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「個別指導のメリットとデメリットを本音で解説!子どもに合う塾の見極め方とは」

「個別指導のメリットとデメリットを本音で解説!子どもに合う塾の見極め方とは」

1. はじめに:個別指導の重要性

お子さまの学習において、「どの塾が合っているのか」「集団と個別、どちらがいいのか」と悩んだことはありませんか?教育の選択肢が増えた現代、塾選びは一層難しくなっています。その中でも、今あらためて注目されているのが「個別指導」という学びのスタイルです。

昔ながらの塾といえば、同じ学年の生徒が同じ教室で同じ内容を一斉に学ぶ“集団授業”が主流でした。しかし最近では、子ども一人ひとりの学力差や性格、学習ペースに対応できる「個別指導」の人気が高まっています。集団授業ではカバーしきれない部分を、オーダーメイドの形でサポートできるのが個別指導の大きな魅力です。

子どもたちを取り巻く学習環境は、以前に比べて非常に複雑になっています。学校の授業スピードは早まり、定期テストの内容も難化。加えて、高校・大学入試では「思考力」や「表現力」など、単なる知識以上の力が求められるようになってきました。そんな中で、子ども全員が同じペースで学ぶことにはどうしても限界があります。

たとえば、算数が得意だけど国語が苦手なお子さんがいたとします。集団授業では全教科を同じペースで進めるため、得意な教科では退屈になり、苦手な教科ではついていけなくなってしまう可能性も。一方、個別指導であれば、その子の得意・不得意に合わせてカリキュラムを調整できるので、無駄がなく、効率的な学習が可能になります。

また、最近では「不登校の経験がある」「自信を失っている」「集中力が続かない」など、学習以前に心のケアが必要なお子さんも少なくありません。こうしたケースにも、個別指導は柔軟に対応できます。講師が一対一、もしくは少人数でしっかりと寄り添いながら進めることで、学力だけでなく“学ぶ姿勢”そのものを育てることができます。

さらに、子どもたちの性格も多様です。「質問したいけれど、大勢の前では恥ずかしい」「わからないと言い出せない」と感じてしまう子もいます。個別指導では、そうした小さなサインにも講師が気づきやすく、声をかけたり、内容をかみ砕いて説明したりといった、きめ細かい対応が可能になります。

もちろん、すべての子どもに個別指導が最適というわけではありません。集団の中で競い合うことでモチベーションが上がるタイプの子もいれば、黙々と一人で進める方が合っている子もいます。しかし、学習に不安を抱えていたり、今の学び方が合っていないと感じていたりするなら、一度個別指導という選択肢を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

塾や予備校の本来の役割は、単に知識を詰め込むことではなく、「その子らしい学び方」で学力を伸ばすことです。個別指導は、その本質にもっとも近い学習形態の一つだといえるかもしれません。お子さまの性格や現在の学習状況、将来の目標を見据えたうえで、どのような学びが最適なのか。まずは個別指導の可能性を知ることから、塾選びを始めてみてはいかがでしょうか。

2. 個別指導と集団授業の違い

お子さまの塾選びをする際に、まず最初にぶつかるのが「個別指導がいいのか、それとも集団授業が合っているのか?」という疑問ではないでしょうか。この二つの指導スタイルは、それぞれに特徴があり、お子さまの性格や目的によって向き・不向きが異なります。ここでは、その違いをわかりやすく解説していきます。

まず「集団授業」とは、学校の授業と同じように、複数の生徒が一斉に同じ内容を学ぶスタイルです。塾によっては10人程度の少人数制から、30人以上の大人数クラスまで規模はさまざまですが、基本的には講師が前に立ち、全体に向けて講義を進めていきます。

集団授業のメリットは、大きく分けて以下の3つです。

1つ目は、「競争意識が育つこと」。周囲の仲間と一緒に学ぶことで、自然と「自分も頑張ろう」という気持ちが湧きやすくなります。特に負けず嫌いなお子さんや、周囲の影響を受けやすいタイプの子には効果的です。

2つ目は、「学費が比較的抑えられること」。講師1人が複数の生徒を教えるため、授業料は個別指導に比べてリーズナブルな場合が多く、家計にとっても選びやすい選択肢となります。

