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「なぜ数学が苦手?その原因と今すぐできる克服方法」

「なぜ数学が苦手?その原因と今すぐできる克服方法」

【中学生が数学に苦手意識を持つ理由と勉強法の必要性】

中学生になると、数学が難しいと感じ始める生徒が多くなります。その背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、小学生までの「算数」は、具体的な計算や日常的な問題を中心に学びますが、中学生の「数学」では、より抽象的で複雑な概念が登場し始めます。例えば、文字を使った式や方程式、関数、証明などは、初めて学ぶと分かりづらく感じることが多い内容です。こうした新しい概念に直面すると、それまで自信を持っていた計算力だけでは対応できず、苦手意識が芽生える生徒も少なくありません。

さらに、数学は「積み重ね型」の教科であることも、難しさを感じる原因のひとつです。例えば、中学1年で学ぶ「正負の数」や「文字式」が理解できていないと、中学2年の「一次方程式」や「連立方程式」でつまづきやすくなります。このように、以前学んだ内容が次の学習に直接つながっているため、少しの理解不足が重なっていくと、どんどん理解が難しくなる「雪だるま式のつまづき」が起こりがちです。この連鎖を断ち切るためには、定期的に基礎の復習をし、苦手分野を明確にする学習習慣が必要です​。

また、中学生の時期は、勉強内容が一気に増えるだけでなく、他の教科とのバランスをとらなければならない忙しい時期でもあります。部活動や友人との交流など、勉強以外の活動も活発になり、勉強に割ける時間が減ることもあります。その結果、数学の宿題や予習復習が疎かになり、理解が追い付かないまま次の単元に進むことがあるのです。とくに、わからない問題があってもそのまま放置してしまうことが多く、徐々に「苦手意識」が強まっていきます。このような「問題を後回しにする」習慣がつくと、数学の基礎が固まらないまま進級することになり、やがてテストで点が取れないことから「自分には数学が向いていない」と感じる生徒も少なくありません​。

しかし、こうした問題を解決するには、保護者や教育者が、適切なサポートやアドバイスを通じて生徒の「自信を育む」ことが重要です。数学は、「わかる」ことと「できる」ことが異なる教科です。「理解しているつもりでも解けない」という状況が生じやすいので、問題演習を通じて反復練習を行い、「自分でできるようになる」まで取り組むことで、少しずつ苦手意識を克服できるでしょう​。

今回は、こうした中学生の数学におけるつまづきや苦手意識を乗り越えるために、具体的な勉強法や考え方を紹介していきます。日々の学習で意識すべきこと、基礎を固めるための方法、応用力を高める練習方法などを通じて、保護者の方がご家庭でお子さんをサポートできるように解説します。親御さんが子どもの学習意欲を高め、数学への苦手意識を克服する手助けとなることを願っています。

【基礎理解の重要性:教科書例題の活用と計算力の向上】

中学生が数学を理解するためには、「基礎理解」をしっかり固めることが最も大切です。ここでいう基礎とは、教科書の例題を活用して概念を深く理解し、次に進む足場をしっかりと作ることです。加えて、計算力の強化も重要なポイントです。計算がスムーズにできるようになると、学習全体がスピードアップし、複雑な問題にも余裕を持って取り組めるようになります。

教科書の例題を使った基礎固め

最初のステップとして、教科書の例題をしっかり解くことが挙げられます。数学の教科書には各単元の重要な問題や基本的な解法の流れが例題として掲載されているため、これをしっかり理解することが、後の学習のスムーズな進行に欠かせません。たとえば、方程式や関数のような新しい概念に入るとき、教科書に載っている例題を通して「なぜその式がこうなるのか」「どのような考え方で解いているのか」をじっくり理解することで、問題を見たときに自然と手が動くようになります。

例題を解く際には、ただ答えを求めるのではなく、解き方や考え方の流れを意識することが大切です。特に、解法の順序や根拠を頭の中で確認しながら進めると、「なぜこの手順で解くのか」という理解が深まります。中には、すぐに解答を見てしまうことがあるかもしれませんが、まずは自分で考えた上で解答にたどり着けるよう努力することで、思考力も養われます。この「考えるプロセス」を大切にすることで、難易度の高い問題に出会っても柔軟に対応できるようになるのです​。

