中学校は、2021年度から学習指導要領が変わり、評定のつけ方もかわりました。
「4や5が取りにくくなった」「定期テストで80点だった生徒が【3】だった」という話も聞こえてきますがいったいなぜでしょう?
また、評定は、高校入試や大学入試でも重要になる指標の一つですが、実際、どのように活用されているのでしょうか?
今回は中学校の評定、高校入試での調査書の評定についての活用について最新情報をお届けします。(※令和5年度入試時点)
◆4観点→3観点で「基礎的事項」の比重が3分の1に!
これまでは、
①知識・理解、②技能、③思考・判断・表現、④関心・意欲・態度
と4つの観点で評価されていたのが、
①知識・技能、②思考・判断・表現、③主体的に学習に取り組む態度
と3つの観点になりました。
評定の決め方は、3つの観点ごとにA・B・Cで評価し、それを総括して、5・4・3・2・1がつけられます。例えば、知識・技能がAでも、思考・判断・表現がB、主体的に学びに取り組む態度がBとなると評定は【3】がつくこともあります。冒頭の「定期テストで80点以上だった生徒が【3】」はこのケースが考えられます。これまで、「知識・理解」、「技能」の基礎的事項がおよそ半分を占めていたところ、「思考・判断・表現」や「主体的に学習に取り組む態度」の重要性がより大きくなったと言えます。
◆都道府県でこんなにも違う!高校入試での評定
中学校の評定が高校入試の判定にも活用されます。ただ、その方法は都道府県によってさまざまです。
<活用される対象学年が違う!>
中1~3年の3年分の評定がありますが、どこの都道府県も同じルールで活用されるわけではありません。
中1~3のみが対象の場合もあれば、中3のみが対象の場合など、以下の4種類に分かれます。
・中1~3年の3年間の比重が同じ・・・広島県、佐賀県、長崎県、宮崎県など全22府県
・中1~3年の中で中3の比重が大きい・・・岡山県、香川県、熊本県、大分県など全12道府県
・中3の評定のみが活用される・・・東京都、福岡県、鹿児島県など全10都県
・中2~3の評定が活用される・・・神奈川県、富山県、奈良県の3県
<主要5教科と実技の比重が違う!>
主要5教科に比べて、実技の割合が高い都府県は15県あります。特に中1~3年の3年間の比重が同じ府県では、約4割が実技の比重を高くしています。
ネッツのある都県では、東京都、広島県、香川県、大分県、鹿児島県などがそれにあたります。
福岡の場合、中3のみの評定で、実技との比重もかわらないので、3年生の主要5教科の評定の割合は高いと言えます。しかし、広島県の場合は3年間の比重が同じで、実技の比重が高く設定されているので、3年生の主要5教科の評定の割合はずいぶん圧縮されてしまいます。
さらに、学力テストと評定の比率は県単位では無く、学校によって異なるケースもあります。面接がある場合もあります。評定は一時的な努力で簡単に上げるのもなかなか難しいものでもあるので、高校入試に向けて、合格の可能性を高めるためにも、中1の頃からコツコツと評定を固めておくことが大切です。
評定を上げると一言で言っても、お子さんのタイプによって、どの観点を上げるべきなのか変わってきます。
この3月に受け取られた通知表で、どの観点が優れていてどの観点で対策が必要なのか、注目してご覧になられてみてください。