TOP
>
お役立ちコラム
>
【心理学×教育現場】子どものやる気が続く家庭の習慣と親のサポート術

【心理学×教育現場】子どものやる気が続く家庭の習慣と親のサポート術

なぜ子どもは「勉強のやる気」を失うのか?

夏休みも約2週間たちました。暑い日が続きますね。お子様の夏休みの学習は計画通り進んでいますか?
計画では
・早めに勉強終わらせて、〇〇する
・〇〇までに、宿題は全部終わらせる
‍など言っていたはずが・・・。見るに見かねてつい口出し、親子喧嘩なんてことも少なくないですよね。。

お子さんが「勉強しなさい」と言われても、なかなか机に向かわない。あるいは、最初はやる気を見せていたのに、気づけばダラダラとスマホやゲームに時間を取られている――。多くのご家庭で、似たような悩みを抱えているのではないでしょうか。

子どもが勉強に対してやる気を持てないのには、いくつかの“ありがちな原因”があります。ここでは、保護者の皆さんが陥りやすい落とし穴も交えながら、子どもが勉強を嫌がる心理とその背景を見ていきましょう。

遊び・YouTube優先の生活習慣(帰宅後すぐゲーム・スマホ)

最近では、小学生のうちからスマートフォンやタブレットを持つ子どもも増えました。動画視聴やゲームは「今すぐに楽しい!」を味わえるコンテンツです。一方で、勉強は成果がすぐに見えにくく、面白さや達成感を得るまでに時間がかかるものです。

たとえば、学校から帰ってすぐにYouTubeを見たり、ゲームを始めてしまうと、脳は「楽しいこと=勉強より優先」とインプットしてしまいます。習慣とは恐ろしいもので、何度か繰り返すうちに、「帰宅後=娯楽タイム」が無意識に定着してしまうのです。

こうなると、いざ勉強をしようとしても集中できない、イライラする、眠くなるといった悪循環に陥ってしまいます。特に思春期の子どもは、自律心が育っている途中。スマホやゲームに気持ちをもっていかれがちなのは、自然なことでもあるのです。

「わからない」「できない」による挫折感

勉強のやる気を失う原因として見逃せないのが、「わからない」ことへの苦手意識です。特に算数や数学、英語などの積み上げ型の教科では、少しつまずいただけで次の単元が理解できず、「もう無理」と感じてしまうことがあります。

最初は少しのつまずきでも、それが蓄積すると「勉強=できないことの連続」というネガティブな印象につながりがちです。このような状態で「がんばりなさい」と言われても、子どもにとってはプレッシャーにしかなりません。

また、勉強は「結果が出るまでの過程」が重要にもかかわらず、結果だけを求めすぎると、できなかったときに「自分はダメだ」と思い込みやすくなります。失敗を「成長の種」ととらえる視点がないと、やる気を出す前にあきらめてしまうのです。

親からの叱責や「○○ちゃんはできるのに」比較が逆効果に

「なんでやらないの?」「○○ちゃんはもう受験勉強始めてるよ!」――こうした言葉、思わず言ってしまったことはありませんか?

親としては善意で言っているつもりでも、子どもにとっては「責められている」「認めてもらえない」と感じてしまい、やる気どころか自己肯定感まで下がってしまいます。

特に注意したいのが、兄弟姉妹や周囲の子どもとの比較です。「お兄ちゃんはあんなにできたのに」「同じ塾の○○ちゃんはもうこの問題解けたらしいよ」など、子ども自身が望んでいない比較は、モチベーションを削ぐ原因になります。

勉強は本人のペースで進めるのが基本。周囲と比べて焦らせるのではなく、「昨日よりちょっとできたね」と、本人の中での成長を認めてあげる声かけが大切です。

「やる気は性格ではなく、状態である」という心理学的視点

「うちの子は、もともとやる気がない子で……」と諦めてしまっていませんか?

実は、心理学の視点では、「やる気」は性格ではなく一時的な“状態”とされています。つまり、今はやる気がないように見える子でも、環境や関わり方を変えることで、やる気は自然に引き出される可能性があるということです。

やる気には「内発的動機づけ(自分の興味や価値観)」と「外発的動機づけ(ごほうび・評価)」という2つの要素があります。たとえば、「好きな教科ならがんばれる」「テストでいい点を取ったら褒められた」などがそれに当たります。

重要なのは、このやる気の“スイッチ”がどこにあるかを、親が一緒に探してあげること。無理に引き出そうとするのではなく、「子どもが今、どんな気持ちでいるのか」を理解しようとする姿勢こそが、やる気を支える大きな土台になります。

