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科学が証明!リトリーバル×インターバルで変わる子どもの効率的な勉強法

科学が証明!リトリーバル×インターバルで変わる子どもの効率的な勉強法

はじめに|親として知っておきたい学習法のトレンド

「うちの子、何度も勉強してるのに、テストになると忘れちゃって…」
「ちゃんとノートもとっているのに、成績が思うように上がらない」

そんなお悩み、保護者の方なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。努力しているのに結果が出ない――それは、お子さんの学習法が“がんばり方”として間違っているわけではなく、“やり方”が少しもったいないだけなのかもしれません。

最近、教育や脳科学の分野で注目されているのが、「リトリーバル学習」と「インターバル学習」という2つの学習法です。初めて耳にする言葉かもしれませんが、これらは海外の大学や研究機関ではすでに多くのエビデンス(科学的根拠)があるとされ、アメリカやカナダでは教育現場にも積極的に取り入れられ始めています。

では、この「リトリーバル」や「インターバル」とは一体どういう学習法なのでしょうか?

簡単に説明すると、「リトリーバル学習」とは、学んだことを“思い出す”ことで記憶を強化する方法です。たとえば、テキストを何度も読み直すのではなく、自分の記憶を頼りにクイズ形式で答えてみる、ノートを見ずに頭の中で再構成してみる、などがこれにあたります。

一方の「インターバル学習」とは、同じ内容を短期間に繰り返すのではなく、あえて間隔を空けて復習する方法です。忘れかけたタイミングで復習することで、記憶がより深く脳に刻まれる、という理論に基づいています。

これら2つの学習法には共通点があります。それは、どちらも“脳の性質”に合わせて設計されているという点です。脳は、ただ情報を繰り返し目にするだけでは定着しにくく、「一度忘れかけて、そこから思い出す」という過程を経ることで、記憶として残りやすくなるという特徴があるのです。

言い換えれば、子どもが「あれ?なんだったっけ?」と一瞬考え込んでから答えにたどり着く――この“もどかしい時間”こそが、記憶力アップのチャンスというわけです。

ところが、私たち保護者世代が学生だったころは、どちらかというと「何度も読み返して暗記する」「ノートにまとめて覚える」といった学習法が主流だったはずです。もちろん、それらがすべて間違っているわけではありませんが、記憶の定着や応用力の面で見ると、最新の学習法と比べて非効率な部分があるのも事実です。

ここで気になるのは、「この新しい学習法、家庭でも取り入れられるのか?」という点かもしれません。結論から言えば、リトリーバルもインターバルも、特別な教材や高価な道具を使わずに、日々の家庭学習の中で無理なく実践できる方法です。むしろ、親御さんが少し視点を変えて関わるだけで、お子さんの学びの質が大きく変わってくることもあります。

たとえば、毎日「今日学校で何を習ったの?」と聞く代わりに、「今日は何が印象に残った?」「昨日の理科、どんな内容だったっけ?」と質問の角度を変えるだけでも、自然と“思い出す習慣”が身につきます。あるいは、宿題が終わった翌日に「昨日の漢字、覚えてる?」とちょっとしたクイズを出すだけでも、十分リトリーバル学習になるのです。

また、インターバル学習を意識するなら、「一夜漬け」で一気に詰め込むのではなく、同じ内容を少しずつ数日に分けて復習するように声かけすることが大切です。「1日で100問覚える」よりも、「20問ずつ5日かけて覚える」方が、記憶の定着率ははるかに高いというデータもあります。

つまり、リトリーバルとインターバルを活用すれば、「やる気がない」「集中力が続かない」「何度やっても覚えられない」といった、よくある学習の悩みに対しても、根本的な解決アプローチが見えてくるのです。

このコラムでは、そんなリトリーバルとインターバルについて、専門的な内容をわかりやすく噛み砕きながら、家庭での実践方法まで紹介していきます。「子どもの勉強をどうサポートすればいいかわからない」「自学自習の力をつけてほしい」――そんな悩みを持つ保護者の方に、少しでも役立つ内容になれば幸いです。

次のセクションでは、まずリトリーバル学習について詳しく解説していきましょう。

リトリーバルとは?

科学的に裏付けられた「思い出す学習」

「勉強って、結局は“覚える力”が大事なんでしょ?」
そんなふうに思っている保護者の方は多いと思います。確かに、テストで良い点を取るにも、入試で得点するにも、まず“記憶”は欠かせませんよね。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。「記憶する」とは、具体的にどんなことを指しているのでしょうか?