3つ目は、「一定のペースで学習が進むこと」。学年や進度に応じたカリキュラムが組まれているため、学校と同じような感覚で授業を受けられます。

一方、「個別指導」は、講師1人に対して生徒1人~2人の少人数で進められるスタイルです。生徒の学力や理解度に応じて授業内容や進め方を調整できるため、非常に柔軟性があります。

個別指導の最大のメリットは、「学習内容をオーダーメイドできること」です。たとえば数学だけを重点的に教えてもらいたい、英語の文法が苦手だからそこだけじっくりやりたい――といった要望にも対応できます。集団授業ではなかなか難しい「本人の苦手に特化した指導」ができるのは、大きな強みです。

さらに、「わからないことをその場ですぐに質問できる」というのも個別指導ならではの良さです。集団授業では、「質問したいけど、恥ずかしくてできない」というお子さんも少なくありません。しかし個別指導なら、講師との距離も近く、リラックスした環境の中で学べるため、自然と質問しやすくなります。

また、講師が一人ひとりの学習状況を細かく把握しているので、「何ができていて、どこでつまずいているか」が明確です。こうした情報を元に、日々の授業内容も柔軟に調整できるため、効率よく成績アップを狙えるのです。

もちろん、個別指導にもデメリットはあります。たとえば、同じ教科でも講師によって教え方に差が出ることもあり、塾全体としてのカリキュラムの一貫性が保ちづらい場合もあります。また、授業料は集団授業より高めになる傾向があります。

このように、個別指導と集団授業は、どちらが「優れている」ということではなく、「お子さまにどちらが合っているか」が何より大切です。

もしお子さんが「自分のペースでじっくり学びたい」「今の授業スピードについていけない」と感じているようであれば、個別指導がフィットするかもしれません。逆に、「周りの友達と一緒に頑張りたい」「競争があった方が燃える」というタイプなら、集団授業が向いているでしょう。

最近では、「前半は個別で基礎を固めて、後半は集団で実戦力をつける」といった組み合わせ型の指導も増えており、柔軟な対応をしてくれる塾もあります。

塾選びに迷ったときは、体験授業を受けたり、塾の担当者に直接相談したりするのもおすすめです。実際の雰囲気や講師との相性を見てから判断することで、お子さまにとって最適な学習環境を整えることができるでしょう。

3. 個別指導が向いている生徒の特徴

塾選びをするうえで、「個別指導が良いとは聞くけれど、うちの子に本当に合うのかしら?」という不安は、多くの保護者が抱える疑問です。どんなに良い指導スタイルでも、お子さまに合っていなければ効果は十分に出ません。ここでは、個別指導が特に向いている生徒の特徴を具体的にご紹介します。

1. 自分のペースで学びたいタイプ

まず、最も個別指導と相性が良いのが「マイペース型」のお子さんです。たとえば、理解するのに少し時間がかかる教科がある、または反対に、ある分野に関してはどんどん先取り学習をしたい、といった場合です。個別指導であれば、教科ごとに進度や内容を調整できるため、「できるのに待たされる」「わからないのにどんどん進んでしまう」といったストレスがありません。

これは、学習の効率という点でも非常に大きなメリットです。無理に周りに合わせることなく、「今の自分に必要な学習」に集中できることで、理解度も定着率も高くなります。

2. 苦手科目に強い不安を感じている

「数学だけどうしても苦手」「英語の文法がチンプンカンプン」など、特定の教科に強い苦手意識を持っているお子さんにも、個別指導は非常に効果的です。苦手な教科こそ、集団授業では質問がしづらく、つまずきがそのまま残りやすいもの。個別指導では、講師がその子の“つまずきポイント”を見抜いて、基礎から丁寧にやり直してくれます。

例えば、ある中学2年生の生徒さんは、「方程式の文章題」がどうしても理解できずにいました。集団授業では質問できず、ただ授業が進んでいく日々…。個別指導に切り替えたことで、講師が問題文の読み解き方から丁寧に説明し、「わかる」「できる」という感覚を取り戻せたのです。こうした体験は、単なる学力向上だけでなく、学習への自信にもつながります。