また、例題を解いたら、その応用問題に挑戦するのも効果的です。同じ解法でも問題設定が少し変わるだけで答えが異なるため、自分が解法をしっかり理解できているかを確認できます。例題がスムーズに解けるようになったら、少し難易度の高い問題集やワークに取り組み、確実に身についているか確認していきましょう。この「例題→応用問題」のサイクルを繰り返すことで、数学の基礎がどんどん固まっていきます。

計算力の向上

数学の問題を解く際には、基礎的な計算力が求められます。計算がスムーズにできないと、問題の解答までの過程で時間がかかり、正確に解くことが難しくなります。たとえば、分数や小数、負の数の計算は中学生になると頻繁に登場しますが、ここで計算ミスをしてしまうと、正しい答えにたどり着けません。特に入試や定期テストなど、限られた時間で解く必要がある場合には、計算力の向上がスコアアップにつながります​。

計算力を向上させるためには、毎日少しずつでも計算練習を積み重ねることが大切です。特に、中学1年生から学び始める正負の数や文字式の計算は、初めは慣れないかもしれませんが、基礎が固まると次の単元がスムーズになります。まずは簡単な計算問題からスタートし、少しずつ複雑な計算に挑戦することで、無理なくステップアップできます。また、計算問題集を使って、いくつかの計算パターンを繰り返し練習するのも効果的です。計算のスピードと正確さが自然に身につくよう、コツコツと進めていくことが重要です​。

計算ミスを減らすためには、途中の計算式や結果を整理して書く習慣も身につけましょう。途中で計算ミスがあると、解答が間違ってしまうだけでなく、解法そのものが正しいかどうかの確認もできなくなります。ノートに書く際は、式を一つひとつ丁寧に記載するようにし、見直しをする時間も設けるとよいでしょう。丁寧な計算手順は、後で振り返るときにも役立ちますし、間違いの原因が分かりやすくなります。

保護者としてできるサポート

保護者の方ができるサポートとしては、日々の勉強で「教科書をしっかり読むこと」「計算力を高めること」をお子さんに促すことです。テストで高得点を取るためには、基礎がしっかりできていることが重要ですので、まずは無理のない範囲で、基礎に重点を置いた学習習慣をサポートしていきましょう。また、計算ミスが続く場合は、計算ドリルを活用したり、タイマーを使って計算速度を意識させたりするのも効果的です。お子さんが楽しみながら基礎を固め、計算力を向上させられるよう、工夫して支えてあげましょう。

基礎理解と計算力の両方が固まると、数学の問題を解く上での自信も少しずつ育まれます。

【問題演習と定着:学校のワークや問題集を活用し、理解を「できる」に変える】

数学の力を伸ばすには、「基礎理解」の段階から次のステップに進み、定着のために繰り返し問題演習を行うことが重要です。学校で配布されるワークや問題集はこのプロセスを支える大切なツールであり、効果的に活用することで、理解した内容を確実に「自分で解ける」レベルにまで引き上げることができます。ここでは、問題演習を通して学力を高める方法について詳しく見ていきましょう。

学校のワークや問題集の活用

基礎的な理解ができたら、次に活用すべきは学校で配布されるワークや問題集です。これらの教材は、学年や単元ごとにしっかりと考えられた問題が載っており、各単元の重要なテーマや典型的な解法を繰り返し練習することができるよう設計されています。たとえば、一次方程式や図形の問題など、つまづきやすい分野ごとに具体的な問題が揃っているため、演習量を増やしやすく、効果的な復習が可能です​。

ワークや問題集を使う際のポイントは、単に解くだけで終わらせず、間違えた問題に印をつけておき、後で見返すことです。間違えた問題には必ず何らかの原因がありますが、それを理解せずに流してしまうと、同じ間違いを繰り返す可能性が高くなります。問題の答えを合わせるだけでなく、なぜ間違えたのかを確認し、自分なりに原因を分析することが、確実な定着につながります。たとえば、計算ミスが多い場合は計算力が不足しているかもしれませんし、問題の読み間違いがあれば読解力を強化する必要があるでしょう。ミスのパターンを把握し、同じ間違いを繰り返さないための対策を講じることが大切です​。