私たちがついイメージしてしまうのは、「何度もテキストを読み返す」「ノートを見ながら内容を頭に入れる」といった、“インプット型”の勉強です。ところが、近年の脳科学や教育心理学の研究では、記憶を強く・長く定着させるには、“アウトプット”が非常に重要だということがわかってきました。

ここで登場するのが、「リトリーバル学習法(retrieval practice)」という学習スタイルです。

リトリーバルとは、日本語で言うと「検索」や「取り出し」といった意味があります。学習の文脈では、これを「記憶から情報を思い出す」行為と捉えます。たとえば、「昨日覚えた歴史の年号、覚えてるかな?」「さっきの英単語、なんだったっけ?」と、自分の頭の中にある情報を自力で引き出そうとする。――この“思い出す”プロセスこそが、記憶を強くする最大のトレーニングになるのです。

実際、アメリカの教育研究者たちが行った実験では、リトリーバル学習を取り入れた生徒は、ただ何度もテキストを読み直した生徒に比べて、50%以上も多くの情報を長期間記憶できたという結果が出ています。つまり、同じ時間をかけて勉強するなら、「読む」より「思い出す」方が圧倒的に効果が高い、ということなのです。

この学習法には、100年以上の研究の歴史があります。最も古くは、20世紀初頭の心理学者エドワード・ソーンダイクの実験から、学習と記憶の関係が体系的に研究され始めました。その後、エビングハウスの「忘却曲線」の概念が広まり、「人間は時間の経過とともにどれだけ記憶を忘れるか」が明らかになってきました。

しかし、そこからさらに深く掘り下げられたのが、「人間は“忘れる”ことによって、むしろ記憶を強めることができる」という逆説的な発見です。つまり、一度忘れかけて、それを思い出す過程こそが、記憶を脳に定着させる最強の方法だったのです。

この考えを基に生まれたリトリーバル学習は、今では多くの大学や教育機関でも正式に推奨されているメソッドになっています。たとえば、アメリカの大学では、講義の最後に「今日の内容を3つにまとめてみてください」といったミニクイズ形式を取り入れる授業が増えており、学生たちが自ら内容を整理・再構成する力を養っています。

リトリーバルが有効である理由は、脳の構造にあります。私たちの脳は、単に情報を見聞きするだけでは、それを「重要な情報」とは判断しません。しかし、「何度も引き出して使った情報」は、「これは何度も必要になる大事な記憶だ」と認識され、長期記憶として保存されやすくなるのです。

さらに、思い出すという行為には、“誤った記憶の修正”や“記憶の強化”といった副次的な効果もあります。間違って覚えていたことに気づくことで修正がかかり、また正しく答えられた内容は、自信を持って次回も思い出せるようになる。この繰り返しが、記憶の精度と安定性を高めていくのです。

では、リトリーバルは実際にどんな形で取り入れればいいのでしょうか? それは決して難しいことではありません。

たとえば――

  • 学校から帰ってきたお子さんに「今日何を習ったの?」と聞くだけでなく、「何が一番印象に残った?」と“引き出す”質問をしてみる。
  • 単語帳を使うときは、答えを隠して「これは何だっけ?」と考えてからめくる。
  • テストが終わったあと、間違えた問題について「なぜ間違えたか」「正しい答えはどう導くか」を子ども自身に説明させてみる。

こうした小さな“思い出し”の積み重ねが、リトリーバル学習の実践そのものなのです。

子どもの学習において、親がすべて教え込む必要はありません。むしろ、「考えるきっかけ」「思い出すチャンス」をつくってあげるだけで、学習効果は飛躍的に高まるのです。

次のセクションでは、もうひとつの重要な学習法「インターバル学習」についてご紹介します。実はリトリーバルと組み合わせることで、さらに学習効果がアップするんです。

インターバルとは?

忘れかけたタイミングで学び直す力

「前の日にあんなにがんばって覚えたのに、テストになると真っ白…」
そんな経験、保護者の皆さん自身にもあったのではないでしょうか? あるいは、わが子が同じような悩みを抱えているのを見て、「何で忘れちゃうの…?」と不安に思ったことがあるかもしれません。

実は、「忘れること」は決して悪いことではありません。むしろ、人間の脳は“忘れることによって記憶を強化する”という性質を持っているのです。
ここで注目したいのが、「インターバル学習(分散学習)」という方法です。これは、覚えたいことを一度に詰め込むのではなく、“あえて間隔を空けて”繰り返し復習することで、記憶をより深く定着させるという学習法です。

「忘れる」は悪ではなく、学習のプロセス

この学習法の考え方を説明するうえで欠かせないのが、「エビングハウスの忘却曲線」です。
これは19世紀の心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱したもので、人間がどのように記憶を忘れていくかを示した有名な曲線です。

彼の実験によれば、人は覚えた直後から急速に記憶を失い

  • 20分後には42%
  • 1時間後には56%
  • 1日後には67%
  • 1週間後には77%

もの情報を忘れてしまうと言われています。

…ちょっとショックな数字ですよね。でも、ここからが大事なポイントです。

この“忘れかけたタイミング”こそが、記憶を強化する絶好のチャンスなんです。
人間の脳は、「あれ?なんだったっけ?」と考え直すタイミングで、再びその情報を思い出すことで、「これは大事な情報だ」と認識し、より強く記憶に定着させようと働きます。