このように、子どもが勉強にやる気を持てない背景には、さまざまな心理や環境の要因が絡んでいます。ただ叱る、ただ励ますだけでは、根本的な解決にはつながりません。まずは、やる気を失っている理由に寄り添うところから始めてみましょう。

親としてできる、やる気の土台づくり

子どもが勉強に対してやる気を出せないとき、つい「どうしてやらないの?」と叱りたくなってしまうものです。でも実は、子どものやる気を引き出す鍵は「叱る」ことではなく、「環境」と「関わり方」にあるといわれています。

ここでは、保護者としてできる日々のちょっとした声かけや習慣づくりを通して、やる気の土台を整える方法をご紹介します。

感情を受け止めて共感する声かけを意識する

まず大切なのは、子どもがどんな感情でいるのかに「寄り添う」ことです。たとえば、「もう嫌だ」「わかんない」「めんどくさい」と言っているときに、「そんなこと言わないでやりなさい」と言いたくなる気持ちはわかります。でも、それは子どもの気持ちを“否定”してしまうことにつながります。

代わりに、「そっか、今日は疲れてるんだね」「難しいところだったね」といった言葉をかけてみてください。それだけで子どもは「わかってくれてる」と感じ、安心感を持てるようになります。この“安心”が、やる気の土台になります。

特に小学生のうちは、自分の感情をうまく言葉にできないことも多いもの。親が先回りして解決するよりも、「いま、どんな気持ちなの?」と問いかけることが、子ども自身の気づきにもつながります。

一緒にルールを決めることで「自分ごと化」する

勉強のやる気は、「自分で決めた」という感覚があると高まりやすいです。大人でもそうですが、誰かに強制されると、やる気が下がってしまいますよね。子どもも同じで、「親が決めたルール」ではなく、「自分で決めたルール」だと納得しやすくなります。

たとえば、以下のようなことを一緒に話し合ってみましょう。

  • 「いつ勉強するのがいいと思う?」
  • 「何分くらいなら集中できそう?」
  • 「休憩のタイミングはどうしようか?」

このように、一緒にスケジュールやルールを考えるだけで、「自分で決めたことだからやってみよう」と前向きに取り組めるようになります。勉強に主体性が出てくると、やる気も自然と湧いてくるのです。

結果ではなく「努力」を認める褒め方を意識する

子どもを褒めるとき、つい「100点すごい!」「1位おめでとう!」など、結果に目がいってしまいがちです。もちろん、成果を認めてあげることは大切ですが、それだけだと「結果が出ないと褒めてもらえない」と思ってしまうこともあります。

大切なのは、結果よりもその過程に注目してあげること。「昨日より30分長く勉強してたね」「解けなかった問題に挑戦してて偉いね」など、行動や努力に焦点を当てた声かけを心がけましょう。

「がんばりが認められた」と感じると、子どもはもっとがんばろうとするもの。自己肯定感も高まり、結果的に継続する力が育ちます。

塾や家庭教師など「他者との分担」も活用しよう

やる気の土台を整えるには、親の関わり方がとても大事です。ただし、「全部を親が背負わなければ」と思いすぎる必要はありません。

ときには、塾の先生や家庭教師のような「外部の大人」が関わることで、家庭では築きにくい“第三者の関係性”が功を奏することもあります。たとえば、勉強の進め方や成績に関しては塾がフォローし、親は子どもの生活リズムやメンタル面をサポートする、というように役割分担をするのも有効です。

特に思春期の子どもは、親からの言葉よりも“他人の言葉”の方に耳を傾けやすいことがあります。信頼できる第三者の存在が、やる気の火種になることもあるのです。

子どもにやる気を持って勉強してほしいと願うのは、どの親も同じです。ただ、「やる気を出させる」のではなく、「やる気が出やすい環境を整える」という視点に立つと、親としてできることがぐっと増えていきます。

無理に励ましたり叱ったりせず、「子どもと一緒に考える」「気持ちを受け止める」「小さな努力を認める」――そんな日々の積み重ねこそが、やる気の土台を育てる第一歩です。

心理学で解説!やる気を作る仕組みとは

「やる気がある子とない子の違いってなんだろう?」と考えたことはありませんか?
実は、勉強のやる気には“性格”よりも“環境”や“仕組み”が深く関わっています。そして、心理学の観点からその仕組みを理解すると、「どうすればやる気が高まるのか」が見えてきます。