3. 質問が苦手・人前で話すのが恥ずかしい

「本当は質問したいけど、手を挙げるのが恥ずかしい…」というお子さんも多いですよね。特に思春期に入ると、「周りにどう見られるか」が気になって、わからないまま黙ってしまうケースが増えます。

個別指導では、生徒と講師の距離が近いため、自然と質問がしやすくなります。わからないことがあっても、「今のところ、少し難しかったかな?」と講師の方から声をかけてもらえることで、気持ちがほぐれ、疑問をそのままにせずに済みます。

4. 勉強のやり方がわからない・自学が苦手

「家でなかなか勉強しない」「そもそもどうやって勉強したらいいかわからない」――こんなお悩みを持つ保護者の方も多いのではないでしょうか?個別指導では、単に問題の解き方を教えるだけでなく、「どうやって勉強を進めるか」「復習の仕方」など、勉強の“方法”までしっかり指導してくれます。

たとえば、小学6年生のある生徒さんは、「毎日勉強しているのに、テストの点が伸びない」と悩んでいました。個別指導の講師が一緒にノートの取り方から見直したところ、学習内容の整理ができていなかったことが判明。以後は「復習しやすいノート作り」を教えてもらい、成績も着実に上がっていきました。

5. 志望校対策など、明確な目標がある

中学受験、高校受験、大学受験など、「ここに行きたい」という明確な目標がある場合も、個別指導は非常に力を発揮します。志望校に合わせた対策をピンポイントで行えるため、無駄なく、最短距離での合格が目指せます。

たとえば、志望校の過去問を分析して傾向をつかみ、それに合った演習を繰り返すことで、「出る問題」を重点的に攻略していく、といった指導が可能です。集団授業では全体に合わせたカリキュラムとなるため、このような個別対応はなかなか難しいのが現実です。

このように、「個別指導が向いているかどうか」は、学力の高さだけでは判断できません。むしろ、「学ぶ上でどんな壁にぶつかっているのか」「どんな環境ならやる気が出るのか」といった、学習そのものに対する姿勢や性格面が大きく関わってきます。

保護者としては、「うちの子はどんなふうに勉強したいと思っているのか」「何に悩んでいるのか」を見つめ直し、その上で最適な学び方を選んであげることが何より大切です。個別指導は、その選択肢のひとつとして、多くの可能性を持っています。

4. 個別指導塾の選び方

お子さまに「個別指導が合っていそうだ」と感じたら、次に悩むのは「どの個別指導塾がいいのか?」という点です。今では多くの個別指導塾があり、見た目は似ていても、指導方針や講師の質、料金体系などは実にさまざま。失敗しない塾選びのためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

1. 指導スタイルを確認する(完全1対1? それとも1対2・3?)

「個別指導」と一口に言っても、実は指導のスタイルにはいくつかのパターンがあります。代表的なのは以下の3つです。

  • 1対1の完全個別指導
     一人の講師が一人の生徒だけを教えるスタイル。常にマンツーマンで見てもらえるので、理解度や進度にぴったり合わせた授業が可能です。その分、費用はやや高めになります。
  • 1対2の個別指導
     一人の講師が2人の生徒を交互に教えるスタイル。一般的な個別指導塾で最も多く採用されています。講師が片方の生徒を教えている間、もう一人は演習に取り組む形が多く、効率的に学習できます。
  • 1対3以上の個別指導
     塾によっては「個別」と言いつつ、1人の講師が3人〜4人を見るケースも。この場合、指導時間が分散されやすく、個別指導としての密度が薄くなる可能性があるため、注意が必要です。

まずは「自分の子にはどの程度の手厚さが必要か?」を考え、指導スタイルを見極めましょう。

2. 講師の質と相性を見る

個別指導は、講師と生徒の距離が近い分、講師の質や相性が学習成果に直結します。ですので、講師が単に「教科に詳しい」だけでなく、「お子さんとしっかり向き合ってくれるか」「信頼関係を築いてくれそうか」など、人柄や指導スタンスにも注目しましょう。

塾によっては、講師が学生アルバイト中心の場合と、専任講師や社会人講師が多い場合とで違いがあります。学生講師でも熱意があり、丁寧に教えてくれる方はたくさんいますが、「経験豊富な講師に任せたい」という場合は専任講師が多い塾の方が安心かもしれません。

体験授業を通じて講師の教え方や雰囲気を見ておくと、ミスマッチを防げます。

3. 教材とカリキュラムは柔軟か?

