「夏休みは、普段より勉強する時間を増やしたはずなのに、夏休み明けから成績が思うように伸びない……」
「夏休みの間に苦手科目を頑張ったのに、学校が始まったら授業についていくのが大変そう……」
「夏休みが終わるけれど、2学期の勉強についていけるか心配……」
このように、夏休みが終わる頃になると、子どもの学習について不安を感じる保護者の方も少なくありません。
夏休みは、学校の授業が一度止まるため、これまでの学習内容を振り返ったり、苦手科目を集中的に勉強したりする絶好の機会です。
一方で、夏休みが終わって学校が再開すると、状況は大きく変わります。
朝から学校へ行き、授業を受け、宿題をこなし、部活動や習い事にも取り組む。そのうえで、家庭学習の時間も確保しなければなりません。
さらに、2学期は学習内容が難しくなる教科も多く、1学期までと同じ勉強の仕方では、思うように成果が出なくなることもあります。
しかし、ここで知っておきたいのは、夏休み明けに成績が下がる原因は、単純に「夏休みに勉強しなかったから」ではないということです。
夏休みに勉強したつもりでも、「分かった」だけで終わっていたり、1学期の苦手が残ったままになっていたりすると、2学期の学習でつまずく可能性があります。
また、夏休み中に生活リズムが崩れてしまい、学校再開後に集中して授業を受けられなくなることもあります。
そこでこの記事では、夏休み明けに成績が下がりやすい原因と、9月からの勉強で意識したいポイントについて詳しく解説します。
「夏休みに思ったように勉強できなかった」という人も、焦る必要はありません。
大切なのは、これから何をするかです。
2学期のスタートをきっかけに、今までの学習方法を見直してみましょう。
1.なぜ夏休み明けに成績が下がるの?
まず知っておきたいのが、「夏休みに勉強した量」と「夏休み明けの成績」が必ずしも比例するわけではないということです。
夏休み中に毎日長時間勉強していたとしても、その勉強が2学期の学習につながっていなければ、思ったような成果が出ないことがあります。
反対に、夏休みの勉強時間がそれほど多くなかったとしても、自分の苦手分野を把握し、必要な内容を重点的に復習できていれば、2学期の学習につながることもあります。
では、具体的にはどのような原因が考えられるのでしょうか。
原因① 夏休みの勉強が「分かった」で止まっている
夏休みの勉強で起こりやすいのが、
「勉強した」=「できるようになった」
と思ってしまうことです。
例えば、数学の問題集を解いていて、分からない問題の解説を読んだとします。
解説を読んで、
「なるほど、そういうことか」
と理解できれば、その時点では「分かった」と感じるでしょう。
しかし、時間を置いてから同じ問題をもう一度解いてみると、途中で手が止まってしまうことがあります。
これは、決して珍しいことではありません。
勉強において重要なのは、解説を読んで理解することだけではなく、何も見ずに自分の力で問題を解ける状態にすることです。
例えば、
- 解説を読めば理解できる
- 授業を聞けば理解できる
- 教科書を見れば答えが分かる
という状態と、
- 問題を見た瞬間に解き方を判断できる
- 自分で式を立てられる
- 最後まで自力で答えを出せる
という状態には、大きな違いがあります。
特に数学や英語などの積み上げ型の教科では、「分かったつもり」の状態が残っていると、2学期の新しい単元でつまずきやすくなります。
そのため、夏休みの終わりには、
「この問題を自分一人で解けるか?」
という視点で、もう一度確認してみることが大切です。
原因② 夏休み中に生活リズムが崩れている
夏休みは、学校がある時期と比べて自由な時間が増えます。
そのため、
「少しくらい夜更かししても大丈夫」
「朝は学校がないから、ゆっくり起きよう」
と考え、少しずつ生活リズムが変わってしまうことがあります。
例えば、
- 夜遅くまでスマートフォンを使う
- 寝る時間が遅くなる
- 起床時間が遅くなる
- 朝食を食べない日が増える
- 勉強する時間が日によって大きく変わる
といった状態です。
夏休み中は問題なく過ごしていたとしても、学校が始まると朝から授業があります。
生活リズムが戻っていない状態で学校生活が始まると、授業中に眠くなったり、集中力が続かなかったりする可能性があります。