ここでは、やる気に関する基本的な心理学理論を紹介しながら、子どものやる気をうまく引き出すための考え方を解説していきます。

やる気には2種類ある:内発的動機づけと外発的動機づけ

やる気(動機づけ)は、大きく2種類に分けられます。

1つは内発的動機づけ(intrinsic motivation)と呼ばれるもの。これは、「自分が興味を持ったから」「楽しいと感じるから」行動するタイプのやる気です。たとえば、「歴史の漫画が面白くてもっと知りたい!」と思って自主的に勉強するようなケースが当てはまります。

もう1つは外発的動機づけ(extrinsic motivation)。こちらは「褒められたい」「点数を上げたい」「怒られたくない」など、外からの報酬や評価を得るために行動するタイプのやる気です。「テストで80点以上取れたらゲーム時間を増やす」といったご褒美制度も、外発的動機づけの典型です。

どちらが良い悪いということではなく、どちらも大切です。ただし、内発的なやる気の方が、長続きしやすく安定的だと言われています。

ごほうびの効果は一時的?モチベーションの落とし穴

「頑張ったらシールをあげる」「成績が上がったら好きなものを買ってあげる」など、ごほうびを使ってやる気を出させようとする親御さんも多いでしょう。実際、ごほうびは短期的には大きな効果があります。

しかし、心理学では「アンダーマイニング効果」と呼ばれる現象が知られています。これは、本来自分の興味でやっていたことが、外からの報酬によって“義務”のように感じられ、内発的やる気が減ってしまうというものです。

たとえば、読書好きな子に「読んだ本の冊数でお小遣いを増やす」と報酬を与えたとき、一時的には読書量が増えても、報酬がなくなると読まなくなる…というケースがこれに当たります。

つまり、ごほうびは「やる気のきっかけ」としては有効でも、それだけに頼ると逆効果になる可能性があるのです。

やる気を引き出すには「選択」「有能感」「関係性」がカギ

子どもが自然とやる気を出す環境には、心理学的に見ると以下の3つの要素がそろっていると言われています(自己決定理論:Self-Determination Theoryより)。

① 自律性(自分で選んでいる感覚)

「誰かにやらされている」のではなく、「自分で決めた」と感じられると、人は行動への納得感が高まりやすくなります。勉強も、時間や順番、教科の選択など、少しでも“自分で選べる”工夫を取り入れることが効果的です。

② 有能感(やればできるという感覚)

少し頑張ればできる、という「達成可能な難易度の課題」を与えることが、やる気につながります。逆に、最初から難しすぎる課題ばかりだと「どうせ無理」と感じてしまい、モチベーションは下がってしまいます。

③ 関係性(誰かに見てもらえている感覚)

子どもは、「がんばってるね」「見てたよ」といった他者からの承認によって、安心感や自信を持ちやすくなります。親や先生など、信頼できる人からのちょっとした一言が、やる気を大きく後押しすることもあるのです。

モチベーションを継続する「環境づくり」も忘れずに

やる気が出るかどうかは、本人の心の中だけの問題ではありません。部屋の環境、時間の使い方、家庭の雰囲気なども、やる気の維持に大きく影響します。

  • 勉強と遊びの区別がつきやすい机まわり
  • 決まった時間に決まった場所で勉強する習慣
  • 親がスマホを控える姿勢を見せる  など、

環境が整うと、子ども自身も「やるモード」に切り替えやすくなります。
特に習慣化は、やる気を“待つ”のではなく、“自動的にスイッチを入れる”効果があるのでとてもおすすめです。

子どものやる気が出ないのは、「やる気のない子だから」ではありません。やる気は環境や関わり方、課題の出し方によっていくらでも引き出すことができます。親として大切なのは、「どうすればこの子が自分の力を信じて進めるか?」という視点を持つこと。

心理学の知見を活用しながら、親子で一緒に“やる気の仕組み”を整えていけるといいですね。

親ができる!やる気を引き出す接し方・声かけ

頑張りを「結果」より「過程」でほめる

子どもが勉強にやる気を出すためには、「認められている」「見てもらえている」と感じることが非常に大切です。特に大事なのは、テストの点数や成績といった“結果”だけではなく、その過程、つまり努力のプロセスをしっかり見てあげることです。

たとえば、「毎日10分だけでも机に向かってるね」「自分からプリントやってて偉いね」といった声かけは、点数や偏差値に関係なく子どもを前向きにします。こうした声かけによって、「自分の努力は価値があるんだ」と感じるようになり、勉強を続けるモチベーションにつながっていきます。

一方で、「100点じゃないとダメ」「この前の子はもっとできてたよ」といった声かけは、子どもの自己肯定感を下げ、やる気をそぐ原因になります。親としては良かれと思っていても、結果重視の言葉はプレッシャーや劣等感につながりやすいため注意が必要です。