個別指導塾の良さのひとつが「オーダーメイド型の指導」ですが、実際にどれだけ柔軟な対応ができるかは塾によって違います。

  • 「学校の教科書に合わせた授業ができるか」
  • 「市販教材や持ち込み教材にも対応してくれるか」
  • 「苦手単元に特化した対策ができるか」
  • 「定期テスト対策と受験対策のバランスを取れるか」

など、塾の対応範囲をよく確認しましょう。中には、塾独自の教材しか使えず、カリキュラムも決まった順序でしか進められない塾もあります。それが悪いわけではありませんが、「自由度が高い個別指導」を期待していた場合には、ギャップが生まれてしまうかもしれません。

4. 通いやすさ・学習環境をチェック

通塾のしやすさも意外と重要です。通塾に時間がかかると、それだけでお子さんの負担が増えてしまいます。学校帰りに寄れる場所にあるか、自転車で安全に通える立地かどうかなど、無理のない距離感であることを確認しましょう。

また、教室の雰囲気も見ておきたいポイントです。整理整頓がされているか、静かな学習環境が保たれているか、講師と生徒のコミュニケーションは活発か――そうした細かいところからも、塾の「本気度」が見えてきます。

5. 料金体系と振替制度も重要

個別指導は集団塾に比べると費用が高くなる傾向があります。そのため、料金体系が明確であるか、月謝に加えてどんな追加費用が発生するかを事前にしっかり確認しましょう。

特に見落とされがちなのが「授業の振替ルール」です。お子さんの体調不良や学校行事などで授業を休まざるを得ないケースは意外と多いもの。柔軟に振替ができる塾であれば、無駄なく通塾を続けることができます。

6. 保護者との連携体制

最後に、保護者との情報共有がきちんとなされているかも大切です。授業の様子やお子さまの理解度、進捗状況などを定期的にフィードバックしてくれる塾は、信頼して任せられます。

  • 月1回の面談がある
  • 授業報告書が届く
  • LINEやアプリで連絡が取れる

など、保護者との「見える関係づくり」に力を入れている塾は、お子さまの変化にもすぐ気づいて対応してくれます。

いかがでしたか? 個別指導塾選びは、単に「近いから」「有名だから」で決めてしまうにはもったいないほど、塾ごとに色と特色があります。だからこそ、複数の塾を比較し、実際に体験してから決めるのがおすすめです。

お子さまの性格や学習の悩みにしっかり向き合ってくれる塾こそ、成績アップだけでなく、自信や学ぶ楽しさを育ててくれる存在になるはずです。

ご希望であれば、次のパート「5. 個別指導の費用と効果」もすぐご用意いたします。続けて進めますか?

5. 個別指導の費用と効果:本当に“高い”のか?

「個別指導はいいって聞くけれど、やっぱり高いんでしょう?」
これは、保護者の方から最も多く聞かれる声かもしれません。確かに、個別指導は集団塾と比べると月謝が高めに設定されていることが多いです。でも、その「高さ」が本当に“損”になるとは限りません。ここでは、個別指導の費用相場と、得られる効果、そして“コスパ”の観点からの塾選びについてお伝えします。

1. 個別指導の費用相場ってどれくらい?