すると、家庭で勉強する以前に、学校の授業で新しい内容を十分に理解できないという問題につながります。
学校の授業で理解できなかった部分を家庭学習で補う必要が出てくるため、結果として勉強の負担も大きくなります。
だからこそ、学校が始まる前後は、勉強時間だけでなく生活リズムそのものを整えることも大切です。
原因③ 1学期の苦手が残ったままになっている
夏休みは、苦手科目や苦手単元を克服するチャンスです。
しかし、夏休みが終わったからといって、すべての苦手が自然になくなるわけではありません。
例えば数学で、
「計算はできるけれど文章題になると分からない」
「方程式はできるけれど、関数になると難しい」
というように、本人は「数学が苦手」と感じていても、実際には特定の単元や問題形式につまずいていることがあります。
英語でも、
「単語が覚えられていない」
「英文法があいまい」
「長文になると読めない」
など、原因はさまざまです。
ここで重要なのは、「苦手科目」を大きなくくりで考えないことです。
「数学が苦手だから数学をたくさん勉強する」だけでは、効率的とは限りません。
どこでつまずいているのかを具体的に把握し、
「この単元を理解するためには、前の単元のこの部分を復習する必要がある」
というように、必要なところまで戻って学習することが重要です。
特に数学や英語は、前の単元の理解が次の単元の土台になります。
そのため、1学期の苦手をそのままにして2学期の学習を進めると、授業が進むほど「分からない」が増えてしまうことがあります。
原因④ 2学期から学習内容が難しくなる
「1学期はそれほど困っていなかったのに、2学期になったら急に勉強が難しくなった」
このように感じる生徒もいます。
もちろん、学校や学年によって学習内容は異なりますが、2学期は学習内容が複雑になったり、1学期までの知識を使って考える問題が増えたりすることがあります。
特に数学では、単純な計算だけではなく、複数の知識を組み合わせて解く問題が増えることがあります。
英語でも、単語や文法を覚えるだけではなく、長い英文を読んだり、文章全体の内容を理解したりする力が求められるようになります。
高校生の場合は、学年が上がるほど学習内容が専門的になり、受験を意識した勉強も必要になってきます。
そのため、
「1学期と同じ勉強方法を続ければ、2学期も大丈夫」
とは限りません。
2学期に入ったら、現在の学習状況に合わせて勉強方法を見直すことも必要です。
原因⑤ 「勉強時間」だけを増やしている
成績を上げたいと思ったとき、多くの人が最初に考えるのが「勉強時間を増やすこと」です。
もちろん、一定の学習時間を確保することは大切です。
しかし、勉強時間を増やすだけでは、必ずしも成績が上がるとは限りません。
例えば、
「毎日2時間勉強する」
という目標を立てたとしても、その2時間で何をするのかが決まっていなければ、学習内容に偏りが出る可能性があります。
得意な数学ばかり勉強して、苦手な英語を後回しにする。
問題集を何ページ進めるかだけを気にして、間違えた問題を解き直さない。
机には向かっているものの、スマートフォンを見ている時間が長くなってしまう。
こうした状態では、勉強時間の割に成果が出にくくなります。
大切なのは、
「何時間勉強したか」だけではなく、「何ができるようになったか」
を見ることです。
例えば、
「今日は2時間勉強した」
ではなく、
「数学の方程式の文章題を10問解き、そのうち8問を自力で解けるようになった」
「英単語を50個覚え、翌日に40個以上思い出せた」
というように、学習の成果を具体的に確認することが重要です。
2.9月からの勉強で意識したい5つのこと
では、ここからは具体的に、9月からどのような勉強を意識すればよいのかを見ていきましょう。
夏休みの終わりから2学期の始まりは、学習習慣を立て直す絶好のタイミングです。
「夏休みにあまり勉強できなかった」
「計画通りに進まなかった」
という人も、ここからの取り組み方を変えていけば問題ありません。
特に意識したいのは、次の5つです。
- 夏休みの「分かった」を「できる」に変える
- 1学期の苦手を放置しない
- 学校の授業を「受けるだけ」にしない
- 9月の学習計画を立て直す
- 「できていないところ」を自分で見つける
一つずつ詳しく見ていきましょう。
