「夏休みはそれなりに勉強できたのに、学校が始まったら思うように勉強できなくなった」
「9月になってから、なんとなく勉強に集中できない」
「夏休み中に立てた計画が、全然予定通りに進んでいない」
高校生の中には、夏休みが終わった後、このような悩みを感じている人もいるのではないでしょうか。
特に9月は、学校の授業が始まり、部活動や学校行事なども通常の生活に戻っていく時期です。夏休みとは生活リズムが大きく変わるため、同じように勉強しようとしても、なかなか思うようにはいきません。
さらに、大学受験を考えている高校生にとっては、秋から少しずつ受験を意識する場面も増えてきます。
高校3年生なら、模試や過去問、志望校別の対策など、これまでとは違った勉強も必要になります。
高校2年生なら、「そろそろ受験勉強を始めたほうがいいのでは?」と感じ始める時期です。
高校1年生でも、学校の授業内容が難しくなり、これまでの勉強方法では対応しにくくなることがあります。
では、夏休みが終わった9月から、どのように勉強を立て直していけばよいのでしょうか。
大切なのは、夏休みと同じ勉強を続けようとすることではありません。
秋には秋の生活に合わせて、勉強のやり方を変えること。
これが、秋の学習を続けるための大きなポイントです。
今回は、夏休みが終わってから勉強がうまく進まない高校生に向けて、秋の学習を立て直すための5つのポイントを紹介します。
そもそも、夏休みが終わると勉強が進まなくなるのはなぜ?
まず考えたいのが、「なぜ夏休みが終わると勉強が進まなくなるのか」ということです。
夏休み中は、学校の授業がありません。
もちろん部活動や予定がある人もいますが、普段の平日と比べれば、自分で使える時間が多くなります。
例えば、
- 朝に1時間勉強する
- 午前中に数学を勉強する
- 昼から英語を勉強する
- 夜にその日の復習をする
というように、自分でまとまった時間を確保することができます。
一方、学校が始まると、
朝起きる
↓
学校へ行く
↓
授業を受ける
↓
部活動をする
↓
帰宅する
↓
食事や入浴をする
↓
宿題や課題をする
↓
就寝する
という生活になります。
当然ですが、夏休みと同じだけの自由時間を確保することは難しくなります。
つまり、
「夏休みにできていた勉強量を、学校が始まってからも続けよう」とすること自体に無理がある場合があるのです。
これは、「勉強をサボっている」ということとは限りません。
生活そのものが変わったのですから、勉強の方法も変える必要があります。
「夏休みより勉強時間が減った=失敗」ではない
夏休みの間に毎日5時間勉強していた人が、学校が始まって1日2時間しか勉強できなくなったとします。
「夏休みより3時間も減ってしまった」
と考えると、なんとなく不安になるかもしれません。
しかし、ここで単純に「もっと勉強時間を増やさなければ」と考えるのは注意が必要です。
学校がある日に、無理に夏休みと同じ勉強時間を確保しようとすると、睡眠時間を削ったり、学校の授業に集中できなくなったりすることがあります。
大切なのは、単純な勉強時間の長さだけではありません。
例えば、
30分間、集中して数学の問題を解く
のと、
2時間机に向かっているものの、スマートフォンを見たり、ぼんやりしたりしている
のでは、同じ「2時間」でも学習の中身は大きく違います。
秋の学習では、
「何時間勉強したか」
だけではなく、
「限られた時間で、何を勉強したか」
を意識することが重要です。
秋の学習を立て直す5つのポイント
ここからは、具体的に秋の勉強を立て直す方法を見ていきましょう。
ポイントは次の5つです。
ポイント1 夏休みと同じ計画を続けない
ポイント2 今の自分の「できていること・できていないこと」を整理する
ポイント3 学年に合わせて「今やるべき勉強」を決める
ポイント4 1か月の計画より、まず1週間の計画を立てる
ポイント5 勉強した時間ではなく、「できるようになったこと」を確認する
一つずつ詳しく見ていきましょう。
ポイント1 夏休みと同じ計画を続けない
最初のポイントは、夏休みと同じ勉強計画をそのまま続けないことです。
「夏休みの計画が終わっていないから、9月も続きをやらなければ」
と考えている人もいるかもしれません。
もちろん、途中になっている勉強をそのまま放置する必要はありません。
ただし、夏休みと9月では、使える時間が違います。
例えば夏休みに、
「午前9時から11時まで数学」
「午後1時から3時まで英語」
「夜に1時間、国語」
という計画を立てていたとします。
学校が始まった後も同じ計画を続けようとすれば、当然ながら時間が足りなくなります。