さらに、学校のワークや問題集には、基礎的な問題から少し難易度の高い応用問題までが幅広く揃っていることが多く、段階的に力をつけるのにも適しています。たとえば、まずは基本問題から取り組み、次に標準問題、そして応用問題という順序で解いていくことで、無理なくレベルアップが図れます。基本問題でミスが少なくなったら、少しずつ応用問題に挑戦するようにすると、苦手分野の克服にもつながります。

理解から「できる」まで反復することの重要性

数学の学習において、「理解できた」と思っても「実際に解ける」ようになるには反復が必要です。多くの場合、授業で解説を聞くと解ける気がするものの、いざ一人で取り組むと解法を思い出せなかったり、途中で行き詰まったりすることがあります。ここで重要なのは、答えを見ずに自力で解けるようになるまで、繰り返し練習することです。反復して解くことで、解法が自然に身につき、どのような形で問題が出題されても対応できる「実力」が育まれます​。

反復練習を行う際は、最初は例題や類題からスタートし、慣れてきたら少し難しい問題にも挑戦するようにしましょう。また、同じ問題を何度も解くことも効果的です。新しい問題にばかり取り組むのではなく、以前に解いた問題を再度解いてみることで、解法を「頭で理解する」から「手が自然に動く」までに引き上げることができます。特に、教科書の例題やワークの基本問題は、何も見ずにスラスラと解けるレベルまで練習することが、数学の定着には効果的です​。

また、勉強中には「自分でできるまで」を意識することが大切です。理解していると思っていても、実際に解こうとすると解けないことはよくあることであり、これを克服するために反復練習が求められます。何度も問題を解くことで、少しずつ自信がつき、テストなどでも落ち着いて問題に取り組むことができるようになります。こうした「できる」状態を目指すことで、数学の苦手意識も和らぎ、勉強がより前向きに取り組めるようになります。

保護者としてできるサポート

保護者の方ができるサポートとしては、まず、お子さんが解いたワークや問題集の中で、間違えた問題や苦手な問題に注目することです。お子さんが解き直しをする際には、どのようなミスがあったのかを一緒に確認し、適切なアドバイスを行うと良いでしょう。場合によっては、教科書や参考書の解説を活用しながら「なぜこのような答えになるのか」を話し合い、理解を深めるのも有効です。

さらに、反復練習を促すために、時間を区切って同じ問題に取り組む習慣をサポートすることもおすすめです。お子さんが自分で「できる」ようになるまで支えつつ、自信を持って問題を解けるような環境作りを心がけましょう。

【応用力と理解の深さを高めるための学習法】

数学の応用力を高め、理解をより深めるには、基礎を超えた「論理的な思考力」を養うことが必要です。この段階では、ただ解法を覚えるだけでなく、なぜその解法が成り立つのかを考え、応用的な問題や証明問題に取り組むことで、本質的な理解が身につきます。ここでは、特に証明問題やグラフを活用した「見える化」など、応用力を鍛えるための効果的な学習法を紹介します。

証明問題の練習方法

数学における証明問題は、論理的に考え、順序立てて説明する力が求められるため、特に難しく感じる生徒が多い分野です。しかし、証明問題に取り組むことは、応用力と論理的な思考力を高める絶好の機会でもあります。証明問題に慣れるための最初のステップは、教科書や参考書の解法を追い、どのような論理の流れで解が導かれているかを理解することです。最初は教科書の解答を見ながらで構いませんので、どの部分が仮定で、どの部分が結論なのか、またどのような定理や公式が使用されているかを確認してみましょう​。

解答を追って理解できたら、次はノートに解法を整理しながら書き写していくことが重要です。このプロセスで、解法の手順や使われている定理をより深く理解することができます。書き写す際には、なぜそのステップが必要なのかを自分の言葉で解説しながら書いてみると、解法の理解がより確実なものとなります。さらに、答えを見ずに何度か解き直すことで、解法を完全に自分のものにすることができます。この「見直しと繰り返し」を行うことで、次に似たような証明問題が出た際に、スムーズに論理的な解法が思い浮かぶようになります​。