① 夏休みの「分かった」を「できる」に変える
9月からの勉強で最初に意識したいのが、
「分かった」で終わらせず、「できる」まで確認することです。
夏休みに取り組んだ問題集や学校の宿題を、もう一度すべて最初からやり直す必要はありません。
むしろ重要なのは、間違えた問題や、解くときに迷った問題をもう一度確認することです。
例えば数学なら、
STEP1 もう一度、自力で解いてみる
解説や教科書を見ずに、まず自分の力で解いてみます。
STEP2 間違えた原因を確認する
単純な計算ミスなのか、公式を理解していないのか、そもそも問題の意味を理解できていないのかを確認します。
STEP3 解説を確認する
分からなかった部分を解説や教科書で確認します。
STEP4 時間を置いてもう一度解く
ここが重要です。
解説を読んですぐに解けても、それだけでは本当に身についているか分かりません。
翌日や数日後に、もう一度何も見ずに解いてみましょう。
そこで自力で解ければ、「分かった」から「できる」に近づいていると考えられます。
これは英語の文法問題や理科・社会の一問一答などでも同じです。
「見れば分かる」から「見なくてもできる」へ。
この意識を持つだけでも、夏休みの勉強を2学期の成績につなげやすくなります。
② 1学期の苦手を放置しない
2つ目は、1学期の苦手をそのままにしないことです。
「もう2学期だから、1学期の内容を復習している場合ではない」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、2学期の学習に必要な内容であれば、今からでも確認する価値があります。
例えば、数学で新しい単元を学習するときに、以前の単元の知識が必要になることがあります。
そのとき、
「今やっている問題が分からない」
と感じても、原因は現在の単元ではなく、前に学習した内容にあるかもしれません。
例えば、
現在の単元が分からない
↓
前の単元の知識が必要
↓
さらにその前の基礎があいまい
というように、つまずきがさかのぼっているケースもあります。
だからこそ、「数学が苦手」「英語が苦手」と大きく考えるのではなく、
「どこから分からなくなったのか」
を確認することが大切です。
もし自分で原因を見つけられない場合は、先生や塾の先生などに、
「この問題のどこから分からなくなっていますか?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
苦手を放置するのではなく、必要なところまで戻って確認する。
これが2学期の学習をスムーズに進めるための重要なポイントです。
③ 学校の授業を「受けるだけ」にしない
学校が始まると、毎日の授業が学習の中心になります。
そこで意識したいのが、
「授業を受けること」と「授業内容を身につけること」は同じではない
ということです。
授業中は分かったと思っていても、家に帰って問題を解こうとすると解けないことがあります。
逆に、授業中に少し分からなかった部分でも、その日のうちに復習すれば理解できることもあります。
そこでおすすめなのが、
「その日のうちに少しだけ振り返る」
という習慣です。
例えば、
- 今日の授業で何を習ったか確認する
- 授業中に分からなかったところを見る
- 問題を1~2問解いてみる
- 英単語や公式を確認する
など、短時間でも構いません。
重要なのは、授業と家庭学習を別々のものにしないことです。
学校で習ったことを、その日のうちにもう一度思い出す。
この小さな積み重ねが、後から大きな差につながります。
特に2学期は学習内容が増えていくため、「分からないけれど、とりあえず次へ進む」という状態をできるだけ作らないことが大切です。
④ 9月の学習計画を立て直す
4つ目に意識したいのが、9月の学習計画を立て直すことです。
夏休み中は、学校の授業がないため、比較的自由に勉強時間を確保できます。
しかし、学校が始まると状況は大きく変わります。
朝から学校へ行き、授業を受け、学校の宿題に取り組み、部活動や習い事がある場合は、その時間も必要です。
夏休みと同じ感覚で学習計画を立ててしまうと、
「計画では毎日3時間勉強することになっているけれど、実際にはそんな時間が取れない」
ということになりかねません。