そこで、秋には計画を作り直します。
例えば、
夏休み
- 数学:2時間
- 英語:2時間
- 国語:1時間
- 理科・社会:1時間
という計画だったものを、
平日
- 英単語:20分
- 学校の授業の復習:30分
- 数学:40分
- 英語:30分
など、細かく分けて考えます。
そして休日には、平日にできなかった演習や苦手科目の勉強をまとめて行います。
ここで大切なのは、
「短い時間でも、毎日続けられる形にする」
ことです。
「スキマ時間」を勉強に使う
秋は、夏休みのようなまとまった時間を確保しにくくなります。
だからこそ、「スキマ時間」を上手に使うことも考えてみましょう。
例えば、
- 電車やバスで英単語を確認する
- 学校の休み時間に前日の授業を復習する
- 帰宅して夕食までの30分で課題を進める
- 寝る前にその日の暗記内容を確認する
などです。
ただし、すべてのスキマ時間を勉強に使わなければいけないわけではありません。
休憩する時間も必要です。
重要なのは、
「まとまった2時間がないと勉強できない」
という考え方から、
「20分あれば、この勉強ができる」
という考え方に変えることです。
例えば英単語や古文単語などの暗記は、短時間でも取り組みやすいでしょう。
一方で、数学の難しい問題をじっくり考える場合は、ある程度まとまった時間が必要です。
このように、
勉強内容によって、使う時間を分ける
ことも秋の学習では大切になります。
ポイント2 今の自分の「できていること・できていないこと」を整理する
秋からの勉強を立て直すとき、いきなり新しい参考書を買ったり、大きな目標を立てたりする必要はありません。
まずは、
今、自分がどこまでできているのか
を確認してみましょう。
夏休みが終わった時点で、
- 英単語はどのくらい覚えているか
- 数学のどの単元が苦手なのか
- 学校の授業についていけているか
- 模試でどの科目が課題だったか
- 夏休みに予定していた勉強はどこまで終わったか
などを整理します。
ここで重要なのは、「できていないこと」だけを見るのではありません。
「できていること」も確認することです。
例えば、
「英単語は以前より覚えられるようになった」
「数学の基本問題なら解けるようになった」
「夏休み中に苦手だった英文法を一通り復習できた」
などです。
できるようになったことを確認すると、これまでの勉強が無駄ではなかったことも分かります。
そのうえで、
「では、次に何をすればいいのか」
を考えます。
模試は「判定」だけを見て終わらせない
高校生の秋の学習で、ぜひ見直してほしいのが模試です。
模試を受けると、
「A判定だった」
「C判定だった」
「偏差値が上がった」
「思ったより悪かった」
など、結果そのものが気になると思います。
もちろん、成績や判定を見ることも大切です。
しかし、それだけで終わってしまうと、模試を受けた意味を十分に活かせません。
大切なのは、
「なぜこの問題を間違えたのか」
を見ることです。
例えば英語なら、
- 単語を知らなかった
- 文法を間違えた
- 長文を読む時間が足りなかった
- 問題文の意味を取り違えた
など、間違いの原因はさまざまです。
数学なら、
- 公式を忘れていた
- 解法が思いつかなかった
- 計算ミスをした
- 問題文の条件を読み落とした
などが考えられます。
同じ「不正解」でも、必要な対策は違います。
だからこそ、
「何点だったか」だけでなく、「なぜ間違えたか」
を見ることが重要です。
間違えた問題は「自分の弱点を教えてくれる問題」
模試や問題集で間違えた問題は、できればそのままにしないようにしましょう。
なぜなら、間違えた問題には、
「今の自分に足りていないもの」
が表れているからです。
例えば、数学で同じ単元の問題を何度も間違えているなら、その単元は優先的に復習する必要があります。
英語で単語の意味が分からず文章を読めなかったなら、長文問題を大量に解く前に、語彙を見直したほうがよいかもしれません。
つまり、
苦手なところを見つけることは、勉強する場所を見つけること
でもあります。
「何を勉強したらいいか分からない」
という人ほど、模試や学校のテスト、問題集で間違えた問題を振り返ってみるとよいでしょう。
ポイント3 学年に合わせて「今やるべき勉強」を決める
高校生といっても、高1・高2・高3では、秋に取り組みたい勉強が同じではありません。
もちろん、学校や志望校、現在の学力によっても必要な勉強は変わります。
ただ、大まかな方向性を考えるなら、
高1は「学校の勉強を大切にする」
高2は「受験を意識した基礎固めを始める」
高3は「実践を増やしながら弱点を補強する」