グラフや図を使って「見える化」

数学の理解を深め、応用力を養うには、視覚的に「見える化」することが効果的です。特に関数や図形の問題は、言葉や数式だけで考えるのではなく、グラフや図をノートに大きく描きながら学習することで、内容が格段にわかりやすくなります。たとえば、関数のグラフを描く際には、x軸とy軸を明確に引き、関数の特徴を確認しながらプロットしていくと、変化の様子が目に見えて理解しやすくなります。視覚的に情報を整理することで、数式からはわかりにくい性質や特徴を直感的に捉えやすくなり、問題の理解が進みます​。

図やグラフを活用する際のポイントは、ただ描くだけでなく、その図やグラフが何を表しているのかをしっかり考えながら進めることです。たとえば、幾何の証明問題では、図形の角度や辺の長さの関係を意識しながら図を描くと、証明のポイントが見えてきます。また、複雑な関数のグラフでは、増減や対称性、最大・最小の値などに注目することで、問題が解きやすくなります。このように図やグラフを駆使することで、数学の問題を「見える形」で整理し、論理的に進める力がつきます​。

保護者としてできるサポート

保護者の方が応用力と理解の深さを支援するには、証明問題やグラフの活用に挑戦しているお子さんをサポートする姿勢が大切です。特に、図を描きながら考える練習は慣れるまで時間がかかることもあるため、何度も練習して「わかる瞬間」が来るまで応援してあげることがポイントです。また、問題が難しい場合、答えを見て学び、理解できたら何も見ずに解き直すという流れを一緒に確認することも有効です。

図やグラフが苦手な場合は、最初はシンプルな図を描くところから始め、少しずつ問題に合わせた形を描けるようにすると良いでしょう。お子さんが「見える化」を通じて数学をより楽しく感じ、理解を深めていけるよう、サポートしていきましょう。

【苦手単元の復習と克服:基礎の見直しと疑問点の解消で学習を支える】

数学が苦手だと感じる生徒に共通して見られるのは、特定の単元に対する理解が浅いため、新しい内容を学んだ際に壁にぶつかりやすいことです。苦手単元を放置したまま学習を進めると、つまづきが積み重なり、結果として数学全体への苦手意識が増してしまいます。ここでは、過去の単元に戻って基礎を見直す方法と、解けなかった問題を放置せずに早めに対処するためのポイントについて説明します。

新しい単元でつまづいたときは過去に戻る

新しい単元で理解が進まないと感じたら、その原因は過去の基礎的な単元にあることが多いです。たとえば、連立方程式が難しく感じられる場合、その原因が一次方程式や文字式の理解が不十分である可能性もあります。こうした基礎単元の曖昧な部分をそのままにしておくと、新しい内容に取り組む際に再びつまづいてしまい、学習が思うように進みません。過去の単元に戻って基礎を見直し、苦手意識を取り除くことが、最終的に応用力の向上にもつながります​。

基礎的な内容を振り返る際には、教科書やノートを使って当時の解き方や考え方を復習すると良いでしょう。たとえば、一次方程式がわからなくなっている場合、解法の手順を確認し、簡単な問題から解き直してみます。基本的な考え方や解き方が理解できれば、新しい単元にも取り組みやすくなるはずです。また、教科書に戻って復習することで、抜けていた知識を再確認するだけでなく、なぜその解法が有効なのかについても改めて理解することができます。基礎をしっかりと固めることで、新しい単元の理解もスムーズに進むようになります​。

解けなかった問題は放置せずに解決する

苦手な問題や解けなかった問題をそのまま放置することは、学習の妨げになります。解けなかった問題には何らかの原因があり、その原因を明らかにしないと、同じような問題で再びつまづく可能性が高くなります。そのため、疑問点やミスが出た際には、できるだけ早く対処することが重要です。

まず、解けなかった問題があったときは、すぐに答えを確認して、どこで間違えたのか、どの部分が理解できていなかったのかを考えてみましょう。その後、解法や考え方を理解し直し、自分の言葉で説明できるようにすると、より深い理解が得られます。特に、解答を見ながら「どうしてこうなるのか」「どの考え方が必要なのか」を自問自答し、しっかりと理解したうえで再度解いてみることが大切です​。