これが、インターバル学習の原理です。
つまり、「覚えた→忘れかけた→思い出す→覚える」を時間を空けて繰り返すことで、記憶はより安定していくのです。

一夜漬けでは残らない。「分けて学ぶ」のがコツ

たとえば、100個の英単語を今日1日で丸暗記しようとした場合。確かに、夜には全部言えるようになっているかもしれません。でも、翌朝には半分以上を忘れてしまう――これが人間の脳の仕組みです。

一方で、その100個を1日20個ずつ、5日間に分けて覚え、さらに1週間後に復習するスケジュールを立てると、記憶の保持率は大きく向上します。学習における「量」ももちろん大切ですが、「タイミング」を意識することで、“同じ努力”が“より効果的な結果”につながるのです。

この方法は、何も難しいことではありません。
たとえば――

  • 今日覚えたことを、明日もう一度見直す
  • 3日後に、もう一度だけ同じ問題を解く
  • 1週間後に、何が残っているかを自分でチェックする

こうした「復習の間隔」を工夫するだけで、学習効率がぐっと上がります。

また、「毎日がんばる」のではなく、「必要なタイミングで思い出す」ことが重要なので、気持ち的にも“無理なく続けられる”という点も、インターバル学習の魅力のひとつです。

家庭でどう活かす?インターバルの実践法

「時間を空けて復習するって、大切なのはわかった。でも、どうやって家庭で取り入れればいいの?」

そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今日からできる実践例をいくつかご紹介します。

  • チェックリストやカレンダーを活用する
     →「月曜:理科を覚える、木曜:復習」など、日ごとのスケジュールに“復習タイミング”を入れておくだけでも効果的。
  • 親がちょっとした声かけをしてみる
     →「この前やってた漢字、もう一回やってみようか」「2日前の問題、まだ覚えてるかな?」と、軽いクイズ感覚で。
  • 子ども自身に「次いつ復習したい?」と聞いてみる
     →自分でスケジュールを組むことで、主体的に学習を進める意識が高まります。

こうした“ちょっとした工夫”が、長期記憶の形成を支え、結果としてテストの点数アップや学力の向上につながっていきます。

忘れかけたからこそ、思い出す力がつく

子どもが「もう覚えてない…」とがっかりしているとき、つい親としては「なんで忘れたの!」と言ってしまいがちですよね。でも実は、それは脳の自然な働き。忘れかけているということは、“今が復習のチャンス”なのです。

インターバル学習を知っているだけで、日々の学習に対する考え方がぐっと変わってきます。「今、思い出せないのは成長の途中」だと捉えて、親子で前向きに取り組んでいけるといいですね。

次のセクションでは、ここまで紹介した「リトリーバル学習」と「インターバル学習」を組み合わせた、最強の学習戦略についてご紹介します。日々の勉強をグッと効率的にするヒントを、ぜひ引き続きご覧ください。

最強コンビ:リトリーバル × インターバルを組み合わせる理由

〜記憶定着のゴールデンコンビ、その効果と活用法とは〜

「せっかく勉強したのにすぐ忘れてしまう……」
多くの保護者の方が、お子さまの学習において一度は感じたことがある悩みではないでしょうか。
そしてそのたびに「もっと繰り返し復習しないとダメ」と感じてしまいがちです。
ところが、ただ繰り返すだけでは効率が悪いことが、近年の研究で明らかになっています。

ここまでご紹介してきた「リトリーバル(思い出す学習)」と「インターバル(間隔を空けた学習)」は、それぞれ単体でも高い効果がありますが、実はこの2つを「組み合わせること」によって、記憶の定着力と学習効率が飛躍的にアップするのです。
今回はその理由と、家庭学習にどう取り入れていくかを具体的にご紹介します。

リトリーバルとインターバルが相乗効果を生む理由

まず、リトリーバルとは「自力で思い出す」という脳への負荷の高い行為。
これによって脳は「これは重要な情報だ」と判断し、長期記憶へと情報を移しやすくなります。

一方で、インターバルとは「時間を空ける」ことによって、忘れかけたタイミングで再度学ぶ仕組み。
実はこの「忘れかけた時期」こそ、リトリーバルの効果が最大限に発揮されるタイミングなのです。

つまり、リトリーバルで脳に刺激を与える → 忘れかけたタイミング(インターバル)で再びリトリーバルを行う
という流れが、まさに“ゴールデンコンビ”といえる学習サイクルになるのです。

具体例:相乗効果を活かす復習スケジュール

では、実際にどのようなスケジュールでリトリーバルとインターバルを組み合わせるのか。
以下のようなステップが、記憶定着に効果的とされています。

✅ 典型的な復習パターン(小・中・高共通)

  • 学習当日: その日に学んだ内容を5〜10分で軽くテスト形式で振り返る(リトリーバル)
  • 1日後: 同じ内容を自力で思い出して解く(再びリトリーバル)
  • 3日後: ノーヒントでテスト形式にして再確認
  • 1週間後: 間隔を空けたテストで本当に覚えているか確認(インターバル)
  • 2週間後以降: 定期的に再テスト・再確認を行う(リトリーバル+インターバル継続)