という考え方ができます。
ここからは、学年ごとに見ていきましょう。
高校1年生の秋は「勉強の土台」を作る時期
高校1年生にとって、秋は高校生活にも少し慣れてくる時期です。
一方で、数学や英語などの学習内容が難しくなり、
「中学校のときは何となくできていたのに、高校では思ったように点数が取れない」
と感じることもあります。
ここで大切なのは、分からないところをそのままにしないことです。
高校の学習内容は、前に習った内容を使って次の内容を学ぶことが少なくありません。
例えば数学なら、以前の単元が十分に理解できていないまま次の単元に進むと、さらに分からなくなってしまうことがあります。
英語でも、単語や文法の理解が不十分なまま長文読解に進むと、文章そのものを読むことが難しくなります。
だからこそ高1の秋は、
「学校の授業についていく」
ことをまず大切にしましょう。
授業で分からなかったところをそのままにせず、できるだけ早く確認する。
テスト前だけ勉強するのではなく、普段から少しずつ復習する。
この習慣が、後の受験勉強にもつながります。
高校2年生の秋は「受験まであと1年」を意識する
高校2年生になると、大学受験を少しずつ現実的に考える時期になります。
特に秋以降は、
「どの大学を受験するのか」
「どの科目が必要なのか」
「今の自分に足りないものは何なのか」
を考えることが重要になります。
「受験勉強は高校3年生になってから始めればいい」
と考えている人もいるかもしれません。
しかし、高校3年生になってから、すべての科目をゼロから始めるのは大変です。
高2のうちに、
- 英単語
- 英文法
- 数学の基礎
- 国語の読解
- 理科・社会の基礎知識
などを少しずつ積み上げておけば、高3になってから演習に時間を使いやすくなります。
もちろん、高2の秋からいきなり受験生と同じような長時間の勉強をする必要があるわけではありません。
まずは、
「学校の勉強+受験を意識した基礎固め」
という形から始めてみましょう。
高校3年生の秋は「解く勉強」を増やしていく
高校3年生にとって、秋は受験までの時間が限られてくる時期です。
ここでは、「まだ基礎が足りないから」といって、インプットばかりを続けるのではなく、実際に問題を解くことも重要になります。
例えば、
参考書を読む
↓
理解したつもりになる
だけではなく、
問題を解く
↓
間違える
↓
原因を確認する
↓
必要な部分を復習する
↓
もう一度解く
というサイクルを作ります。
この繰り返しによって、自分が本当に理解できているのかを確認できます。
特に大学受験では、「知っている」ことと「問題を解ける」ことは同じではありません。
公式を覚えていても、その公式をどの場面で使うのか分からなければ、問題を解くことはできません。
英単語の意味を知っていても、長文の中でその単語が出てきたときに意味を取れなければ、読解にはつながりません。
だからこそ、秋からは、
「覚える」だけではなく「使う」
ことを意識してみましょう。
高3の秋、「過去問はまだ早い」と感じたら?
高校3年生からよくある悩みの一つが、
「まだ基礎が完璧じゃないから、過去問を解くのは早いのでは?」
というものです。
確かに、基礎がほとんど身についていない状態で難しい問題ばかりを解いても、十分な効果を得られない場合があります。
一方で、過去問や入試問題にまったく触れないまま勉強を続けるのも注意が必要です。
実際の入試問題を見ることで、
「この大学ではこういう問題が出るのか」
「この科目はここまでの知識が必要なのか」
「時間内に解くには、このくらいのスピードが必要なのか」
といったことが分かるからです。
そのため、
過去問を解く→自分の弱点を見つける→基礎に戻って復習する→再び問題を解く
という使い方もできます。
過去問は、「今の実力を合否判定するためだけのもの」ではありません。
これから何を勉強すればいいかを知るための材料
として使うこともできます。
ポイント4 1か月の計画より、まず1週間の計画を立てる
「10月は数学を頑張る」
「秋は英語を伸ばす」
このような目標を立てることは大切です。
しかし、それだけでは、今日何をすればいいのかが分かりません。
そこでおすすめなのが、1週間単位で勉強を考えることです。
例えば、
今週の目標
- 英単語を100語復習する
- 数学の○○単元を復習する
- 英文法を20ページ進める
- 模試の間違いを10問解き直す
というように、具体的にします。
さらに、
月曜日
英単語20分
数学40分
火曜日
英単語20分
英文法40分
水曜日
数学60分
というように、実際の生活に合わせて配置します。