また、解けなかった問題の中でも特に苦手な分野がある場合は、同じテーマの類題や練習問題を集中的に解くことも効果的です。同じタイプの問題を繰り返し解くことで、特有の解法やパターンに慣れ、次第にスムーズに解けるようになります。たとえば、図形の証明問題が苦手な場合は、基本的な図形の性質や角度の計算方法を復習し、関連する問題をいくつか解いてみると、徐々に理解が進みます​。

保護者としてできるサポート

保護者の方が苦手単元の克服をサポートする際には、まず、お子さんが新しい単元でつまづいたと感じたときに「基礎に戻ること」を勧めてみましょう。無理に新しい内容を進めるのではなく、基本に立ち返ることが、理解を深めるうえで重要であることを伝えることで、お子さんも前向きに取り組むことができます。

また、解けなかった問題に対する取り組みを見守りながら、疑問点があれば一緒に解決するサポートをしてあげると効果的です。解答の解説を確認しながら、「ここがわかりにくかったんだね」「この部分はどう考えたの?」と声をかけて、理解を深めるお手伝いをすると、お子さんも自信を持って次の学習に取り組めるようになります。

◆まとめ:数学の苦手意識を克服するためのアプローチ

これまでに紹介した学習法を振り返ると、数学の苦手意識を克服するには、基礎の定着、問題演習、応用力の向上といった段階を意識しながら進めていくことが重要だとわかります。さらに、自分の理解度を定期的に確認し、苦手な部分は放置せずに早めに解消していくことが、継続的な学習を支える鍵になります。以下に、学習の各ステップを簡潔に整理し、数学を得意にするためのアプローチをまとめてみましょう。

1. 基礎をしっかり固める

学習の最初のステップは、教科書の例題や基本問題を使った基礎固めです。まずは、例題を通して考え方をじっくりと習得し、解き方の流れを理解することが大切です。この段階でしっかりと土台を築くことで、次のステップである演習問題や応用問題にも取り組みやすくなります。基礎が定着しているかどうかを確認しながら、毎日の学習に少しずつ取り入れていくと、無理なく数学の基礎力が身についていきます​。

2. 計算力を磨き、演習で定着させる

基礎を学んだあとは、計算力を磨き、問題演習を通じて理解を深める段階です。計算は数学の土台であり、素早く正確に計算できることが、他の単元の学習にも大きく影響します。日々の練習で少しずつ計算力を向上させることが、数学全体の得意意識を持つことにもつながります。次に、学校のワークや問題集を活用し、繰り返し解いていくことで知識を定着させます。このプロセスを重ねることで、ただ「理解する」だけでなく、自力で「解ける」状態に近づけていきます​。

3. 応用力と理解を深める工夫

応用力を高めるためには、証明問題や図やグラフを使った「見える化」を活用する学習が有効です。証明問題は、論理的な思考力を鍛える絶好のチャンスであり、答えを見ずに解き直すことでその力が身につきます。また、関数や図形の問題は図やグラフを用いることでより直感的に理解できるようになります。こうした視覚的な手法を取り入れると、数式や解法を具体的に把握しやすくなり、応用力も自然と身についていくでしょう​。

4. 苦手単元の復習でさらなる成長を

新しい単元でつまづいたときには、過去の単元に戻り、基礎を振り返ることも大切です。苦手な部分や曖昧な知識は、そのままにしておくと理解が深まらず、新しい学習内容の妨げになる可能性があります。苦手な問題があれば早めに対処し、似た問題を解くことで克服していきましょう。理解が深まることで次の学習にも前向きに取り組めるようになります​。

保護者としてのサポート

最後に、保護者の方のサポートも大切です。お子さんが「どうして解けないのか」を一緒に考え、基礎に戻るべきときには戻るようにアドバイスすることで、学習をサポートすることができます。また、解けなかった問題についても親子で確認し、疑問点を解決してから次に進むようにすると、数学への苦手意識を和らげることができます。お子さんが「わかる」から「できる」に進む瞬間を見守り、応援してあげましょう​。

このように、数学に対する苦手意識を克服するためには、段階を踏んで学習を進めることが大切です。基礎固めから応用問題まで、毎日の小さな積み重ねが大きな自信につながります。今回のコラムが、保護者の皆様とお子様にとって、少しでも数学の楽しさや学びのヒントとなることを願っています。