そこで、9月からは**「実際に続けられる学習計画」を作ること**が重要です。
「毎日○時間」だけで計画しない
学習計画というと、
「平日は2時間勉強する」
「休日は5時間勉強する」
というように、時間を決めることを考える人も多いでしょう。
もちろん、学習時間を確保することは大切です。
しかし、それだけでは「何を勉強するのか」が曖昧になってしまいます。
例えば、
「今日は2時間勉強する」
という目標よりも、
「数学の学校ワークを5ページ進める」
「英単語を30個覚える」
「昨日の数学の授業内容を復習する」
というように、具体的な行動まで決めるほうが、取り組みやすくなります。
さらに、
「何ページ進めるか」
だけでなく、
「何ができるようになれば終わりなのか」
まで決められると、より効果的です。
例えば、
「英単語を30個勉強する」
ではなく、
「英単語30個を覚えて、最後に何も見ずにテストして25個以上正解する」
という目標にします。
これなら、単に30個を眺めただけで「勉強した」とするのではなく、実際に覚えられたかどうかまで確認できます。
9月は「週単位」で計画を考える
学校が始まった後は、毎日の予定が変わることもあります。
部活動が長い日もあれば、学校の宿題が多い日もあるでしょう。
そのため、9月からは「1日単位」の計画だけでなく、1週間単位で学習量を調整することがおすすめです。
例えば、
「今週は数学の○○まで終わらせる」
「英単語を100個覚える」
「学校ワークを○ページ進める」
といった目標を立てます。
そして、週末に、
「予定通り進んだか」
「できなかったことは何か」
「来週は何を調整するか」
を振り返ります。
計画は、一度作ったら絶対に変更してはいけないものではありません。
むしろ、実際の生活に合わせて修正しながら使うものです。
⑤ 「できていないところ」を自分で見つける
5つ目は、自分の学習状況を正しく把握することです。
成績を上げるためには、「何を勉強するか」だけでなく、
「自分は何ができていないのか」
を知る必要があります。
例えば、
「数学が苦手です」
という生徒がいたとします。
しかし、「数学が苦手」というだけでは、具体的な対策を立てることができません。
実際には、
- 計算はできる
- 文章題になると分からない
- 関数のグラフが苦手
- 公式は覚えているけれど使い方が分からない
- ケアレスミスが多い
など、原因はさまざまです。
「数学が苦手」という結果だけを見るのではなく、なぜ苦手なのかまで掘り下げる必要があります。
間違えた問題を「なぜ間違えたか」まで確認する
問題を間違えたとき、
「答えは○○だった」
だけで終わらせないことが大切です。
例えば数学なら、
「計算ミスだった」
「公式を忘れていた」
「問題文の意味を読み違えた」
「解き方が分からなかった」
など、間違えた理由を考えてみましょう。
英語なら、
「単語の意味が分からなかった」
「文法が分からなかった」
「英文の構造が分からなかった」
などがあります。
こうした原因が分かれば、次にやるべき勉強も変わってきます。
「できる問題」と「できない問題」を分ける
すべての問題を同じように勉強する必要はありません。
例えば、
- ◎:自力で解ける
- ○:少し迷うが解ける
- △:解説を見れば分かる
- ×:解説を見ても分からない
というように、自分なりに分類してみるのもおすすめです。
特に重点的に取り組みたいのは、「△」や「×」の問題です。
一方で、「◎」の問題に何度も時間をかけすぎる必要はありません。
このように、自分の現在地を把握してから勉強することで、限られた時間をより有効に使えるようになります。
3.【学年別】9月から特に意識したい勉強法
ここまで、学年に関係なく重要なポイントについて説明しました。
しかし、実際には中学生と高校生では、9月から意識したいことが少しずつ異なります。
ここでは、それぞれの学年で意識したいポイントを見ていきましょう。
中学生|2学期の定期テストを意識する
中学生にとって、2学期は定期テスト対策が重要になります。
夏休みが終わったばかりだからといって、
「テストはまだ先だから大丈夫」
と考えていると、気がついたときにはテスト直前になってしまうことがあります。
特に、学校のワークや提出物が多い場合は、直前にまとめて取り組むと負担が大きくなります。