ここで重要なのは、予定を詰め込みすぎないことです。
「できるか分からない計画」より「続けられる計画」
勉強計画を立てるとき、
「毎日3時間勉強する!」
「休日は8時間勉強する!」
という大きな目標を立てる人もいます。
もちろん、それを実行できるのであれば問題ありません。
しかし、最初から無理な計画を立てると、
予定通りにできない
↓
計画が崩れる
↓
やる気がなくなる
↓
さらに勉強しなくなる
ということがあります。
それよりも、
「平日は1~2時間を確実に確保する」
「休日はできる範囲でまとまった時間を作る」
など、自分の生活に合わせて続けられる計画を作るほうが大切です。
そして、1週間やってみて、
「この計画なら続けられた」
「ここは時間が足りなかった」
「この科目に時間をかけすぎた」
と振り返り、次の週に調整します。
勉強計画は、一度作ったら絶対に守らなければいけないものではありません。
実際にやってみて、修正していくもの
と考えてみましょう。
シルバーウィークは「勉強の遅れを全部取り戻す期間」にしない
9月下旬には、学校の予定によっては連休が続くこともあります。
こうしたまとまった休みがあると、
「この休みで夏休みの遅れを全部取り戻そう」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、ここでも無理は禁物です。
せっかくの連休だからと、
「朝6時に起きて、8時間勉強する」
「数学を一気に100ページ進める」
など、普段より極端に多い計画を立ててしまうと、途中で苦しくなる可能性があります。
そこで、連休は**「遅れを全部取り戻す期間」ではなく、「秋の勉強を立て直す期間」**と考えてみましょう。
例えば、
① 夏休みからの学習を振り返る
何ができたのか、何ができなかったのかを確認します。
② 苦手なところを3つ選ぶ
すべてを一度に解決しようとせず、優先順位をつけます。
③ 10月の学習計画を作る
学校や部活などの予定も考えながら、現実的な計画を立てます。
この3つを行うだけでも、連休の過ごし方は変わります。
ポイント5 勉強した時間ではなく、「できるようになったこと」を確認する
最後のポイントは、勉強の成果を「時間」だけで判断しないことです。
もちろん、勉強時間を記録することは、自分の学習習慣を確認するうえで役立ちます。
しかし、
「今日は3時間勉強した」
だけでは、
「その3時間で何ができるようになったのか」
までは分かりません。
例えば、
「英単語を50語覚えた」
「数学の問題を10問解いて、8問正解できた」
「先週間違えた問題を解けるようになった」
「英文を読むスピードが少し上がった」
など、具体的にできるようになったことを確認してみましょう。
こうした小さな変化を積み重ねることが、長い受験勉強では大切です。
「勉強したのに成績が上がらない」ときこそ、やり方を見直す
勉強を続けているのに、なかなか成績が上がらないこともあります。
そんなとき、
「自分は勉強しても無駄なのかな」
と考えてしまう必要はありません。
まずは、勉強のやり方を確認してみましょう。
例えば、
問題を解いて丸付けだけしていないか
間違えた問題を確認せず、次の問題へ進んでいないでしょうか。
得意科目ばかり勉強していないか
好きな科目は勉強しやすいため、つい時間を使いすぎることがあります。
インプットだけになっていないか
参考書を読む、授業動画を見る、まとめノートを作る。
これらも勉強ですが、それだけで「問題が解ける」ようになるとは限りません。
参考書を増やしすぎていないか
新しい参考書を買うこと自体が悪いわけではありません。
しかし、何冊も中途半端に進めるより、今使っている教材を繰り返すほうがよい場合もあります。
このように、
「勉強時間が足りない」のではなく、「勉強の使い方を見直したほうがよい」
というケースもあります。
秋は「全部やる」より「優先順位をつける」
高校生の勉強では、やるべきことがたくさんあります。
学校の課題。
定期テスト対策。
英単語。
数学。
英語長文。
模試の復習。
受験勉強。
部活動。
学校行事。
これらをすべて完璧にしようとすると、時間が足りなくなってしまいます。
そこで重要になるのが、優先順位です。
例えば、
今すぐやる必要があること
今週中にやること
余裕があればやること
に分けてみるだけでも、頭の中が整理されます。
「全部やらなければ」と考えるのではなく、
「今の自分にとって、一番必要な勉強は何か」
を考えてみましょう。
★秋の学習を立て直すためのチェックリスト
最後に、今の自分の勉強を振り返ってみましょう。
次の項目で、当てはまるものはいくつありますか?
