「理科」と一口に言っても、植物から電気、天体まで幅広い内容が含まれ、覚えなければならない用語も理解しなければならない現象も別物です。大きくは、物理・化学・地学・生物と4分野に分類され、さらに、例えば地学の分野でも、火山のこと、気象のこと、天体のことと単元ごとに学習範囲が完結し、他の単元とは連動しないことも多いです。
広い知識と深い理解が必要とされる理科について、分野ごとの学習方法を確認していきましょう。
■生物分野
植物、動物、遺伝などの単元があります。生物分野はそれぞれ事物について特徴や分類を整理して覚えることが多く、特に中学受験については覚えるべきことが膨大にあります。暗記で対応しやすい分野ではありますが、似た用語、関連して覚える用語も多いため、言葉だけで覚えるのではなく、教科書や資料集で、視覚的に確認しながら、イメージと結び付けて覚えておくのがポイントです。まとめノートの活用などで、五感を使いながら覚えるのも有用です。
■地学分野
地球・台地、気象、天体・宇宙などの単元があります。覚える用語も多いので、暗記中心の単元と思われがちですが、計算や現象を理解して解答する問題も多いため、暗記だけでは太刀打ちできません。問題文から問われていることを考え、条件に合う回答をしなければならない問題も多く、論理的に考えられること、現象について説明できるレベルでの理解が必要です。間違った問題に対しては、なぜそうなるのかを考え、説明できるようになることが、別のパターンで出題されても対応できるポイントとなります。
■物理分野
光・音、電気、力やエネルギーなどの単元があります。最大のポイントは原理を理解して、法則や公式を使えるようにすることです。法則や公式を理解してしまえば、計算問題は、比の計算や平易なかけ算やわり算で計算できるものが大半ですが、苦手と感じる人が多い分野でもあります。理解した後、類題を繰り返し練習することが習得の近道です。また、原理を理解するために、物理分野で必要になってくるのが、作図ができることです。力の関係や、光の道すじ、電気の流れなど見えないものを見えるように作図して示すことでイメージと結びつけます。
■化学分野
水溶液、気体、元素、化学変化などの単元があります。化学ではさまざまな実験を多く学習します。関係する用語だけではなく、実験の手順や注意事項など覚えておくことも必要です。最近は動画のコンテンツも充実しているので、動画などで手順や前後の変化などを見て確認することでイメージしやすくなります。実験に関する計算も出題されますが、物理同様比や比例の関係で解けるものが大半で、表やグラフの情報を基に、何が問われているかを考えることが重要です。
このように分野によって、問題の傾向や学習方法に違いはありますが、理科は、自然の事物・現象に関して、観察・実験を通して科学的に探究していく学問というところは共通です。日ごろから身の回りの自然の事物や現象に関して興味関心を持つ姿勢も重要です。