そこで、学校の授業が始まったら、
「授業で習った範囲を少しずつ復習する」
ことを意識しましょう。
例えば、数学の授業で新しい単元を習ったら、その日のうちに学校ワークの該当部分を少し解いてみます。
分からない問題があれば、そのままにせず、先生に質問したり、教科書を確認したりします。
こうしておけば、定期テスト前に大量の範囲を一気に復習する必要がなくなります。
中学生は「英語・数学」を特に大切に
中学校の英語や数学は、前の単元の理解が次の学習につながりやすい教科です。
例えば英語なら、
単語・文法の基礎
↓
英文を読む
↓
長文を読む
↓
文章の内容を理解する
というように、基礎が土台になります。
数学でも、
計算
↓
方程式
↓
関数
↓
図形・応用問題
など、学習内容がつながっています。
そのため、9月から「何となく分からない」と感じる場合は、今の単元だけではなく、以前の内容まで確認してみることが重要です。
高校1年生|高校の学習ペースを確立する
高校1年生は、9月以降の学習習慣が非常に重要です。
中学校と高校では、学習内容だけでなく、授業のスピードや家庭学習の量も大きく変わります。
中学校では、
「テスト前に勉強すれば何とかなる」
という経験をしてきた人もいるかもしれません。
しかし、高校では学習範囲が広く、テスト前だけで一気に覚えることが難しくなる場合があります。
そこで高校1年生は、
「普段から少しずつ勉強する習慣」
を作ることが大切です。
特に英語と数学は、分からないところを放置すると後から取り戻すのが大変になります。
「授業についていけているから大丈夫」ではなく、
「授業で習ったことを自分でも解けるか」
まで確認するようにしましょう。
高校2年生|受験を見据えた基礎固めを始める
高校2年生になると、大学受験を意識する機会も増えてきます。
もちろん、9月からいきなり受験問題ばかりを解く必要はありません。
むしろ重要なのは、受験学年になる前に基礎を固めておくことです。
例えば、
「英単語があいまい」
「数学の基本問題でも時間がかかる」
「古文単語を覚えていない」
という状態なら、今のうちに基礎を固めておく必要があります。
高校3年生になってから基礎をすべてやり直すと、志望校対策や入試演習に使える時間が減ってしまいます。
そのため高校2年生は、9月から、
「今のうちに何を終わらせておくべきか」
を考えてみましょう。
高校3年生|「勉強時間」より「入試までの残り時間」を意識する
高校3年生にとって、9月は受験勉強の大きな転換点です。
夏休みまでは基礎固めを中心に取り組んでいた人も、ここからは志望校や入試方式に合わせた実戦的な学習が重要になります。
ただし、
「9月になったから、すぐに過去問を大量に解かなければならない」
というわけではありません。
大切なのは、
志望校合格までに何が必要なのかを逆算すること
です。
例えば、
- 共通テストでどのくらいの得点が必要なのか
- 志望大学の個別試験では何が出題されるのか
- 現在の自分の得点との差はどのくらいあるのか
- どの科目・単元を優先して伸ばす必要があるのか
を整理します。
そして、
「今は何をするべきなのか」
を具体化します。
高校3年生の場合は、単純に「毎日○時間勉強する」という目標だけではなく、入試本番から逆算した学習計画を立てることが重要です。
4.夏休み明けにやってはいけない5つの勉強法
ここまで、9月から意識したい勉強について説明しました。
ここからは反対に、夏休み明けにやってしまいがちな「もったいない勉強法」について見ていきます。
NG① とにかく勉強時間だけを増やす
「成績を上げるために、今日から毎日3時間勉強する!」
と意気込むこと自体は悪くありません。
しかし、最初から無理な計画を立てると、数日で続かなくなる可能性があります。
大切なのは、無理なく継続できる学習量から始めることです。
NG② 1学期の内容を最初から全部やり直す
苦手を復習することは大切ですが、1学期の内容をすべて最初からやり直す必要があるとは限りません。
2学期の学習に必要な部分を見極めて、優先順位をつけましょう。
「戻ること」は大切ですが、戻りすぎないことも大切です。
NG③ 得意科目ばかり勉強する
得意科目は問題を解いていて楽しいため、つい勉強時間が増えがちです。