このように、徐々に復習の間隔を広げながら、繰り返し思い出すという習慣をつくることで、記憶がより強固になります。
実際、ある研究では、上記のような学習法を取り入れることで記憶保持率が50〜70%向上したという報告もあります。

なぜこの方法が効くのか?脳のメカニズムと学習心理学

この方法が効果的な背景には、脳の記憶メカニズムと“努力の認知”という心理的要因があります。
脳は「何度も出てくる情報」「思い出すのが難しかった情報」に対して優先的に保存しようとする働きがあります。

また、インターバルを空けることで情報が少し曖昧になり、「思い出すのが難しい」と感じたときに再学習すると、その“努力”が脳に強く刻まれるのです。
つまり、ちょっと忘れた頃がチャンスというわけです。

ご家庭での活用ポイント

保護者としては、「そんなスケジュールを毎日管理するのは大変」と感じられるかもしれません。
ですが、実はほんの少し意識するだけでも効果は出ます。たとえば、

  • お子さまが「今日、何を勉強したの?」と聞かれたときに、答えさせる(リトリーバル)
  • 3日後に「この前の英語、単語テストしてみようか」と軽くクイズ形式で出す(インターバル×リトリーバル)
  • 親子で復習カードを作って、スケジュールをカレンダーに記入してみる

こういった関わり方を日常の中に取り入れるだけでも、学習効果は大きく変わってきます。

まとめ:質の高い復習が、未来の学力につながる

リトリーバルとインターバルを組み合わせる学習法は、脳の仕組みに沿った非常に理にかなった方法です。
単に「繰り返す」のではなく、「思い出す」と「時間を空ける」を戦略的に組み合わせることで、お子さまの記憶定着と学力向上を効果的にサポートすることができます。

毎日の学習にちょっとした工夫を加えるだけで、「勉強が楽しくなった」「前より忘れにくくなった」といった嬉しい変化が現れるかもしれません。
保護者の方のちょっとした声がけやサポートが、お子さまの未来を変える力になる――その第一歩として、ぜひこの学習法を活用してみてください。

実践的テクニック紹介|リトリーバルとインターバルを日常に取り入れる方法

ここまでで、「思い出す学習=リトリーバル」と「時間を空けて学び直す=インターバル」が、いかに子どもの学習効率を上げるかをご紹介してきました。では実際に、日常の学習の中でこの2つをどう取り入れていけばいいのでしょうか?

今回は、家庭でもすぐに実践できる具体的な学習テクニックを紹介します。難しい道具や特別な教材は必要ありません。ちょっとした工夫で、記憶に残る勉強が可能になります。

1. ワード・前・後リトリーバル:文章を区切って「思い出す」

【やり方】
たとえば英語の単語帳を使う際、1ページすべてを一度に覚えるのではなく、まず「見た直後」にリトリーバルしてみる。単語を見た後にすぐ、何も見ずに意味を口に出してみたり、紙に書いてみたりします。これが「前リトリーバル」です。

次に、5~10分程度ほかの勉強をした後で、もう一度その単語を見ずに意味を思い出す。これが「後リトリーバル」です。このように、短い間隔で2回、記憶から引き出す練習をすることで、脳への定着がグッと強くなります。

【ポイント】
・一度で完璧を目指すより、「何度も思い出す」ことが重要
・正解できなくても大丈夫。むしろ間違えたときこそ記憶に残ります

2. 5秒ルール:自分の力で少しだけ考えてから答えを見る

子どもが問題を解いているとき、すぐに解答を見たくなってしまうことがありますよね。ここでおすすめなのが「5秒ルール」です。

【やり方】
問題を読んだあと、すぐに答えを見ずに「5秒間だけ」頭の中で考えてみる。それでも思い出せなければ答えを見ても構いません。大事なのは、この5秒で「思い出そうとする努力」を脳にさせることです。

この「ちょっと頑張る時間」が、記憶の定着を劇的に高めることが科学的にもわかっています。

3. 備忘通知:わざと忘れかけたタイミングで通知する

スマホのリマインダー機能やアプリを活用して、勉強内容を「わざと」忘れかけたタイミングで思い出させるテクニックです。

【やり方】
たとえば歴史の年号を覚えたら、2日後、4日後、1週間後、2週間後というように、通知を設定して「○○年、何が起こった?」と表示させる。これにより、エビングハウスの忘却曲線に逆らう形で、記憶が再定着していきます。

【おすすめツール】
・Google KeepやLINEリマインダー
・学習アプリ「Anki」「Quizlet」なども活用可能

4. 3Dリトリーバル:場所・感情・姿勢を意識して復習する

「3Dリトリーバル」とは、リトリーバルの場面に「場所」「感情」「体の姿勢」を絡めて復習するテクニックです。

【やり方】
・英語の単語をリビングで覚えたなら、同じ場所で復習する
・覚えたときの感情(楽しかった、悔しかったなど)を思い出しながら復習する
・立って覚えたなら、立った状態で思い出す

