近なレベルから始めて少しずつ難易度を上げていく方法が適しています。定期的に目標を設定して挑戦すると、学習へのモチベーションも高まります。
2. 日常的な読書を習慣化する
さまざまなジャンルの本に触れることで、多様な表現や言葉を自然と身につけることができます。物語やエッセイだけでなく、新聞記事や専門書も読んでみると、語彙の幅がさらに広がります。特に、未知の単語に出会ったときは、辞書を引いて意味を調べる習慣をつけることが重要です。
3. ニュースや新聞を活用する
ニュース番組や新聞記事を通じて、時事問題に関連する言葉や専門用語を学ぶのも効果的です。親子でニュースを見たり記事を読んだりしながら意見を交わすことで、実生活での活用にもつながります。
■記述問題対策
記述問題は、国語の試験で多くの生徒が苦手とする分野ですが、練習次第で着実に得点力を上げることが可能です。以下に効果的な対策方法を紹介します。
1. 本文に線を引いて情報を整理する
設問を読んだ後に、本文を注意深く読み、必要な箇所に線を引く練習をしましょう。たとえば、「筆者の意見に該当する部分」や「具体例を示す文」などをマーキングすることで、必要な情報を見失わずに済みます。この作業を繰り返すことで、設問の意図を的確に把握する力が養われます。
2. 解答の構成を考える練習をする
記述問題では、文章の内容に基づいて自分の考えを整理し、論理的に表現する力が求められます。「答えの根拠を本文から抜き出す」「設問に答える形で文章を組み立てる」といった基本的な流れを何度も練習しましょう。
3. 模範解答を分析する
模範解答を読むことで、どのように書けば高得点を取れるのかを学ぶことができます。特に、採点基準に基づいた答え方を意識することが重要です。「どの部分が加点ポイントになるか」を意識しながら分析する習慣をつけると、自分の解答の精度も向上します。
これらの具体例を日々の学習に取り入れることで、国語力を効果的に鍛えることができます。保護者としては、お子さまがこれらの方法を無理なく実践できるよう、環境を整えてあげることが大切です。
【家庭でのサポート方法】
子どもが国語力を身につけるためには、家庭でのサポートが大切な役割を果たします。学校や塾だけに任せるのではなく、家族と一緒に学ぶ環境を作ることで、子どもが楽しく、そして効率よく学習できるようになります。この章では、家庭でできる具体的なサポート方法を紹介します。
1. 家族でニュースや読書の感想を話し合う
日常の話題を国語学習につなげる
家庭での国語力向上の第一歩は、日常の会話に「考えを伝える力」を組み込むことです。例えば、家族でニュースを見たり読んだりした後、その内容について意見を交わす時間を持つことを提案します。「今日はどんなニュースがあった?」「その出来事についてどう思う?」といった問いかけを通じて、子どもに自分の考えを整理し、伝える練習をさせることができます。
読書感想を共有する習慣
読書も、家庭でできる国語学習の一環です。子どもが読んでいる本について、家族全員で感想を話し合う時間を作りましょう。「この登場人物はなぜこんな行動を取ったんだと思う?」「物語の結末をどう感じた?」といった質問を投げかけると、自然に深い読解力や表現力が養われます。
また、親も読書を楽しむ姿を見せることが、子どもにとって良いお手本になります。家族全員で同じ本を読む「ファミリーブッククラブ」のような取り組みも楽しいですね。
会話の質を意識する
家庭内での会話は、国語力向上に直結します。「どうしてそう思うの?」「他にどんな意見があるかな?」など、子どもの答えを掘り下げる質問を投げかけることで、考える力や論理的な説明力を育むことができます。ただし、あまり堅苦しくならないよう、リラックスした雰囲気で行うのがポイントです。
2. 塾やオンライン教材を活用してプロの力を借りる
家庭だけでは補いきれない部分を補完する
国語は、特に読解や記述のような深い力が求められる分野で、家庭学習だけでは対応が難しいこともあります。そうした場合、塾やオンライン教材を活用してプロの力を借りるのも一つの方法です。専門家の指導を受けることで、子どもが苦手としているポイントを的確に克服できるようになります。
オンライン教材の活用法
最近では、国語学習に特化したオンライン教材が充実しています。これらの教材は、動画やインタラクティブなクイズを通じて、子どもが楽しみながら学べる工夫がされています。たとえば、「長文読解のコツを学べる解説動画」や「語彙力アップのためのミニゲーム」などは、飽きやすい子どもにも効果的です。また、オンライン教材なら、自宅で手軽に学習できるため、忙しい家庭でも取り入れやすいのが魅力です。