しかし、成績を伸ばすためには、苦手科目への取り組みも必要です。
特に、苦手科目を「嫌いだから」という理由だけで避けていると、後からさらに差が広がることがあります。
NG④ 問題集を「進めること」だけが目的になる
「今日は10ページ進めた!」
という達成感はあります。
しかし、10ページ進めたとしても、間違えた問題をそのままにしていたら、本当の意味で理解したとは言えません。
問題集は、
「何ページ進んだか」ではなく、「何ができるようになったか」
を見ることが大切です。
NG⑤ 計画を細かく作りすぎる
学習計画を作ることは大切ですが、計画通りにいかなかったときに、
「自分は勉強が続かない」
と落ち込んでしまう必要はありません。
学校生活では予定外のことも起こります。
大切なのは、計画を完璧に守ることではなく、状況に合わせて計画を修正することです。
5.夏休みが終わる前に、今からできること
8月後半になると、
「もう夏休みも終わるし、今さら何をしても遅いのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。
むしろ、学校が始まる直前の今だからこそできる準備があります。
まずは、次のことを確認してみましょう。
① 夏休みの宿題を終わらせる
まずは学校の課題を確認しましょう。
まだ終わっていない場合は、残っている量を具体的に把握します。
「まだ結構残っている」
ではなく、
「数学が5ページ、英語が3ページ、読書感想文が残っている」
というように、具体的に書き出します。
残り日数で割れば、1日に必要な量も見えてきます。
② 生活リズムを学校モードに戻す
学校が始まってから急に戻すのではなく、できるだけ早く起床・就寝時間を整えておきましょう。
特に、
「朝起きられるか」
は重要です。
朝起きる時間を学校がある日の時間に近づけるだけでも、学校再開後の負担を減らせます。
③ 1学期の苦手を3つだけ書き出す
すべての苦手を一気に克服しようとする必要はありません。
まずは、
「数学の関数」
「英語の文法」
「理科の○○」
など、特に不安なものを3つ程度書き出してみましょう。
そのうえで、
「この中で、2学期の学習に特に影響しそうなのはどれか?」
を考えます。
優先順位をつけることで、何から始めればよいのかが見えやすくなります。
④ 夏休みに勉強した内容を確認する
夏休みに頑張って勉強した人は、
「何を勉強したか」
だけでなく、
「何ができるようになったか」
を確認してみましょう。
問題集を見て、
「これは解ける」
「これはまだ不安」
と分けていくだけでも、自分の理解度が見えてきます。
⑤ 9月の目標を1つ決める
最後に、9月の目標を1つ決めてみましょう。
例えば、
「数学のテストで80点以上取る」
「英単語を毎日30個覚える」
「学校の授業で分からないところをそのままにしない」
などです。
目標は、できるだけ具体的にしましょう。
6.保護者ができる「夏休み明け」のサポート
ここまでは、生徒本人が取り組む内容について説明してきました。
では、保護者はどのようなサポートができるのでしょうか。
実は、夏休み明けの時期は、保護者の声かけも重要です。
ただし、
「夏休み、結局ちゃんと勉強したの?」
「2学期はちゃんと勉強しなさいよ」
といった声かけばかりになってしまうと、子どもがプレッシャーを感じてしまうこともあります。
そこで、まずは一緒に現状を確認することから始めてみましょう。
「勉強しなさい」より「何が大変?」
例えば、
「2学期の勉強で不安な教科はある?」
「夏休みの勉強で、分からないままになっているところはある?」
と聞いてみます。
「勉強しなさい」という言葉だけでは、子ども自身が何をすればいいのか分からないことがあります。
一方で、
「数学のどこが一番難しい?」
と具体的に聞けば、本人も自分の状況を整理しやすくなります。
勉強時間だけで評価しない
「今日は何時間勉強した?」
という確認だけではなく、
「今日は何ができるようになった?」
と聞いてみるのもおすすめです。
勉強時間が短くても、苦手な問題を一つ克服できたのであれば、それは大きな前進です。
逆に、長時間机に向かっていても、何も身についていない場合もあります。
だからこそ、時間だけではなく学習の中身を見ることが大切です。
7.「何を勉強すればいいか分からない」ときは?