まずは目安として、個別指導の料金相場を見てみましょう。

  • 小学生:1コマ(60分)あたり 3,000〜5,000円前後
  • 中学生:1コマ(80〜90分)あたり 4,000〜6,500円前後
  • 高校生:1コマ(90分)あたり 5,000〜8,000円以上になることも

多くの塾では、週1回〜2回の通塾からスタートできます。たとえば、中学生が週2回通う場合、月額でおよそ 3〜5万円程度 を見込んでおく必要があります。もちろん、地域や塾のブランド、講師のレベル、1対1か1対2かなどによっても差があります。

また、入会金や教材費、夏期・冬期講習などの季節講習の費用が別途かかるケースもありますので、事前に年間の費用総額を確認しておくことが大切です。

2. 「費用=成果」になる理由

「費用が高い」と感じるかどうかは、得られる成果とのバランスで決まります。個別指導は、まさにその子のためだけにカリキュラムが組まれ、質問の時間もたっぷり取れ、つまずきをその場で解消できる環境です。

たとえば、同じ週2回の授業でも、

  • 集団授業:内容がわからないまま進んでしまい、復習にさらに自習時間が必要
  • 個別指導:その場で理解できる → 復習時間が短縮 → 学習全体の効率がUP

このように、単なる“時間数”では測れない「濃さ」があるのが個別指導です。特に苦手科目や受験直前期など、“今すぐ成果を出したい場面”では、大きな効果を発揮します。

3. 成績アップ以外の“見えにくい効果”も

個別指導の良さは、成績が上がることだけではありません。生徒によっては、むしろ次のような「学習態度の変化」こそが大きな成果になることもあります。

  • 勉強に対する自信がついた
  • 質問する習慣が身についた
  • 家でも自発的に勉強するようになった
  • 成績以外の学校生活にも前向きになった

こうした変化は、講師との距離が近く、丁寧に寄り添ってもらえる個別指導だからこそ生まれるものです。特に「勉強嫌い」や「自己肯定感が低い」お子さまには、この変化が後々の学力や進路に大きく影響してきます。

4. コスパを見極めるポイント

それでもやはり費用は家庭にとって大きな負担。では、個別指導塾の「コスパ」を見極めるには、どんな点をチェックすればいいのでしょうか?

✓ 成績がどう変わったか
もちろん、テストの点や内申などの変化はわかりやすい指標です。過去問の合格率や模試の偏差値アップなど、具体的に数字で効果を示してくれる塾は信頼性が高いです。

✓ 授業の密度と内容の柔軟性
1コマのうち、どれだけ「生徒が自力で解く時間」と「講師が指導する時間」があるかは要チェック。実質の指導時間が短い場合は割高に感じるかもしれません。宿題の質や、進度調整への柔軟さも重要です。

✓ 保護者への報告や面談体制
定期的に学習状況を共有してくれるかどうかも“見えないコスパ”に影響します。報告がしっかりしている塾は、日々の指導にも力を入れている証拠です。

5. 「短期集中」もひとつの選択肢

個別指導は、長期間通うだけでなく「苦手分野の集中対策」や「受験前の仕上げ」といった短期利用にも向いています。費用がネックになりやすいご家庭でも、「ここだけはしっかり対策したい」というポイントを決めて通うことで、十分に効果を実感できます。

たとえば、中学2年の夏休みに「一次関数の徹底理解」だけを1ヶ月で集中対策したり、高3の秋から「志望大学の英語長文対策」だけに絞って指導を受けたり。目的を明確にすれば、限られた時間と予算の中でも成果を出すことは可能です。

結論:「高い」ではなく「使い方次第」

個別指導はたしかに費用がかかりますが、それは「手間と時間と質」をかけた“オーダーメイドの学び”だからこそ。大切なのは、その学びが「今のうちの子に必要か?」「それに見合う成果を得られそうか?」という視点です。

しっかり比較・体験したうえで納得して選べば、個別指導は決して“高いだけの塾”ではなく、“投資に見合った成果”を返してくれる力強い味方になります。

6. まとめ:個別指導のメリットを最大限に活用するために

ここまで、個別指導の特徴やメリット、費用対効果、塾選びのポイントなどをお話してきました。個別指導は確かに魅力的な学習スタイルですが、“選んだからOK”ではありません。塾の力を最大限に活かすには、保護者と生徒、そして塾が三位一体となって、同じ方向を向くことがとても大切です。