塾の活用法
塾は、国語学習のプロフェッショナルによる指導を受けられる場です。特に、受験を控えた時期には、過去問を分析した効果的な学習方法や、記述問題の添削といった専門的なサポートが重要になります。塾を選ぶ際は、授業の進め方や講師との相性なども考慮して、お子さまに合った環境を選びましょう。
家庭と塾の連携が鍵
塾やオンライン教材を活用する際に忘れてはならないのが、家庭でのフォローアップです。塾の授業内容を家で復習する時間を設けたり、学んだことを家族に説明させると、知識の定着率が格段に高まります。「今日は塾でどんなことを学んだの?」と問いかけるだけでも、学習内容を思い出し、整理するきっかけになります。
家庭でのサポートは、子どもの学習を支える大きな力になります。親が学びに対して前向きな姿勢を見せることが、子どものモチベーションを高めるきっかけにもなります。子どもの性格や成長に合わせて、無理のない範囲で取り組んでみてください。
まとめと次のステップ
国語力は、単なる知識の詰め込みではなく、日々の学習と生活の中で少しずつ培われるものです。このコラムでは、国語力を高めるための具体的な勉強法や家庭でのサポートについてお話ししましたが、最後にそのポイントを振り返り、今後の学習ステップについて考えてみたいと思います。
国語力は一朝一夕には身につかない
国語力の向上は、短期間で結果を出すのが難しい科目です。特に、語彙力、読解力、記述力といった基礎的な力は、毎日の積み重ねが欠かせません。これは、スポーツや楽器の練習と似ています。地道に練習を続けることで、少しずつ上達していくものです。
例えば、読解力を養うためには、さまざまな文章に触れる経験が必要です。文学作品や新聞、解説書など、ジャンルの異なる文章を読むことで、理解力や考察力が自然と深まります。また、語彙力を増やすには、読書だけでなく、日常生活の中で新しい言葉を意識的に覚えることが重要です。親子で一緒に辞書を引いたり、新しく覚えた言葉を会話に取り入れたりする工夫が効果的です。
子どもに合った学習法を見つける
国語の勉強には、多くのアプローチがありますが、子ども一人ひとりに合った方法を見つけることが最も重要です。たとえば、読書が好きな子には、感想を書いたり、登場人物の心情を考えるような活動が効果的です。一方で、文章を読むのが苦手な子には、短い文章から始め、少しずつ長文に慣れるステップを取り入れるとよいでしょう。
また、塾やオンライン教材の活用も選択肢の一つです。専門家による指導は、家庭では補いきれない部分をサポートしてくれます。特に受験対策や記述問題の添削などは、プロの視点が大いに役立ちます。塾に通う場合は、子どもの性格や学習スタイルに合ったカリキュラムを提供しているかどうかを確認しましょう。
家庭学習と塾、オンライン教材を併用する場合は、それぞれの役割を明確にし、過不足のない学習プランを立てることが大切です。たとえば、家庭では読書や語彙力の補強に取り組み、塾ではテスト対策や記述力を鍛えるといったように、バランスよく学ぶ環境を整えてください。
小さな成功体験を重ねることがカギ
子どもの学習意欲を保つためには、達成感を味わわせることが非常に重要です。難しい長文を読み解けた、作文で先生に褒められた、といった成功体験は、子どもにとって大きな自信になります。保護者としては、そうした小さな成功を積み重ねられるよう、適切な目標を設定してあげましょう。
例えば、「今月は毎週1冊本を読む」「語彙カードを10枚覚える」といった具体的で達成可能な目標を立てると良いでしょう。目標を達成したら、家族でお祝いするなどのご褒美を用意することで、学習が楽しいものだと感じられるようになります。
次のステップへ進むために
最後に、今後の学習を進める際に意識したいポイントをいくつか挙げておきます。
- 計画的に学習を進める
学校や塾のスケジュールを考慮しながら、無理のない学習計画を立てましょう。特に受験を控えた中学生には、過去問演習や模擬試験を取り入れることで実践力を高めることが大切です。 - 家庭での習慣化を目指す
短い時間でも良いので、毎日国語に触れる習慣を作りましょう。読書や日記、新聞記事の音読など、簡単に取り組める方法を取り入れると長続きします。 - 子どもを見守り、励ます
子どもが頑張っている姿勢を認め、応援することは、何よりの励みになります。時には壁にぶつかることもありますが、そんな時こそ親のサポートが大切です。
国語力の育成は、親子で一緒に取り組む長期的なプロジェクトです。地道な努力の積み重ねが、大きな成果につながります。このコラムをきっかけに、ぜひお子さまの学習をサポートするための第一歩を踏み出してください。