これは「コンテキスト依存記憶」と呼ばれる心理学的な現象を活用した方法で、実は受験時にも効果的。試験会場で思い出しやすくなります。

5. フラッシュカード&セルフテスト:簡単だけど最強の王道

最後に紹介するのは、昔ながらの王道「フラッシュカード」や「セルフテスト」。これはリトリーバル学習の基本中の基本です。

【やり方】
単語カードを作って、裏に答えを書き、自分でテストを繰り返す。間違えたカードだけを取り出して、後でまた復習。とにかく「見て覚える」ではなく「思い出す」ことに集中します。

スマホでも、QuizletやAnkiといったアプリでフラッシュカードが使えます。家庭でも手軽に取り入れられるのが魅力です。

【応用】
・お子さんが自分で問題を作って、親に出題する(教えることで定着)
・日常会話の中にクイズ形式で取り入れる

まとめ:家庭で「リトリーバル&インターバル」を当たり前に

「勉強=長時間机に向かうもの」というイメージを少し変えてみませんか?
短い時間でも、リトリーバル(思い出す)+インターバル(時間を空ける)を意識すれば、学習の効果は劇的に変わります。

今回紹介したテクニックは、どれも家庭で手軽に始められるものばかりです。保護者の方が少しサポートするだけで、お子さんの「記憶力」「理解力」「勉強への自信」に大きなプラスとなります。

保護者視点での活用法|家庭・塾でどう支える?

リトリーバル(想起)とインターバル(間隔学習)は、学びの質を高める「最強の学習法」として注目されていますが、実際に家庭や塾でどのように取り入れればいいのでしょうか?子どもたち自身がこれらの方法を効果的に使いこなせるようになるためには、保護者のサポートが欠かせません。このセクションでは、保護者視点からの活用法について、具体的な関わり方や声かけの工夫を交えながらご紹介します。

1. 学習計画の中に「思い出す時間」を組み込む

まず大切なのは、リトリーバルやインターバルの時間を学習スケジュールに「意識的に」組み込むことです。たとえば、学校の授業や塾の予習復習だけで終わらせず、「今日は何を習った?ちょっと説明してみて」と一日の終わりに声をかけるだけでも、立派なリトリーバル練習になります。

特に効果的なのが「翌日」「1週間後」「1か月後」に再度復習する「インターバル復習」です。最初は保護者がスケジュールにリマインダーをセットして、復習のタイミングを一緒に確認する習慣をつけていくのがよいでしょう。

2. 日常の会話で「教える体験」をつくる

リトリーバルの力を最大限に引き出すには、誰かに「教える」ことが非常に効果的です。保護者は、子どもに「今日学んだこと、ちょっと教えてくれない?」とお願いするだけで、学習内容を再構築しながら思い出す機会を提供できます。

ここで大切なのは、「間違ってもいい」という空気をつくること。完璧に説明できなくても、「そうそう、それってどういうことだっけ?」と優しく促すだけで、子どもは思い出す過程に集中できます。教える体験そのものが、記憶の定着につながるのです。

3. リマインダーやタイマーを活用する

忙しい毎日の中で、復習タイミングを忘れてしまうのは当たり前。そこで役立つのが「デジタルの力」です。スマホのリマインダー機能や、カレンダーアプリを活用して、「◯月◯日:理科の復習」など、思い出す時間を可視化しておくと、子ども自身も復習の習慣を持ちやすくなります。

さらに、短時間の集中を促す「タイマー学習」もおすすめです。「5分間だけ今日の漢字を思い出してみよう」といったタイムチャレンジ形式で、楽しく取り組める仕掛けをつくると、やる気もアップします。

4. 声かけで記憶の「引き金」を引く

保護者の声かけは、子どもが思い出すきっかけになります。「あのときの社会の授業、覚えてる?」「昨日の英単語、今日も言えるかな?」といった問いかけは、子どもの記憶を引き出すトリガーとして機能します。

また、「何を覚えていた?」「どこが難しかった?」といった質問を通して、思い出しながら考える時間をつくることも大切です。これは単なる知識の再確認にとどまらず、「どうすれば覚えやすかったか?」というメタ認知力を育てることにもつながります。

5. 塾との連携で学習法の定着を後押し

学習塾に通っている場合、保護者と塾が連携してリトリーバルやインターバルを取り入れていくと、より効果的な学習習慣が身につきます。たとえば、塾で扱った内容を家庭で復習するタイミングを共有したり、「塾で習ったことを教えてもらう日」を設定するのも一つの方法です。

保護者が「学び方」にも目を向けてサポートすることで、子どもは自然と「どう学ぶか」を意識するようになります。これは、中学・高校・大学と進む中で必要となる「自律学習力」の基礎づくりでもあるのです。