ここでは、個別指導のメリットを「本当に成果につなげる」ために、ぜひ意識していただきたいポイントをまとめてご紹介します。

1. ゴールを明確にする

まず何より大事なのが「塾に通う目的」を明確にしておくことです。

  • 「学校の成績を上げたい」
  • 「受験に向けた基礎固めをしたい」
  • 「苦手科目を克服したい」
  • 「学習習慣をつけたい」

など、目的によって最適な学習内容や進め方は異なります。個別指導は柔軟性が高いからこそ、ゴールがぼんやりしていると指導も曖昧になりがちです。逆に言えば、明確な目標があればあるほど、効果的に指導をカスタマイズでき、成果も出やすくなります。

塾に入る際は、ぜひご家庭でも「なぜ通うのか」「どこをどう変えたいのか」を話し合い、講師とも共有しましょう。

2. 保護者も“見守る伴走者”に

個別指導はマンツーマンで手厚い分、つい保護者が「全部塾にお任せ」となってしまいがちです。しかし実は、保護者のかかわり方も子どもの成績ややる気に大きな影響を与えます。

  • 塾で何を習っているのか
  • 今どんな課題に取り組んでいるのか
  • 最近、勉強に対してどんな気持ちを持っているのか

こうしたことに関心を持ち、必要に応じて声をかけたり励ましたりするだけでも、子どもは「見てもらえている」という安心感から頑張ることができます。

また、面談や連絡帳、塾アプリなどを通じて、講師とのコミュニケーションを密に取ることも大切です。「塾と家庭が連携している」という感覚があるだけで、子どもはより前向きになります。

3. 通わせっぱなしにしない

塾に通い始めたばかりの頃はモチベーションも高く、目に見える成果も出やすいものです。ただ、数か月たつと「通っているけれど、なんとなく停滞している…?」という感覚になることもあります。

そうならないためには、定期的に以下のような視点で振り返ることが大切です。

  • 授業でどんな内容をやっているのか
  • 苦手は克服されつつあるか
  • 勉強への姿勢に変化はあるか
  • 目標に向かって順調に進んでいるか

必要であれば塾に相談し、学習内容や通塾回数を調整したり、講師の変更をお願いするのもひとつの方法です。個別指導は“型にはまっていない”ぶん、柔軟に対応してくれる塾が多いので、遠慮せず改善を求めましょう。

4. 自宅学習と組み合わせてこそ真価を発揮

個別指導塾で理解を深めることは大切ですが、やはり学力定着のためには「自分の力で解く」時間が欠かせません。つまり、塾の授業を“わかった”で終わらせず、“できる”に変えていく自宅学習が非常に重要です。

保護者としては、

  • 塾の宿題をちゃんとやっているか
  • わからないところを講師に質問できているか
  • 家での勉強環境が整っているか

といった点をチェックし、必要ならサポートしてあげましょう。「塾に行ってるのに成績が上がらない」という場合、自宅学習の質に問題があることが少なくありません。

塾で学んだ内容を家庭でも復習できる環境づくりが、最終的には成績アップの決め手になります。

5. 続けることが最大の力に

最後にもうひとつ大切なのは、「継続することの力」を信じることです。個別指導は、急激に成績が爆上がりする魔法のような学習法ではありません。むしろ、毎回の授業で少しずつ理解を積み重ね、自信をつけていく――そんな着実な学び方です。

時には停滞期があるかもしれません。やる気が落ちる時期もあるかもしれません。それでも、一歩一歩前に進み続けることで、確実に「できること」が増え、学習に対する姿勢が変わっていきます。

個別指導は、お子さん一人ひとりに寄り添いながら、その成長に合わせて歩んでくれる学びのパートナーです。焦らず、比べすぎず、お子さんの“今”をしっかり見つめながら応援してあげてください。

おわりに:最も効果的な塾は、「お子さんに合った塾」

「どの塾が一番いいのか?」という質問に、万人共通の正解はありません。集団が向いている子もいれば、個別でグンと伸びる子もいます。

大切なのは、「今のお子さんが、どんな学習環境なら安心して学べるのか?」という視点で考えること。そして、選んだ塾と、親子で協力しながら“チーム”になって学びを進めていくことです。

個別指導という選択肢が、お子さまにとって前向きな成長のきっかけとなり、勉強への自信と達成感につながることを願っています。