学びをポジティブに捉える習慣づけ

「勉強=つらいもの」と感じてしまうと、やる気はなかなか湧いてきません。そこで、日常の中で「学ぶことは面白い」「わかるって楽しい」と思えるような声かけを取り入れるのも有効です。

たとえば、理科の知識を使って料理中に「なぜ卵は熱で固まるんだろう?」と問いかけたり、社会の話題をニュースに絡めて「今日は都知事選があるよ。学校で習ったね」と会話にするなど、日常と学びをつなげて話すことで、子どもは自然と知識を面白いものと感じていきます。

また、「あのとき頑張ってよかったね」と成功体験を振り返ることで、勉強と達成感を結びつけていくのも良い方法です。「次も頑張ろう」と思えるきっかけになります。

「勉強しなさい」よりも「どう進める?」という聞き方

よくある声かけとして「早く勉強しなさい!」がありますが、これは命令形になりやすく、子どもの反発心を招くことも少なくありません。そうではなく、「今日はどこまで進める予定?」「宿題っていつやるのがやりやすいと思う?」といった問いかけの形にすることで、子ども自身に考えさせ、主体的に行動するきっかけを与えることができます。

「やらされる勉強」から「自分で考えて取り組む勉強」にシフトすることで、やる気や自信が自然と育ちます。親は“管理者”ではなく“伴走者”として関わる姿勢が重要です。

親も「完璧」でなくていい

最後に大切なこととして、親自身も「完璧な接し方」を求めすぎないことです。つい叱ってしまった、言い過ぎたと感じたときは、正直に「さっきはごめんね」と伝えることが、かえって信頼関係を深めます。

親が自分の感情を言葉にし、子どもに対して誠実に向き合う姿は、子どもにとっても「感情は表現していい」「間違ってもいいんだ」という安心感を与えます。やる気は、そうした信頼の土台の上に育つものです。

高校受験・中学受験も見据えた保護者の関わり方

子どもが勉強に本腰を入れるタイミングのひとつに、「受験」があります。中学受験や高校受験は、子どもにとって大きな節目であり、学力だけでなく精神的な成長も問われる時期。そんなとき、保護者の関わり方が子どものモチベーションに大きく影響することをご存じでしょうか。

受験は「親子の協働作業」

受験というと、「子どもが頑張るもの」「親はサポート役に徹するもの」と考えがちですが、実際には“親子のチーム戦”のような面もあります。とくに小学生・中学生のうちは、子ども一人では学習計画や生活リズムの管理が難しいこともあります。

たとえば「今日は疲れているようだから早めに寝よう」「明日は模試だから朝ごはんは消化の良いものを用意しよう」など、勉強面だけでなく、生活や体調を整えることも立派な支援です。また、子どもが「受験をがんばろう」と思えるような声かけや環境づくりも、保護者にしかできない大切な役割です。

「結果」よりも「プロセス」を認める関わり方

受験が近づくと、どうしても「偏差値」や「志望校合格」といった“結果”に目がいきがちです。しかし、子どもにとっては、その過程で得られる努力の経験や自己管理能力、目標に向けての継続力の方がはるかに大切です。

「偏差値が上がったら褒める」「志望校に合格したら嬉しい」というのは当然ですが、それ以上に、日々の小さな努力や継続を認める言葉をかけてあげることが、やる気を引き出す鍵になります。

たとえば、「毎日30分でも机に向かってるの、えらいね」「前より漢字テストの点数、上がってきたね」といった具体的な声かけが、子どもにとってはモチベーションの源になります。

過干渉と放任のバランスをとるには?

よくある保護者のお悩みとして、「口を出しすぎて反発される」「放っておくと何もしない」という両極端なケースがあります。中学〜高校年代の子どもは、心も体も大きく成長する時期。自立心が育っていく反面、まだまだサポートが必要な部分も残っています。

このバランスをうまく取るには、まず「本人に任せてみる」ことから始めるのがポイントです。たとえば、勉強計画やスケジュール管理は、最初は親が一緒に考えても、徐々に子どもに任せていく。そして困っているときは「手を貸すよ」と声をかけて、支援できる体制を見せておくことで、子どもも安心してチャレンジできます。

また、学習面だけでなく、メンタル面でのサポートも重要です。受験が近づくにつれ、子どもは不安やプレッシャーを感じるようになります。そんなとき、「大丈夫」「応援してるよ」といった肯定的な言葉が、大きな安心感につながります。

中長期で見た「学力と自信」の育て方

保護者が関われる最大の価値は、「受験の合否」よりも「学ぶ力」と「自己肯定感」を育むことです。今うまくいかないことがあっても、そこでの経験や親の接し方が、今後の学習姿勢やメンタルの土台になっていきます。