□ 夏休みが終わってから、勉強時間が大きく減った
□ 学校が始まってから、勉強する時間が決まっていない
□ 夏休みに立てた計画が終わっていない
□ 何から勉強すればよいか分からない
□ 苦手科目を後回しにしている
□ 模試の結果を見て、判定だけを確認して終わっている
□ 間違えた問題を解き直していない
□ 参考書を買ったものの、最後まで使い切れていない
□ 勉強時間ばかり気にしている
□ 高校2年生だが、まだ受験を具体的に考えていない
□ 高校3年生だが、入試問題を解く時間が少ない
□ 10月からの勉強計画が決まっていない
もし複数当てはまったとしても、焦る必要はありません。
むしろ、今の時期に気づけたことが大切です。
9月下旬からでも、秋の勉強を立て直すことはできます。
まずは、
「今の自分に何ができていて、何が足りないのか」
を整理してみましょう。
そして、
「10月の1か月で何をするか」
を決める前に、
「まず今週、何をするか」
まで具体的にしてみてください。
秋の勉強は、「夏休みの続き」ではない
夏休みが終わったからといって、勉強が終わるわけではありません。
むしろ、学校生活の中でどのように勉強を続けていくかが、これから重要になってきます。
夏休みのように長い時間を使えなくても、
毎日少しずつ英単語を覚える。
学校で習った内容を復習する。
間違えた問題を解き直す。
苦手な単元を一つずつ克服する。
模試の結果から、自分の課題を見つける。
こうした積み重ねが、秋以降の学力につながっていきます。
特に大学受験を考えている高校生は、学年が上がるにつれて、求められる勉強の内容も変わっていきます。
だからこそ、
「周りがどれくらい勉強しているか」
だけを見るのではなく、
「自分は今、何を優先すべきなのか」
を考えることが大切です。
夏休みの計画通りに進まなかったとしても、それだけで秋のスタートに失敗したわけではありません。
9月下旬からでも、今の勉強を一度見直して、10月からの学習を組み立て直すことはできます。
秋は、これからの学習を見直すよいタイミングです。
まずは今日、机に向かう前に、
「今、自分が一番伸ばしたい科目は何か」
「そのために、今週何をするのか」
を考えてみるところから始めてみましょう。
小さな計画でも、実行して振り返り、また次の計画につなげていく。
その繰り返しが、これからの学習を少しずつ変えていきます。
秋からの勉強、具体的には何をすればいい?
ここまで、夏休みが終わった後に勉強がうまく進まなくなる理由や、秋の学習を立て直すための基本的な考え方について紹介してきました。
では、実際に9月下旬から10月にかけて、どのような勉強をしていけばよいのでしょうか。
ここからは、より具体的に、
- 高校1年生
- 高校2年生
- 高校3年生
- 英語・数学・国語などの科目別
- 部活動と勉強を両立したい場合
- 保護者ができるサポート
という視点から考えていきます。
もちろん、学校や志望大学、現在の学力によって必要な勉強は異なります。
そのため、ここで紹介する内容をそのまま全員が実行する必要はありません。
「自分の場合はどうだろう?」
と考えながら、必要なところを参考にしてみてください。
高校1年生|秋は「分からない」を残さないことから
高校1年生の秋は、大学受験までまだ時間があります。
そのため、
「受験勉強を始めないと遅い」
と焦る必要はありません。
むしろ、この時期に大切なのは、高校の学習内容をきちんと理解することです。
高校1年生で特に気をつけたいのが、
「授業では分かったつもりだけど、自分で問題を解くとできない」
という状態です。
授業中は先生の説明を聞いて、
「なるほど」
と思った。
しかし、家に帰って問題を解いてみると、
「どうやって解くんだっけ?」
となる。
これは珍しいことではありません。
だからこそ、授業を受けた後に、自分で問題を解いてみる時間を作りましょう。
高1の秋に意識したい3つのこと
1.学校の授業をその日のうちに振り返る
授業で習ったことを、その日のうちにもう一度確認してみましょう。
長時間の復習でなくても構いません。
「今日、数学では何を習ったか」
「英語ではどの文法を習ったか」
を確認するだけでも違います。
2.定期テスト前だけ勉強する習慣を変える
定期テスト前に集中して勉強することも必要ですが、テスト直前だけでは知識が定着しにくい場合があります。
普段から少しずつ復習しておけば、テスト前の負担も減らせます。
3.苦手科目を放置しない
「数学は苦手だけど、まだ高1だから大丈夫」
と考えていると、後になって取り戻すのが大変になることがあります。
分からないところが出てきたら、できるだけ早く確認しておきましょう。
高校2年生|「まだ2年生」から「もう2年生」へ
高校2年生は、秋からの過ごし方によって、その後の受験勉強が変わってくる時期です。
高校2年生の秋になると、
「大学受験はまだ先」
と思う人もいる一方で、
「そろそろ受験について考えないと」