なぜ他の学習法は効果が低いのか:線引き・読み返しとの比較

――科学的評価と注意点(要注意項目)

お子さんがノートに線を引いたり、教科書を何度も読み返している姿を見て、「しっかり勉強しているな」と思ったことはありませんか?
しかし、こうした“見た目には頑張っている”ように見える学習法が、実はあまり効果を発揮していないという研究結果が多数あります。ここでは、リトリーバルやインターバルといった科学的に効果が認められた学習法と比較しながら、「なぜ線引きや読み返しだけでは記憶に残らないのか?」を分かりやすく解説していきます。

線引き・読み返しは「受け身の学習」

まず大前提として、学習には大きく2つのスタイルがあります。

  • 受け身の学習(Passive Learning)
  • 能動的な学習(Active Learning)

線引きや読み返しは、まさに「受け身の学習」にあたります。目で情報を追い、何となく頭に入っている気になる――これは“分かったつもり”になりやすい学習です。

心理学の研究でも、「読み返し」や「線引き」などのパッシブな方法は、短期的には理解した気持ちになりやすいものの、長期記憶として定着しにくいことが分かっています。

「分かった」と「覚えた」は違う

ここで混同しやすいのが、「分かった」と「覚えた」の違いです。

例えば、教科書の説明を読んで「なるほど、そういうことか」と思っても、それを1週間後に思い出せるかどうかは別問題です。実際、教育心理学者のダニエル・ウィリンガムは著書の中で、「人は“学んだこと”ではなく、“思い出せること”しかテストで使えない」と述べています。

つまり、「理解したつもり」でも、「記憶として使える」状態になっていなければ、テスト本番では思い出せないのです。

読み返しの「錯覚」が学習効果を妨げる

なぜ読み返しは効果が薄いのか?その原因の一つが「流暢性の錯覚」です。

読み返すほど、文章は見慣れたものになります。すると、脳は「これは簡単な内容だ」と勘違いしやすくなります。これが流暢性の錯覚。実際には理解も記憶もあいまいなのに、「わかったつもり」になってしまう状態です。

この錯覚は、復習やテスト対策において大きな落とし穴です。効果的な学習とは、「分からないことを自覚し、再確認するプロセス」が欠かせません。読み返しはこの「自覚」を阻害しやすいという意味で、注意が必要なのです。

線引きの落とし穴:線を引くことが目的になってしまう

次に、線引きについても触れておきましょう。

カラフルなマーカーで教科書を彩ることは、一見するとやる気があるように見えます。しかし、実際には「線を引くこと自体が目的化してしまう」ことがよくあります。

特に中高生になると、「とりあえず全部に線を引いて満足」というパターンが多く見られます。この場合、線を引いた情報が記憶に残るとは限りません。むしろ「マーカーの色」で覚えたような錯覚をしてしまい、内容自体の理解は深まらないことが多いのです。

科学的研究が示す有効性の違い

ここで、教育心理学者ジョン・ダンロスキーらが2013年に発表した有名な研究をご紹介します。彼らは、10種類の学習法について科学的な有効性を比較しました。

  • 高評価(非常に効果的):リトリーバル(想起練習)、インターバル(分散学習)
  • 中評価(ある程度効果あり):イメージ化、自己説明
  • 低評価(効果が薄い):再読(読み返し)、線引き、要約など

この結果からも、リトリーバルやインターバルのような“思い出す” “時間を空けて復習する”タイプの学習法が、他と比べて圧倒的に記憶定着に優れていることが分かります。

じゃあ、線引きや読み返しはダメなの?

ここまで読んで、「じゃあ、もう線引きも読み返しも意味がないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

実は、完全に無意味というわけではありません。
大切なのは、それらを「メインの学習法」にしないこと。

たとえば――

  • 線引きした部分を後でリトリーバル(自分で思い出す練習)に使う
  • 読み返した内容をもとに、自分で要点を説明してみる(セルフテスト)

といったように、「思い出すための準備」として活用する分には有効です。

つまり、「記憶に定着させるプロセスは“思い出すこと”にある」という前提のもとで、補助的に使えば良いのです。

おわりに|“やっている気”から“実際に身につく”学習へ

親としては、子どもが机に向かっている姿を見て「よく頑張ってるな」と感じることもあるでしょう。でも、今後は「どんな勉強の仕方をしているか」にも、ぜひ注目してみてください。

線を引いているだけ、教科書をパラパラと見ているだけ――そんなときは、「どんな風に覚える予定?」と声をかけてみるのも良いでしょう。

“やったつもり”の勉強を、“実際に身につく”学習に変えるヒントは、親のちょっとしたサポートにあります。

脳科学的視点で理解する学習力向上の仕組み

~記憶強化・シナプス、メタ認知、ハイパー修正効果まで~

「リトリーバル」や「インターバル」といった学習法が、なぜこれほどまでに効果的なのか。その根拠は、実は脳科学の分野で明らかになっている“学びのメカニズム”にあります。この章では、記憶がどのように強化されるのか、脳内で何が起こっているのかを、できるだけわかりやすくご紹介していきます。