受験はゴールではなく通過点。子どもが「次も頑張ってみよう」と思えるような成功体験や、「うまくいかなくてもやり直せる」という自信を持てるような環境づくりが、長い目で見て学力にもつながっていきます。

まとめと具体的アクションプラン(FAQ付)

お子さまの「勉強へのやる気」に関する悩みは、多くのご家庭に共通するテーマです。今回は、以下のような視点から原因と対策を整理してきました。

  • やる気が出ない原因は、生活習慣や勉強への苦手意識、親の声かけや比較など、さまざまな要素が複雑に絡んでいる。
  • やる気は「性格」ではなく「状態」。ちょっとした環境の変化や声かけで改善することもある。
  • 保護者としてできることは、「褒め方」「目標の立て方」「環境づくり」など、日常のちょっとした関わり方にある。
  • 勉強のやる気は、目に見える成果が出るまで時間がかかることも多く、長期的な視点で子どもを支える姿勢が大切。
  • 学年ごとのサポート法や、実際に役立ったツール・事例などを参考に、家庭でできる工夫を取り入れてみることが効果的。

「うちの子、やる気がないな…」と感じたときこそ、焦らず、寄り添い、少しずつ行動を変えていくことが大切です。やる気は一夜にして生まれるものではありません。親子で一歩ずつ、進んでいきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q:「褒めすぎたら、逆に甘やかすことになりませんか?」

A:褒め方に工夫が必要です。「すごいね!」と漠然と褒めるのではなく、「今日は自分から机に向かってたね」「この問題、前よりも早く解けるようになったね」と、具体的な行動や努力を褒めるのがポイントです。そうすることで、子どもは自分の成長を実感し、自己効力感(=やればできる感覚)が高まります。

Q:「頑張っていたのに、急にやる気がなくなったように見えます。なぜ?」

A:成績が伸び悩んだり、友達との比較で自信をなくしたり、疲れがたまっていたりと、外的な要因があることも。本人も理由をうまく言葉にできない場合があります。まずは、「最近どう?」と会話のきっかけをつくるところから始めましょう。時には「勉強の話」から少し離れて、ただ一緒に過ごすだけでも効果があります。

Q:「ご褒美作戦はアリ?ナシ?」

A:短期的には有効なこともありますが、ご褒美だけが目的になると、学習の本質からズレてしまうことも。コツは、「勉強=いやなこと」にならないよう、楽しさや達成感を実感できるようにすることです。ご褒美を使う場合も、「〇〇を覚えられて、自信がついたね!そのご褒美に…」と、あくまで努力や成長に対する“おまけ”として活用しましょう。

Q:「子どものやる気が、日によって大きく変わります」

A:これはよくあることです。子どもは気分や体調、学校の出来事などに左右されやすいもの。大人だって「今日は仕事したくないな」と感じる日があるように、やる気の波があるのは自然なことです。そのうえで、やる気のベースを整えるには、「習慣化」が重要。例えば、「帰宅後すぐに15分だけ机に向かう」など、毎日のルーティンにすると波があっても継続しやすくなります。

明日からできる!具体的アクションプラン

1. まずは観察から始める
お子さまがどんなときにやる気が出ていないかを見つめ直しましょう。帰宅後の行動や、勉強中の表情、声かけへの反応など、ヒントは日常にあります。

2. 小さな「できた!」を見逃さず、言葉にする
どんなに小さな前進でも、「気づいてくれてる」と実感できると、子どもは頑張ろうと思えます。

3. 一緒に目標を立て、達成を共有する
1週間単位で「英単語20個」や「漢字10個」など、短期で達成できる目標を一緒に立て、達成できたら一緒に喜びましょう。

4. 学年・特性に合った工夫をする
小学生なら「学習=遊び感覚」で楽しく、中学生は「自立のサポート」、高校生には「将来の目的と結びつける」など、成長に合わせたアプローチを意識しましょう。

5. 塾や外部の力も頼る選択肢を
家庭だけで抱え込まず、塾の講師や教育の専門家と連携することも選択肢のひとつ。客観的な視点が入ることで、親子関係もほどよい距離感で保てる場合があります。

最後に

勉強へのやる気は、子ども自身だけの問題ではありません。保護者の関わり方や環境づくりによって、大きく変わる可能性があります。大切なのは、「どうやってやらせるか」ではなく、「どうすれば自分から動きたくなるか」を一緒に考えていくことです。

保護者として、子どもとともに悩み、寄り添い、成長を見守ることこそが、最大のサポートになるのではないでしょうか。焦らず、でも諦めず、今日からできる一歩を踏み出してみてください。