と感じ始める人も増えてきます。
この時期に大切なのは、いきなり受験生と同じ勉強を始めることではありません。
まず、
「自分はどんな大学・学部を目指したいのか」
を少しずつ考えてみましょう。
まだ志望校が決まっていなくても構いません。
例えば、
「国公立大学に興味がある」
「福岡県内の大学を考えている」
「理系に進みたい」
「将来は医療系の仕事に興味がある」
など、大まかな方向性から考えてみるだけでも構いません。
目標が決まれば、必要な科目や勉強量も少しずつ見えてきます。
高2の秋は「基礎」を積み上げる
大学受験では、学校で習う内容が土台になります。
そのため高2の秋は、
- 英単語
- 英文法
- 数学の基本問題
- 国語の読解
- 理科・社会の基礎知識
などを少しずつ積み上げていくことが大切です。
例えば英語なら、
「単語を覚える」
だけで終わらず、
「覚えた単語が英文の中でどのように使われるのか」
まで確認していきます。
数学なら、
「公式を覚える」
だけではなく、
「どのような問題でその公式を使うのか」
を理解します。
こうした勉強を高2のうちから積み重ねておくと、高3になったときに問題演習へ移りやすくなります。
高校3年生|秋は「実践」を意識する
高校3年生にとって、9月以降は受験までの時間をより具体的に意識する時期です。
夏休みに基礎固めを進めた人は、秋から少しずつ問題演習を増やしていきましょう。
もちろん、まだ基礎に不安がある場合は、必要なところに戻って復習することも大切です。
ここで意識したいのが、
「基礎か応用か」の二択にしないこと
です。
例えば、
問題を解く
↓
間違える
↓
なぜ間違えたのか確認する
↓
必要な基礎に戻る
↓
もう一度問題を解く
という流れを作ります。
このように、秋の学習では、
問題演習と基礎復習を行ったり来たりする
ことが重要になります。
秋から意識したい「解く→直す→もう一度解く」
受験勉強では、問題を解くことそのものよりも、解いた後に何をするかが重要になることがあります。
例えば数学で10問解いて、5問間違えたとします。
ここで、
「5問も間違えた」
と落ち込んで終わるのではなく、
「なぜ5問間違えたのか」
を確認します。
- 公式を知らなかった
- 解き方が分からなかった
- 計算を間違えた
- 問題文を読み違えた
原因によって、その後の勉強方法は変わります。
公式を知らなかったなら覚える。
解法が分からなかったなら解説を理解する。
計算ミスなら途中式を丁寧に書く。
問題文の読み違いなら、条件を整理する練習をする。
このように、間違いを次の勉強につなげることが大切です。
科目別|秋からの勉強で意識したいこと
ここからは、科目ごとに秋の学習方法を考えてみましょう。
英語|「単語だけ」「長文だけ」に偏らない
英語は、単語・文法・英文解釈・長文読解など、複数の力が必要になります。
そのため、
「英語が苦手だから、とにかく長文を読む」
だけでは、なかなか改善しない場合があります。
長文を読んでいて、
「知らない単語が多すぎて読めない」
のであれば、まず語彙を増やす必要があります。
「単語は分かるけれど、文章の構造が分からない」
のであれば、文法や英文解釈を見直す必要があります。
「読めるけれど時間が足りない」
のであれば、読むスピードや問題演習を意識する必要があります。
つまり、
「英語が苦手」という一言で終わらせず、何が苦手なのかを細かく分ける
ことが大切です。
英単語は「一度覚えたら終わり」ではない
英単語の学習では、覚えたつもりになっている単語をもう一度確認することも重要です。
例えば、
1日目に100語覚える
↓
2日目に前日の100語を確認する
↓
1週間後にもう一度確認する
というように、繰り返し触れる機会を作ります。
「一度覚えたから次へ」
ではなく、
「忘れていないか確認する」
ことも勉強です。
数学|「分かった」と「解ける」を分けて考える
数学では、
「解説を読んだら分かった」
という状態と、
「何も見ずに自分で解ける」
という状態には差があります。
そのため、数学の勉強では、解説を読んで理解した後に、
「もう一度、自分だけで解けるか」
を確認してみましょう。
解説を読んだ直後は解けても、数日後には解けなくなっていることもあります。
そこで、
「翌日にもう一度解く」
「1週間後にもう一度解く」
など、時間を空けて確認するのも一つの方法です。
国語|「なんとなく読む」から卒業する
国語は、
「センスが必要な科目」
と思われることがあります。
しかし、大学受験の国語では、文章の構造を理解し、設問に対して根拠を持って答えることが重要です。
現代文なら、
- 筆者が何を主張しているのか
- その根拠はどこにあるのか
- 具体例と主張がどうつながっているか
などを意識して読んでみましょう。
「何となくこの選択肢かな」
ではなく、
「本文のどこからそう判断したのか」
を確認することが大切です。
理科・社会|「覚える」だけで終わらせない
理科や社会では、暗記が必要な内容も多くあります。