記憶の形成は「シナプス強化」から始まる

私たちの脳内には、神経細胞(ニューロン)が無数に張り巡らされ、それらがシナプスという接続部で情報をやり取りしています。ある情報を繰り返し思い出したり使ったりすると、そのシナプスの結びつきが強くなり、「長期記憶」として定着しやすくなるのです。

リトリーバル(思い出す学習)は、この「シナプス強化」に直接的に働きかけます。何度も“頭の中から答えを引き出す”ことで、記憶回路が太くなり、忘れにくくなっていきます。言い換えれば、思い出すたびに記憶の回路が“筋トレ”されているようなイメージです。

忘れることにも意味がある「エビングハウス曲線」

学んだ内容を放置しておくと、人はすぐに忘れてしまいます。これは「エビングハウスの忘却曲線」として知られ、学習直後から急速に記憶が減少することを示しています。ですが、インターバル(間隔をあけて復習)を活用すると、この“忘却”に逆らうことができるのです。

実は、一度忘れかけたタイミングで復習することにこそ、大きな意味があります。脳は「あ、これ前にも覚えたな」と刺激を受け、記憶の回路を再構築し、より強固なものにしていくのです。これを「再符号化」とも呼びます。

メタ認知が支える「自分で学びをコントロールする力」

さらに近年、学習効果を高めるカギとして注目されているのが「メタ認知」です。これは“自分の学習や理解を客観的に捉える力”のことで、「今の勉強はちゃんと頭に入っているかな?」「どこが苦手なんだろう?」といった内省ができる力を指します。

リトリーバル学習は、このメタ認知力も鍛えてくれます。問題を解いたあとに「合っていたかどうか」「なぜ間違えたか」を振り返ることが、まさにメタ認知の実践。こうした習慣を重ねることで、自分の学びをより効果的に調整できるようになるのです。

「ハイパー修正効果」でミスを学びに変える

人は間違えたときのほうが、正解をただ読んだときよりも強く記憶に残る――この現象は「ハイパーコレクション効果(ハイパー修正効果)」と呼ばれています。たとえば、リトリーバル学習で答えを間違えてしまっても、その直後に正解を知ることで、記憶の修正が強く働き、結果的に定着が促進されるのです。

つまり「失敗した=ダメ」ではなく、「失敗した=チャンス」なのです。これは保護者の方にもぜひ覚えておいていただきたい視点です。子どもが問題を間違えても、叱るのではなく「今いい学びができたね」と声をかけるだけで、学習効果が大きく変わってきます。

次の章では、この記事のまとめと、保護者が今日からできる具体的なアクションプランをご紹介していきます。子どもたちの学びを支えるために、何をどう実践すればよいのかを一緒に確認していきましょう。

保護者・子どもたちへのメッセージ|長く続けられる工夫、子どものやる気を引き出すコツ

ここまでお読みいただきありがとうございます。「リトリーバル(思い出す学習)」と「インターバル(間隔をあけた学習)」という、科学的に実証された効果的な学習法をご紹介してきました。しかし、どれほど優れた学習法であっても、日々の生活に取り入れ、無理なく継続することができなければ意味がありません。

最後に、保護者としてどのようにお子さまの学びを支え、モチベーションを引き出すかについて、いくつかのヒントをお伝えします。

「できた」を積み重ねる小さな成功体験

子どもにとって、勉強は「できないことに向き合う」作業です。だからこそ、「できた!」という成功体験がとても大切になります。

リトリーバル学習は、最初は「答えを思い出せない」ことに不安を感じる子もいます。でも、少しヒントを出してあげたり、答えを見て確認させてあげたりすることで、「ああ、そうだった!」という気づきを得ることができます。この“気づき”こそが、記憶に残る瞬間です。

たとえば、5秒だけ自分で考えてみる「5秒リトリーバル」や、朝の準備の中で「昨日の社会の授業、どこがポイントだった?」と軽く尋ねるだけでも、立派な復習になります。

日常の中で小さなリトリーバルの機会をつくり、成功体験を積み重ねることで、お子さん自身の「学ぶって面白い!」という気持ちが育っていきます。

目標より「習慣」を育てる

テストの点数や志望校合格といった目標も大切ですが、それ以上に大事なのは「日々の学習習慣」です。

「毎日寝る前に5分だけ復習する」「週末は前の週の学習を振り返る」など、小さくても繰り返せるルーティンを決めておくと、子どもは安心して取り組めます。習慣になると、やる・やらないで迷うことがなくなり、脳のエネルギーを「学習」そのものに集中させることができます。

保護者としては、「今日はちゃんと復習した?」と詰問するよりも、「毎日5分の習慣、続いてるね!」と気づいてあげる声かけが効果的です。達成できた日にはシールを貼る、好きなノートを使うなど、目に見えるごほうびも励みになります。