ここまで読んで、
「やるべきことは分かったけれど、うちの子の場合、具体的に何を勉強すればいいのか分からない」
と感じる方もいるかもしれません。
実際、学習で難しいのは「勉強すること」そのものより、
「今の自分に必要な勉強を判断すること」
です。
例えば、
「数学の成績が下がった」
という場合でも、原因は一人ひとり違います。
計算力が不足しているのかもしれません。
基礎問題は解けるけれど、応用問題になると解けないのかもしれません。
そもそも、前の単元の理解が不足している可能性もあります。
つまり、
「成績を上げるために数学を勉強する」
だけではなく、
「数学のどこを勉強すれば成績につながるのか」
まで考える必要があります。
これは英語でも国語でも同じです。
8.一人ひとりに必要な勉強は違う
同じ学年、同じ学校、同じテストを受けていても、必要な勉強は同じではありません。
例えば、同じ「英語が苦手」という生徒でも、
Aさんは英単語が不足している。
Bさんは文法が苦手。
Cさんは文法は分かるけれど長文が読めない。
Dさんは知識はあるけれど、問題を解くスピードが遅い。
というように、それぞれ課題が違います。
そのため、全員が同じ問題集を同じペースで進めれば成績が上がるとは限りません。
重要なのは、
「今の自分に必要な内容を、必要な順番で学習すること」
です。
9.2学期からの学習を立て直すなら、まず「現在地」を確認しよう
夏休み明けに成績を伸ばすために、最初にやってほしいこと。
それは、
「今、自分がどこまでできているのか」を確認すること
です。
夏休みにどれだけ勉強したか。
何時間机に向かったか。
何ページ問題集を進めたか。
もちろん、これらも大切です。
しかし、それ以上に、
「今、何ができるのか」
「何ができないのか」
「どこから分からなくなったのか」
を知ることが重要です。
現在地が分かれば、次に進む方向も決めやすくなります。
逆に現在地が分からないまま、
「とりあえず勉強時間を増やそう」
「とりあえず問題集を進めよう」
としてしまうと、努力が成果につながりにくくなることがあります。
10.夏休みに思うように勉強できなかった人も、ここから変えられる
ここまで読んで、
「夏休み、あまり勉強できなかった……」
と感じている人もいるかもしれません。
しかし、夏休みが終わることを必要以上に悲観する必要はありません。
夏休みの過ごし方を振り返ることは大切ですが、もっと大切なのは、2学期をどう過ごすかです。
夏休みに計画通り勉強できなかったとしても、
9月から学習習慣を作る。
分からないところを放置しない。
学校の授業を大切にする。
苦手なところを一つずつ克服する。
こうした取り組みを続けることで、これからの学習を変えていくことはできます。
むしろ、
「夏休みは思ったようにできなかったから、2学期から変えよう」
と切り替えることが大切です。
11.まとめ|夏休み明けの成績を左右するのは「これからの勉強」
夏休み明けに成績が下がる原因は、単純に「夏休みに勉強しなかったから」だけではありません。
夏休み中の学習が「分かった」で止まっていたり、1学期の苦手が残ったままだったり、生活リズムが崩れていたりすることも原因になります。
また、2学期から学習内容が難しくなることで、これまでと同じ勉強方法では対応しにくくなることもあります。
だからこそ、9月からは次の5つを意識してみましょう。
9月から意識したい5つのこと
① 夏休みの「分かった」を「できる」に変える
② 1学期の苦手を放置しない
③ 学校の授業を「受けるだけ」にしない
④ 9月の学習計画を立て直す
⑤ 「できていないところ」を自分で見つける
特に大切なのは、
「どれだけ勉強したか」だけではなく、「何ができるようになったか」を見ることです。
夏休みが終わるこの時期は、これまでの学習を振り返り、2学期の学習方法を見直す良いタイミングです。
「夏休みはあまり勉強できなかった」
「勉強しているのに成績が上がらない」
「2学期から何をすればいいのか分からない」
という場合も、焦って勉強時間だけを増やす必要はありません。
まずは、
今、自分は何ができていて、何ができていないのか。
そこを確認するところから始めてみましょう。
そして、必要なところから一つずつ取り組んでいく。
その積み重ねが、2学期の成績につながっていきます。
2学期からの学習を変えたいなら、今の学習状況を見直してみませんか?
「何を勉強すればいいのか分からない」
「家ではなかなか勉強が続かない」
「苦手なところをどうやって克服すればいいか分からない」
「2学期から学習習慣を立て直したい」
このような悩みがある場合は、まず現在の学習状況を整理してみることが大切です。
同じ学年、同じ教科であっても、つまずいているポイントは一人ひとり異なります。
だからこそ、
「今、何を勉強するべきなのか」
を明確にすることが、2学期の学習をスタートする第一歩になります。
夏休みが終わる今。
「また2学期も同じように勉強する」のではなく、今の自分に合った学習方法を考えてみませんか。
2学期は、ここから始まります。