ただし、大学受験では、単純に用語を覚えているだけでは解けない問題もあります。
例えば、
「この用語は何を意味するのか」
「なぜこの出来事が起きたのか」
「前後の出来事とどうつながっているのか」
など、知識同士の関係を理解することも重要です。
暗記した後に問題を解き、
「実際に使える知識になっているか」
を確認しましょう。
部活動と勉強を両立する高校生へ
秋になると、部活動と勉強の両立に悩む高校生もいるでしょう。
特に運動部では、帰宅時間が遅くなり、
「家に帰ったら疲れて勉強できない」
ということもあります。
こうした場合、最初から長時間勉強しようとするのではなく、
「短時間でも毎日続ける」
ことを考えてみましょう。
例えば、
部活がある日
→ 英単語20分+学校の課題
部活がない日
→ 数学・英語などをまとまって勉強
休日
→ 苦手科目や演習に時間を使う
というように、曜日によって役割を変えます。
疲れている日に無理をしすぎない
部活動で疲れている日に、
「今日は3時間勉強しなければ」
と考えると、机に向かうこと自体が嫌になってしまうかもしれません。
そんな日は、
「英単語だけ」
「学校の課題だけ」
「数学を30分だけ」
と、最低限の勉強を決めておく方法もあります。
もちろん、休息が必要な場合はしっかり休むことも大切です。
勉強と部活動を両立するためには、
「毎日同じ量をやる」のではなく、「その日の状況に合わせて勉強量を調整する」
という考え方も必要です。
スマートフォンとの付き合い方も見直してみよう
「勉強しようと思って机に向かったのに、気づいたらスマートフォンを30分見ていた」
という経験がある人もいるかもしれません。
スマートフォンそのものが悪いわけではありません。
調べものをしたり、学習アプリを使ったり、授業動画を見たりと、勉強に役立つ場面もあります。
一方で、SNSや動画、ゲームなどに気を取られると、勉強時間が短くなってしまうことがあります。
そこで、
「勉強中はスマートフォンを別の場所に置く」
「タイマーを使って30分だけ集中する」
など、自分なりのルールを作ってみましょう。
大切なのは、
「スマートフォンを完全に禁止する」ことではなく、「勉強するときに勉強へ集中できる環境を作る」
ことです。
睡眠時間を削ってまで勉強しない
秋になると、勉強時間を増やそうとして睡眠時間を削る人もいます。
しかし、学校生活と受験勉強を両立するためには、体調管理も重要です。
「夜遅くまで勉強すること」そのものを目標にするのではなく、
日中の時間をどう使うか
を考えてみましょう。
例えば、
- 学校の休み時間
- 通学時間
- 帰宅後すぐの時間
- 夕食前の時間
- 休日の午前中
など、今まで何となく過ごしていた時間を見直すことで、勉強時間を作れることがあります。
保護者の方ができる「秋の学習サポート」
ここからは、保護者の方にもぜひ知っておいてほしいポイントです。
高校生の秋は、子ども本人が自分で勉強を管理する力を身につけていく時期でもあります。
そのため、
「勉強しなさい」
「今日は何時間勉強したの?」
と毎日確認するだけでは、本人が疲れてしまうこともあります。
もちろん、声をかけること自体が悪いわけではありません。
ただ、
「どれだけ勉強したか」だけではなく、「何を目標にしているか」
を聞いてみるのも一つの方法です。
例えば、
「今日は何時間勉強した?」
ではなく、
「今週は何をできるようにする予定なの?」
と聞いてみる。
すると、本人が自分の勉強について考えるきっかけになります。
「勉強しなさい」より「計画は決まっている?」
高校生本人が、
「何を勉強したらいいか分からない」
という状態なら、単純に「勉強しなさい」と言われても動きにくいことがあります。
その場合は、
「今週は何をする予定?」
「次のテストはいつ?」
「模試の結果で気になったところはある?」
など、具体的な話をしてみるとよいでしょう。
もちろん、最終的には本人が自分で考えて行動することが大切です。
保護者の方は、そのための環境を整えたり、必要なときに一緒に整理したりする役割を意識してみてください。
秋から塾を検討するときに考えたいこと
秋になって、
「一人では勉強計画を立てにくい」
「苦手科目をどう勉強したらいいか分からない」
「受験に向けて何から始めるべきか整理したい」
と感じる場合は、学校の先生や塾などに相談してみるのも一つの方法です。
塾を選ぶときも、
「授業時間が長いか」
「宿題が多いか」
だけを見るのではなく、
「自分の課題を整理して、次に何をすればいいのか分かるか」
という視点を持ってみましょう。
高校生の勉強では、学力や志望校だけでなく、部活動、学校行事、生活リズムなども一人ひとり違います。
そのため、自分の状況に合った学習方法を考えることが大切です。
秋の学習でよくある質問
最後に、秋の高校生からよく出てくる疑問についてまとめます。
Q1.夏休みにあまり勉強できませんでした。もう遅いですか?
