読解力があるとは、どういうことでしょうか?
国語のテストで点数が取れることでしょうか。読書をたくさんしていると身につくものでしょうか。
読解力とは、「文章を読んでその内容を理解し、解釈する力」のことですが、国語の学習や入試では、もちろんのこと、日常生活でのコミュニケーションの中で、相手の状況や感情を理解する上でも必要になる力です。
新しい学習指導要領の中で重視されている、「思考・判断・表現」の前提になるものですし、「他と協働する」際にも発揮される力です。
中学入試で、国語の問題の長文化が話題になっていましたが、最近の高校入試や新しくなった大学入学共通テストでは、問題を見ると、理科や社会ではもちろんのこと、数学でさえ、問題文が長く驚かされます。知識や解法のテクニックを身につけても何を問われているかを理解するのに時間がかかってしまうという問題も増えています。
今回は、国語の学習や入試で必要になってくる、ご家庭でもできる読解力の鍛え方についてお話していきます。
最初のステップでは、文章を理解するまで繰り返し読む癖をつけるいうことが大切です。学校で音読の宿題などで繰り返し同じ文章を読みますが、実は大変重要な学習方法です。それと同時に、多くの言葉に触れて、語彙も増やしておくことも大切です。語彙を増やしていくのに、読書は有用です。さまざまな作品に触れることで、日常で使用する語彙の範囲を超えて広げていくことができます。ただ読むだけではなく、意味を理解しながら読んでいくことが重要ですので、一緒に意味を確認しながら読み聞かせをしたり、読んだお話の内容を聞いたり、感想を聞くというアウトプットをセットにすることで、読解力も高まります。
次のステップでは、文章を正しく読み論理的に考え、考えたことを論理的に表現できることです。
読解力と聞くと、読んで解釈するところで完結しそうですが、表現できることで、より深い理解につながります。
国語の問題を解く際に、正解することは必要ですが、正しい道筋で考え、正解することが重要です。そのためにも、丸付けの際に◯×をつけて終わりではなく、どうしてそう考えたのか、何故この解答では正解ではないのかと、解答の理由説明を練習していくことは有用です。国語の問題にとどまらず、テストや問題での間違いは、チャンスです。『どう考えたの?』と問いかけてみてください。
読解力は、先々につながる土台となる力です。その基本を身につけていくためにも、意味を理解して読むこと、語彙数を増やすこと、どう考えたのかの問いかけをしていくことを、ぜひ実践してみてください。