学びに寄り添う「リマインダーの使い方」

リトリーバルやインターバルは、「タイミング」が非常に重要です。学習の間隔を意識しながら、ちょうど忘れかけたタイミングで復習することが記憶定着につながります。

このとき活用できるのが、スマートフォンやカレンダーアプリなどの「リマインダー機能」です。

たとえば、「英単語を学んだ3日後」「数学の応用問題を解いた1週間後」に通知を設定しておくと、お子さん自身も復習のタイミングを意識できます。もしスマホを持っていない場合でも、保護者のスマホでリマインドしたり、家庭のカレンダーにマークをつけたりすることで、家庭全体で学習をサポートできます。

自分で教えるともっと伸びる

ある程度理解が進んできたら、お子さんに「誰かに教える」体験をさせてみましょう。

これは「リトリーバル」の応用で、学習した内容を自分の言葉で説明することで、理解が深まり、記憶も定着します。兄弟に教えたり、保護者に説明したり、ぬいぐるみに話しかけたりしても効果は抜群です。

もしお子さんが「今日は何やったか、教えて」と話すのが習慣になれば、それ自体が復習になり、やる気を引き出す一歩になります。

最後に:親の姿勢が子どもの背中を押す

子どもが自分から勉強に取り組むようになるには、親の関わり方が鍵です。ただし、それは“勉強を見張る”ことではなく、“学ぶ楽しさを一緒に見つける”という関わりです。

「このやり方って、面白いね」
「前より思い出せるようになったね」
「がんばってるの、ちゃんと見てるよ」

そんな声かけが、子どもにとっては何よりのごほうびになります。

リトリーバルもインターバルも、シンプルだけれど奥の深い学習法です。ぜひ、家庭の中に少しずつ取り入れて、「わかる・できる・思い出せる」体験を積み重ねていきましょう。お子さんが自信をもって学びに向かえるよう、保護者の皆さんがあたたかく、そして少し戦略的にサポートしていけることを願っています。

まとめと次のステップ|今日から始める「思い出す学習」の習慣リスト

ここまで、学習効果を劇的に高める「リトリーバル(思い出す学習)」と「インターバル(間隔を空けた復習)」の科学的な背景や具体的なテクニック、保護者としての関わり方についてご紹介しました。

大切なのは、どんなに良い学習法も「継続して使いこなすこと」です。そこで最後に、コラムを読んだあとにぜひ実践していただきたい習慣リストとチェックリストをご提案します。これを使って、日々の学習を自然にサポートできるようになると、お子さんの成績アップだけでなく、勉強への自信も育っていきます。

【思い出す学習・インターバル実践 習慣リスト】

  1. 毎日の短い「思い出しタイム」を作る
     - 授業の内容を家で5分だけでも声に出して説明してみる
     - 寝る前に今日の勉強を振り返る習慣をつくる
  2. 復習のタイミングを意識して間隔を空ける
     - 翌日、1週間後、1か月後に復習するリマインダーを設定する
     - 同じ内容を何度も思い出すように声かけする
  3. 間違えても怖がらず、学びのチャンスにする
     - 間違えた問題はノートやカードに記録し、繰り返し挑戦
     - 失敗を責めず、「ここが伸びしろだね」と励ます
  4. 家族で「教える時間」をつくる
     - お子さんに学んだことを親や兄弟に説明させる
     - 説明が難しい部分は一緒に調べて学び直す
  5. スマホやカレンダーを活用してリマインダー管理
     - 親子でリマインダーを共有し、復習のタイミングを意識させる
     - タイマー学習で短時間集中を習慣化

【保護者のためのチェックリスト】

□ 学習内容を「教えて」と声かけできている
□ 復習のタイミングをリマインダーやカレンダーで管理している
□ 子どもが間違えても否定せず、前向きに声をかけている
□ 子どもの説明をじっくり聞いて、理解を助けるサポートをしている
□ 毎日の学習時間に「思い出す」時間を必ず設けている
□ 学習の進み具合や悩みを定期的に塾や先生と共有している

次のステップ:習慣化の工夫と継続のコツ

始めは新しいことを取り入れるのに時間がかかるかもしれませんが、無理なく続けるためには「小さな成功体験」と「褒める声かけ」が鍵です。

  • できたらすぐに褒める
  • 継続できた日にはごほうびを用意する
  • 子どものペースを尊重しつつ声かけの頻度を調整する

こうした工夫で、「勉強=つらいもの」ではなく、「思い出すことで成長を実感できる楽しいもの」というイメージをつくっていきましょう。

最後に

子どもの成績アップはもちろんですが、なにより「自分で考え、学び続ける力」を育てることが、これからの社会で最も重要なスキルです。

今回のコラムでご紹介したリトリーバルとインターバルは、その基盤をつくる強力な学習法です。ぜひ、ご家庭や塾で今日から少しずつ取り入れて、子どもたちが「できた!」を実感しながら学び続けられる環境を一緒につくっていきましょう。