夏休みに思うように勉強できなかったからといって、秋からの勉強を諦める必要はありません。
まずは、何ができなかったのかを整理しましょう。
「英単語が足りない」
「数学の基礎が不十分」
「勉強する習慣ができなかった」
など、原因を具体的にすると、これから何をすればよいかが見えてきます。
大切なのは、過去の勉強時間を後悔することではなく、
「ここから何をするか」
を考えることです。
Q2.高2ですが、まだ志望校が決まっていません。大丈夫ですか?
高校2年生の秋の時点で、志望校が完全に決まっていない人もいます。
まずは、
「興味のある学部」
「行ってみたい大学」
「将来やってみたいこと」
などから考えてみましょう。
志望校が決まっていなくても、英語や数学などの基礎学力を高めることはできます。
ただし、入試科目や受験方式によって必要な勉強は変わるため、興味のある大学が出てきたら、早めに入試科目などを確認しておくとよいでしょう。
Q3.高3ですが、まだ基礎が終わっていません。どうすればいいですか?
まず、すべての基礎を完璧にしようとするのではなく、
「入試に必要なところで、今特に弱い部分はどこか」
を確認してみましょう。
そのうえで、問題演習と基礎復習を並行します。
問題を解く
↓
弱点を見つける
↓
基礎に戻る
↓
もう一度解く
という流れを作ることで、必要な部分から補強していきましょう。
Q4.毎日何時間くらい勉強すればいいですか?
必要な勉強時間は、学年や志望校、現在の学力、学校や部活動の状況などによって異なります。
そのため、「高校生は毎日○時間」と一律に考えるより、
「自分に必要な勉強を、継続できる形で確保する」
ことを考えましょう。
特に学校がある平日は、睡眠時間や学校生活とのバランスも大切です。
Q5.勉強しているのに成績が上がりません。
まずは、
「どの科目が」
「どの分野で」
「どのような問題を間違えているのか」
を確認してみましょう。
成績が伸びない理由は、
- 知識が不足している
- 問題演習が足りない
- 解き方を理解できていない
- 時間配分に問題がある
- ケアレスミスが多い
など、人によって違います。
「もっと勉強する」だけではなく、
「今の勉強方法で、課題に合った対策ができているか」
を見直してみることが大切です。
まとめ|秋は、勉強を「立て直す」チャンス
夏休みが終わると、学校生活が始まり、夏休みのように自由に使える時間は少なくなります。
そのため、
「夏休みより勉強できていない」
「計画通りに進まない」
と焦ってしまう高校生もいるでしょう。
しかし、秋は決して「夏休みの遅れを取り戻すだけの時期」ではありません。
むしろ、
これからの勉強方法を見直すタイミング
と考えることができます。
今回紹介したポイントを、もう一度確認してみましょう。
1.夏休みと同じ計画を続けない
学校生活に合わせて、勉強時間と内容を組み直しましょう。
2.今の自分の「できていること・できていないこと」を整理する
模試やテスト、問題演習の結果から、自分の課題を見つけましょう。
3.学年に合わせて「今やるべき勉強」を決める
高1は学校の学習、高2は基礎固め、高3は実践と弱点補強など、学年に応じて優先順位を考えましょう。
4.1か月の計画より、まず1週間の計画を立てる
大きな目標を、今日・今週の具体的な行動まで落とし込みましょう。
5.勉強した時間ではなく、「できるようになったこと」を確認する
「何時間勉強したか」だけではなく、「何ができるようになったか」を振り返りましょう。
そして、秋の学習で忘れないでほしいのが、
「完璧な計画を作ること」より「続けられる計画を作ること」
です。
最初から完璧にできなくても構いません。
予定通りにいかなかったら、次の週に修正すればいい。
苦手なところが見つかったら、そこから勉強すればいい。
模試で思ったような結果が出なかったら、間違えた理由を確認すればいい。
そうやって、自分の勉強を少しずつ調整していくことが、秋以降の学習では大切です。
夏休みが終わってから、思うように勉強できていないと感じている人も、まずは今週の勉強から見直してみましょう。
「10月から頑張ろう」と先延ばしにするのではなく、
今日できることを一つ決める。
それだけでも、秋の学習は変わっていきます。
大学受験を考えている高校生なら、これから受験までの時間は少しずつ限られていきます。
だからこそ、周りの勉強時間だけを気にするのではなく、
「自分に今必要な勉強は何か」
を考えてみてください。
秋は、夏休みの終わりではありません。
これからの受験勉強を組み立て直す、新しいスタートの時期です。
まずは自分の今の学習状況を振り返り、10月に向けて、できることから一つずつ始めてみましょう。


